日本軍「慰安婦」にされた少女たち (岩波ジュニア新書)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005007608

作品紹介・あらすじ

約70年前、アジアの少女たちの青春が奪われた。日本軍は侵略する先々に、国内に少女を連行し、将兵のための「慰安婦」とした。韓国での直接取材にもとづき、強制連行、「慰安所」の暮らし、戦後の生活、と彼女たちの想像を絶する苦難を描く。旧版にこの20年の動きを加え、書名を変えて刊行。

感想・レビュー・書評

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  • これを読み,なんとも思わないのであれば,まだなお性奴隷などいなかった,強制連行などしていない,などと言えるのであれば,あなたは相当どうかしていることだろう。
    主に元慰安婦の証言について書かれているが,あまりに酷過ぎて吐き気を催すし,涙が出てくる。日本国民の多くが,自分の国が起こした戦争犯罪や人権侵害についてまったく知らないというのは大きな問題であろう。今,韓国や中国との関係があまり良くない方向へ進んでいるが,中心には日本の戦後態度が大きく関わっているのは明らかだ,忘れることも忘れてくださいということも不可能だが,せめて謝罪し過去を清算し,新たに世界で同じ道を歩いていくためにも,我々は国民は意識しなければならないと思う。

  • この本を読むと「従軍慰安婦問題は存在しない」「民間業者が勝手にやった」というのは全て嘘で、従軍慰安婦問題は日本軍の問題であるとわかります。
    「従軍慰安婦問題は存在しない」というのであれば、その証拠を見せてほしいと思いました。

    この本に対する多くの異論があるでしょう。
    そのくらい、内容は重たい。
    必読。

  • 210.7-I
    閲覧新書

  • 3.75/53
    内容(「BOOK」データベースより)
    『約70年前、アジアの少女たちの青春が奪われた。日本軍は侵略する先々に、国内に少女を連行し、将兵のための「慰安婦」とした。韓国での直接取材にもとづき、強制連行、「慰安所」の暮らし、戦後の生活、と彼女たちの想像を絶する苦難を描く。旧版にこの20年の動きを加え、書名を変えて刊行。』

    『日本軍「慰安婦」にされた少女たち』
    著者:石川 逸子
    出版社 ‏: ‎岩波書店
    新書 ‏: ‎240ページ
    発売日 ‏: ‎2013/11/21

  • 労働奴隷としての妻と、性奴隷としての娼妓と、二種の女たちを支配する男たちが閣歩する富国強兵国家ニッポン。この構造のなかに「慰安所制度」がやがておこなわれうる土壌を見る。
    歴史的な背景と土壌は覆せない事実。

  • 慰安婦に対する日本政府の発言への欺瞞。朝鮮人の欺瞞。どちらも、真実を掠りながら、嘘や記憶違いや我欲が混ざり、折り合えない。どちらかに軍配を上げる必要はないが、事実関係のみを整理すれば、見えてくるものがある。

    その意味で、本著は、重要な書物だ。

    先ず、「ユミ、元気にしてる?かにた婦人の村に行ってきた」と、少女の手紙調で始まる。

    なぜ?

    子供に読んで欲しいから。つまり、自ら知識を蓄え欺瞞に気付く前の年齢に、刷り込みたいから。正々堂々、日本政府の見解やその支持者へ反論せず、そのような論法を取る。怪しい。しかし、戦後引き上げ時に関連文書を焼き捨てられた上に、連行された側には証拠などないだろう。従い、このような論法を取るしかなかったと、見逃す事とする。

    しかし、徐々にこの論法が崩れてくる。ユミが、男の子にイタズラされた話。中学生の設定だが、このイタズラの話を親にも友達にもしなかった。理由は、「しっかりしない子とレッテルをはられそうで」。これは、慰安婦が名乗り出た勇気を強調すべく入れられた文章だ。しかし、名乗り出ないのは、「恥ずかしいから。世間に色眼鏡で見られたくないから」が正解で、しっかりしていると見られたいなどというのは、まさに老人の想像だ。

    つまり、本著は、フィクションの上で史実を語ろうとするものだが、主観と客観が混濁してしまっている。そして、ノンフィクションをそのような書き方で表現するには、政治的作為が入り込むため、非常に残念な表現手法だ。子供同士が手紙をやり取りし、その中で慰安婦を勉強していく。実はこれは、進研ゼミなんかで取られる広告手法だ。なぜ、そんなことをする?

    城田すず子にしても、親の借金返上のために、承諾書を提出し、売春行為に及んでいた。彼女は自らを奴隷のようだった、とするが、これを、朝鮮の主張する性奴隷のイメージと巧みに重なるように引用する。

    慰安婦の強制性を主張する側が、こんなに力不足では、いつまでたっても日本政府の主張を覆せず、個人賠償も得られない。戦うと決めたからには、勝たなければいけないが、勇気をもって発言した人たちに対し、あまりにも頼りない。従い、いろんな事を捏造するが、子供の喧嘩のようで、全く逆効果。

    流言からの引用も酷く、女郎を買ったのか無償なのか、文章により異なる。死と隣り合わせ。自らの身体を賭して国の家族を守ろうと戦った軍人。若い肉体には欲もあったろう。それを慰めんとした、大和撫子。性への嫌悪感や、一部の軍人の狼藉が、プロパガンダに利用されている。本著は、中国が成立した当時の国民党を支持しているのか、共産党を支持しているのかさえもハッキリしない。日中戦争が理解できていないのだ。

    残念ながら、著者は、何かを反省したがっているが、自らが犯した問題を理解できていない。まるで、人ごとだ。

    世界恐慌が女性の身売りを余儀無くさせる状況をつくり、白人に蹂躙されたアジアにおいて、シナは、内戦と排外主義を繰り返し悶え、日本は帝国主義の中で覇を競っていた。慰安施設はあった。それは今も存在する米軍のための風俗と変わらない。そこに事件性はあっただろう。問題は、無理に連行されたか否か。これも、当時なら、そういうケースもあっただろうというのが私の立場だ。しかし、発言の殆どが稚拙で、妙な団体が政治利用したせいで、あり得ない主張になってしまっている。

    尚、本著は根拠を示さず、南京で30万人の虐殺があったと、共産党の発言を採用している。この無責任な発言に嫌悪感を持つ人は、読まない方が良い。中国語を解さないのか、三光作戦の、光の語用も誤っている。

    つくづく。組織に属せば、立場を選ばざるを得ない。立場を選べば片方の主張に反論せざるを得ない。組織には、組織の論理、利害がある。そのうち、組織の利害が、属した自らの利権に変わる。そうなると、もはや組織同士の対立では、問題となる事案は折り合わない。違う角度の利権がうまく機能するか、この事案に主張なき別の指導者同士が手を握るような解決策しかないのだ。

  • 改訂版である。特に韓国についての論文、日韓関係の論文、ジェンダーについての論文を書くためには、必然的な読み物である。

  • 耳にしたことはあったが、詳しくは知らなかった慰安婦問題。
    この本を読んでいる途中に何度も吐き気を催した。
    なんでこんな制度があったんだろう。
    どれだけ傷つけられたんだろう。
    もう二度と傷つく女性が出てはならない、と思った。

  • うーーーん

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    「約70年前、アジアの少女たちの青春が奪われた。日本軍は侵略する先々に、国内に少女を連行し、将兵のための「慰安婦」とした。韓国での直接取材にもとづき、強制連行、「慰安所」の暮らし、戦後の生活、と彼女たちの想像を絶する苦難を描く。旧版『「従軍慰安婦」にされた少女たち』にこの20年の動きを加え、書名を変えて刊行。」
    ジュニア新書編集部
    http://www.iwanami.co.jp/hensyu/jr/toku/1311/500760.html

    「「従軍慰安婦」にされた少女たち」
    http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/50/6/5002220.html

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著者プロフィール

1933年、東京生まれ。日本現代詩人会会員。
1982年よりミニコミ通信『ヒロシマ・ナガサキを考える』
主な著書に、『オサヒト覚え書き―亡霊が語る明治維新の影』『日本軍「慰安婦」にされた少女たち』(岩波ジュニア新書『〈日本の戦争〉と詩人たち』(影書房)など。
主な詩集に、『新編 石川逸子詩集』『定本 千鳥ケ淵へ行きましたか』『ぼくは小さな灰になって…。―あなたは劣化ウランを知っていますか?』ほか

「2022年 『三鷹事件 無実の死刑囚 竹内景助の詩と無念』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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