- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784005007042
感想・レビュー・書評
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甘未、酸味、塩味、甘味、苦味に続く第5の味覚として、うま味が存在する。
実は第5の味覚としてはなかなか認められず、西暦2000年に受容体が発見されたことにより世界的に認められたそうだ。
昔から、だしはうま味だと思っていたが、それは日本の中でだけだったらしい。
かつおぶしや昆布、シイタケなどは知っていたが、肉やトマトやチーズにも含まれていたとは知らなかった。味とは面白い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
サケはなぜ自分の生まれた川に戻っていくのか? 料理で合わせだしにするとぐっとおいしくなるのはなぜか? その鍵を握っているのはいずれも「うま味」。この本は、味の基本要素である「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」につづく第五の存在「うま味」(グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸)について語ってくれている本だ。(ちなみに厳密に言うと「辛味」や「渋味」は痛覚の一種であって味ではないらしいです...)
うま味成分ってそもそも何か、それはどんな食品に含まれているのかという話題に始まって、うま味が世界で認知されるまでの歴史、そしてうま味を感じるための味蕾・うま味受容体の仕組みまで。途中で化学式が出てくるとややくじけそうになったけど(現役の高校生は大丈夫だと思う...)、おおむね楽しく読み進めることができた。
岩波ジュニア新書の「〜って何だろう」系のタイトルはあまりうまくピタッとはまってないなあと思うことが多いのだけど、この本については、「そういやうま味って何だろう?」という素直な疑問を呼び覚ましてくれるので、そのタイトルも良かったと思う。
うま味に限らず温度や固さなどの食感を含めた「おいしさ」がどのように知覚されるのか、という話題にも興味があった。そのへんを掘り下げてくれた本があればぜひ読んでみたい。