しあわせに働ける社会へ (岩波ジュニア新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 108
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005007158

作品紹介・あらすじ

長引く不況の影響を受け、若者たちの就職が厳しさを増す一方、働き口があっても苛酷な労働に心身の健康を損ねて退職を余儀なくされる者もいる。誰もがしあわせに働ける社会にするために必要な労働政策とは何か?働く者に必要な知識とは?多くの労働現場を丹念に取材してきた著者が、さまざまな事例をもとに提言する。

感想・レビュー・書評

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  • ILOの創設から100年、そして日本はすでに先進国の仲間入りを果たして、かなりの年月が経過している。しかし、1998年のILO「新宣言」の最優先8条約のうち2つも批准していないという。雇用劣化、労働の二極化、増え続ける非正規従業員、自己責任だと責められる非正社員。その構造が、分かりやすく説かれている。

  • 第一章を読んで。
    ブラック企業、過労死、不況、未払い賃金、残業といった、働くことに対していいイメージを一つも持たずに就職活動を始めて、これから絶望の世界に飛び込もうとしてゆくのかと暗い気持ちになっていた。働くということについて悪いイメージしか持っていなかった自分にとって、タイトルにある「しあわせに働く」という言葉が心に希望の火を灯した。そうか、しあわせに働いていいんだ、働くってことはしあわせなことなのなのか、と。同時に私はしあわせに働こうという気持ちを持ち続け、しあわせに働くことを、追求していいのだという考えにさせてくれた。今の世の中は、構造的に働くことに幸せを感じることができないようになっているけれど、私はその中でも屈せずにしあわせに働きたいという気持ちを持ち続けてもいいんだし、それを実現するために様々な形で要求していかなければならんのだなと感じた。

    2章から最後までを読んで。

  • 元朝日新聞記者による労働問題を真っ正面からとらえた名著。中高生、大学生向けに書かれたものだが、現在、非正規労働にあえぐすべての労働者が読んでさしつかえない。

  • しあわせに働ける社会へ、多くの労働現場を丹念に取材してきた著者が、提言する。
    せめて、過労死などがない社会にしないといけないと思う。

  • 読みやすい。いい本。働くことについて書かれている。就職に失敗しても自分だけのせいじゃないよと思わせます。誤字脱字は無かった。

  • いま就活中の若い人のことを思い浮かべて読み始めたけど、自分の問題でもあると気付かされた。
    前半はかったるかったが後半に向かって面白くなった。
    何かできるかも、と思わせてくれる。日本版フェアトレードっていいな。和民には行かない。とか。
    この著者好きだな。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「日本版フェアトレードっていいな。」
      その意識が浸透したら素敵ですね。。。でも働き手に無理を強いる企業は意外と多いかも。。。
      「日本版フェアトレードっていいな。」
      その意識が浸透したら素敵ですね。。。でも働き手に無理を強いる企業は意外と多いかも。。。
      2013/02/20
  • 誰もがしあわせに働ける社会をつくっていこう! 長く労働現場を取材してきた著者が、働く者に必要な知識から労働政策や制度までを具体的に提言する。【「TRC MARC」の商品解説】

    関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
    https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40167417

  • ●どちらかというと、学生のキャリア教育向けの本。

  • 著者の姿勢には共感できる。
    特に「雪玉をころがす」という比喩で語られた話題は、夢を追いかけなさい、と無責任な理想論を唱えるでもなく、かといってニヒリスティックに現実を語るでもなく、きわめて穏当でありながら鋭く、元気の出る論考でちょっと感動する。

    ただ高校生向きってことで仕方ないのかもしれないのだけど、まずは景気が回復しないと、たぶん何もはじまらないんだよね。
    だから「こうあるべき」という社会を現実に描くなら、それを実現するための財源をどう確保するか、という話が不可欠なんだと思う。そういう視点、ちょっと盛り込んでほしかったなあ、と。

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著者プロフィール

ジャーナリスト

「2021年 『POSSE vol.47』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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