動物を守りたい君へ (岩波ジュニア新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 75
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005007554

作品紹介・あらすじ

動物が好き、動物のためになることがしたい、と思っている人は多いでしょう。でも、私たちが「動物のため」と思っていることは、本当に正しいのでしょうか。ペットに人間の価値観を押しつけていませんか。絶滅しそうな野生動物を救うには、ただ保護してあげればよいと思っていませんか。動物たちとともに生きるための、大きな視野を与えてくれる一冊。

感想・レビュー・書評

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  •  この本で、我が家では初めての試みとして、うちの小学生中学年の子供たちに中高生向けのジュニア新書を読み聞かせしてみました。そうしたところ結果的に我ながら素晴らしいと思える教育的効果があげられたので、今後もこのような本を探してぜひまた読み聞かせに使ってみたい、と思うまでの良書でした。
     本書の何がそんなに良かったかというと、まず話題が子供たちにとってわかりやすいところから始まっているということです。子供たちも「動物を大切にしたい」という気持ちは当然持っています。さらに植物の受粉や動物の生態の話などは、授業でも断片的に少しずつ習っていることなので、全然わからない話ではありません。それで本書の良いところは、それらの断片的な理科や社会の知識が、筆者の実体験や具体的な地名によって肉付けされ、深められ、つなげられていくことです。理科の別の単元で習ったことがつなげられたり、理科で習ったことと社会で習ったことがつながったり、本書を読むとまるで社会科見学に行ったかのような効果があります。動物を大切にするという身近でわかりやすい話が、東北大震災、福島やチェルノブイリの原子力発電所の事故や、高度経済成長期の環境破壊までいつのまにかひろがっていくので、無理なくそこまで興味を持続することができます。東北大震災に関連して「ナラの木」の詩も良かったです。その詩が本書に全編転載されていなかったのはやむを得ないことでしょうが残念だと思いましたが、すぐにウェブ検索して見つけることができました。地方版の訳も見つけられたし、盛岡版の朗読をyoutubeで見つけることもできました。動物からは脱線とはなりましたが、方言に触れる機会ともなりました。
     画像を検索して見せたりクイズを交えたりなんかして、「ちょっとコレ楽しくてためになる授業になっちゃってんじゃないの」と自己満足までしてしまいました。子供たちの感想も「動物や自然の間にリンクがあるというのがよくわかった。アイヌの人たちが昔から地球は人間だけのものでないことを知っていたというのに感心した」など読書感想文のお手本みたいな感想を述べていました。お勧めです。

  • これは良著です,ペットも含め動物と向き合うとはどういうことかということを,岩波ジュニア新書ということもあり大変わかりやすく書かれている。
    海の恵みを鮭が森に運ぶ,というのには大変驚いた。

  • 大学教授の著者を訪ねた中学生の素朴な一言から、この本は誕生した。「怪我や病気の野生動物を治す獣医さんになりたいのですが、どういう勉強をしたら良いですか?」事故にあった動物を治すのが重要ではなく、動物が自然の営みの中で生を終わることが出来るよう、事故が起きないようにすることが重要。あとは生物学を学ぶお弟子さんの話、レイチェル・カーソンの賞賛、絶滅種・絶滅危惧種の各論や3.11後の原発に対する著者の否定的感情など、雑多な内容。将来、生物学を専攻したい中高生向き。

  • いわゆる果実にはベリーとナッツがある。キャンディーはベリーに似ている(赤くて丸い)、という指摘が面白かった。

  • 野性動物との関わり、ペットとの関わり、家畜との関わり、共生について、そして東日本大震災のこと…。今まで言葉では「動物全体」「地球環境」「持続可能な」といいながらも、ついつい木をみて森をみず、動物個々の事象(例えば絶滅危惧種だったり、ペットの殺処分やや家畜の問題だったり、それぞれその時々自分の興味あるトピックで)となりがちだった自分というものにということに改めて気づかされました。
    ジュニア文庫だけあって分かりやすく、語りかけるような言葉ですーっと胸に響きました。
    子どもにも、おとなにも、一読をお勧めしたい一冊です。

  • これは珍しく?学生から教えてもらった本。とても勉強熱心な女子学生が高校生の頃、この本に出会うことで視野が広がり、自分の本当にやりたいことに気付くきっかけとなったという。本書の内容を聞いていると、視点を変えることで見えるものや世界は変わってきて、善悪というのは一義的に決めつけられないというような内容だと話していた(ちゃんと理解できていたらうれしい)。私も読むと学びが多そうなので、本棚に入れておく。

  • 読みやすい文章でした。

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