女子読みのススメ (岩波ジュニア新書)

著者 : 貴戸理恵
  • 岩波書店 (2013年9月21日発売)
3.50
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  • 20レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005007547

作品紹介

女性の書き手による女性が主人公の小説を、女性の目線で読み解いていくことを通じて、今を生きる少女たちが「子どもから大人になる過程」で出会うさまざまな経験や悩みを浮き彫りにしていく。主人公たちの抱える「生きづらさ」を多面的にとらえながら、多感な10代の生き方を模索する。巻末には、ブックリストを付す。

女子読みのススメ (岩波ジュニア新書)の感想・レビュー・書評

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  • 自分のことはもちろん、周囲との付き合い方について考え、悩み、一番大きな変化の時期である思春期の女子たち。そんな彼女たちを対象に、「学校」「恋愛」「家族」そして「自分自身」にそれぞれ章立て、多くの本を紹介しながら女子の生き方を考えていく。

    こうあるべきといった表現は一切なく、女子に寄り添い、乗り越え方を一緒に紐解いてく。ひとりで抱え込みがちなぐるぐるした感情も「それでいい」とまるっと肯定してくれる姿勢に、きっと思春期の時期に読んで良かったと思える本が見つかるはずです。
    巻末には引用した作品+αがまとめられたブックリストが掲載。多彩な選書で興味深い(まさかの『江古田ちゃん』!乙女とは裏腹に逞しく成長しそう笑)。

  • 著者の貴戸さんは小さい頃、友達が少なく、集団にはなじまない子どもだったらしい。さらに小学校へはほとんど行くことがなかったそうだ。そんな貴戸さんはたっぷりあった時間を使って、たくさんの本を読まれていた。なんだかとても羨ましい。
    私もおとなしく、人付き合いが苦手で、毎日毎日が息切れ寸前で生きていたようなものだ。そんな私の傍らにも本があった。
    会ったこともない、生きてきた時代も違う。でも女の子としての時間を共有した同志。そんな気にさせられる著者オススメの本は、とうに女の子を過ぎ去ってはいるのだけれど、全て読んでみたい。

  • 7歳から12歳まで学校に行かず家で過ごし本を読みまくった著者が、思春期の女の子の心の中を探るキッカケとなるような本を紹介してくれてます。
    内容はみな、けっこう重いです。でもだからこそいいのかもしれません。世の中にはいろんな家庭があり、いろんな人生があるんだよと。

    自分とは真逆の真面目な本ばかりの巻末のリストの中に『臨死‼︎江古田ちゃん』を見つけて急に親近感を覚えました。
    江古田ちゃんはムスメも大好きです(笑)

    あと表紙のイラストが最高。
    物語を読むときは、女の子はだれでもお姫さまになれるんです。

  • 「はじめに」に目を通して、グイグイ読んでしまったら、第1章から躊躇なく読むべし。
    思春期の女子にフォーカスし、彼女たちを等身大に映す、本を紹介。しかも著者は女性限定。
    女の子はこうでなければ、という観念はいっさいなし。どんな生き方も受け止めてくれるような本ばかりだ。
    私のオススメは、朝日文庫「黄色い髪」の紹介部分。主人公夏実は、自分の読書ノートに「中学生はあまり本を読まないほうがいいのでは」と書く。つまり、多感な時期ほど感受性が強く、感動する1冊を読んだら、それで頭がいっぱいになってしまうはずなのだ。
    スイスイ何冊も読めるオトナは、1冊に心を揺さぶられない、ある種冷淡な生き物なのではないか、ということ。
    ううむ、そうかもしれないとギクリ。時間の制約もあるし、とても感動したところで、さっさと次の本に手を伸ばせばならぬ。さらには、どれだけ心を動かされようが、明日から突然会社を辞めるわけでもなく、通勤電車の中で、心だけ本に投影し冒険に繰り出すのだ。
    そう考えると、中高生のほうがよっぽど1冊に向き合っているといえる。

  • 図書館で借りたティーンズ向けの読書指南を一気読み。
    とてもステキな本。
    もっと手元に置いておきたいけれど、
    この本に出逢うべき女の子のために、早く返さなくちゃ。

  • 【目次】
    はじめに [iii-vii]
    目次 [ix-xi]

    I 教室という宇宙船 001
    私の居場所はどこ?/教室のヒエラルキー/強固な物語/いじめについて/いろいろな選択肢/不登校という選択/不自由な仕組み/女子のルール/「自分であること」を貫く/終わらないいじめ/宇宙船の外側

    II 恋愛は女の子を救ってくれる・・・か? 051
    レンアイ大好き!/ガールズ・イン・ラブ/恋愛のモチーフ/実らない恋/身体と自我のはざまで/暴力と恋愛/生きづらさを抱えて/恋愛とは呼ばないけれど,大切な関係はある

    III 家族について 101
    足もとにある最大の謎/ゆりかごは選べない/根のない関係/違っても家族になれる/似て非なる者/ふつうのかたちではないかもしれないけれど・・・

    IV いつか,大人になったら 147
    「ゴール」って何?/処女で非正規雇用の女子ですが何か?/「普通」が難しい社会になっている/いつも心にプライドを/断念の扉

    おわりに(二〇一三年夏 貴戸理恵) [183-186]
    ブックリスト [187-188]

  • 女子の悩みとは言いながらも、引きこもりや売春などの世間でいう一般的ではない境遇にある女子向けに書かれていると思う。
    女子というバカみたいにスカートを短くして、ヘラヘラ笑っているような一般的なイメージに反発する者、あえてイメージ通りに行動する者。
    どんなに努力をしても、周りは所詮見た目という性的な魅力でしか評価をしてくれないことなど、共感できる部分がないわけでもなかった。
    女子は何やかんやいろんなものに雁字搦めで生きづらいと思う。
    悩みがあっても作中で言及されるほどの悩みやひどい境遇でない私にとっては、そこまでは役には立たなかった気がする。

  • 学校・恋愛・家族・大人をテーマに少女(女性)が主人公の本を紹介。巻末にはブックリストあり。重い内容もあり。

    いろいろ疑問点あるけれども、紹介された本や巻末ブックリストの本を読んで探します。

  • これは面白かった!
    本のガイドとしても、もちろんだが、
    思春期や人生について、
    「自分」と折り合って生きていくことについての、
    切実で温かな考察としてもおすすめ!

    目次を見ると、
    「1:教室という宇宙船
     2:恋愛は女の子を救ってくれる……か?
     3:家族について
     4:いつか、大人になったら」

    という4つのテーマで、

    豊島ミホやジャクリーン・ウィルソン、金原ひとみ、
    雨宮処凛、山崎ナオコーラ、中脇初枝などなどの、
    作品をとりあげ、一部文章を紹介したり、
    著者自身の体験や感想が語られる。

    その著者の感想がとってもヒリヒリしていて、切実。
    でもそれに呑み込まれない「ちょっと大人」の視点もある。
    何より、温かい。
    上から「教える」みたいな感じじゃなくて、
    横に一緒にならんでとぼとぼ歩いてくれるような感じ。

    学校図書館にぜひ!
    中学年、高校生、大学生、それ以上でも、
    必要としている子に届くといいな。

  •  「女性の、女性による、女性のための小説を、女性が読んだら何が見えるか?」(本書”はじめに”より)を示すべく本書では著者が現代の10代の女の子達が日常的に向き合うテーマ-「学校」「恋愛」「家族」「大人になること」-をめぐる小説を紹介していく。
     はじめの「学校」をテーマにした章では学校生活で流れている特別な空気感、またその空気を知らず知らずのうちに感じ、当たり前のようにその空気を読みながら過ごして送る日常について語られている。いつの時代においても義務教育があり、学校生活を送る経験は共通にあるとしてその中での過ごし方は時代によって変わってきている。”いじめ”を取り上げた場合そういった事が起こる学校生活の中で現代の女の子が感じているものは何か、小説の中の主人公の心境を取り上げながら著者は論じていく。
     その他のテーマの章においても著者はそこで女の子が感じたことから、そこからどのように「大人の女性」へと歩んでいくのかを取り上げる小説の主人公、また著者の見解とともに論じていく。まだ「大人の女性」へと成長していない10代の女の子達が現代の社会において悩み、考え、感じている様々なことが本を通して感じることができる作品となっている。

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