大きらいなやつがいる君のためのリベンジマニュアル (岩波ジュニア新書 805)

  • 岩波書店 (2015年5月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784005008056

みんなの感想まとめ

この作品は、過酷な人間関係や学校生活の中での苦しみを乗り越えるための道筋を描いた自叙伝的な内容です。著者は、自身の経験を通じて、傷つけられた側がどのように環境に適応し、心の強さを育てていくのかを語りま...

感想・レビュー・書評

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  • なんだか穏やかではないタイトル。

    著者の豊島ミホさんは2002年に早稲田大学在学中、女による女のためのR-18小説文学賞の読者賞を『青空チェリー』で受賞して小説家デビューする。その後専業作家となり、次々と作品を上梓するが、2008年、休業宣言。2011年に東日本大震災のチャリティで短編一本を書いたものの、職業作家として復活することはなかった。

    そんな豊島さんが久しぶりに2015年に中高生向けのレーベル、岩波ジュニア文庫から出したものが本書である。

    作家・豊島ミホではなく、人間・豊島ミホの今苦しんでいる中高生に向けての長い手紙だと思った。

    ところどころ、あれ、私が書いたんだっけこの本と勘違いしそうになるほど、今自分が考えていることとリンクする部分があって、ときおり落涙しながら読んだ。

    「大きらいなやつら」がいたあの時の思考や感情が蘇り、過去の自分の話を今の自分が聞いているような、そんな感覚もあった。

    豊島さんの体験も私の体験も、もしかしたら「ぬるい、世間にはもっと辛い目にあっている人もいる」と言われてしまう
    かもしれないけれど、そんな言葉は慰めにもならない。
    渦中にいるときは、むしろ自分を責める材料になってしまう。
    私は長い間、「いじめられたのは、自分が気持ち悪いから、何もやりかえさないから、自分が悪かったんだ」と処理して、怒りも悲しみも閉じ込めてきた。

    そんなことないんじゃね?と自分で認められるようになったのは、ここ数年のこと。

    豊島さんも書いているように、もっと怒ってもよかった、のだ。
    誰がなんと言おうとも、私の怒りは私の怒りだ。
    目を背けてはいけないのだ。

    リベンジって何するの?と興味津々の当事者の子、この本をお子さんが読んでいるのを発見してハラハラしている親御さん。

    そんなに物騒なことは書いてないので、ご安心を。

    不登校を経て、その後遺症に悩み、それでもなんとかやっている大人の体験談。

    作家をやめてからのブログを三回ぐらい拝読して、今回久しぶりに読もうと検索したのだけれど、もうすべて削除されていた。、、、そういえば前回読んだときにそう書いてあったような。

    最後に読んだブログがお幸せそうでほんとうに良かった。

    豊島さん、この本を書いてくれて、生き残ってくれてありがとうございました。

  • リベンジマニュアルっていうより、私はこう乗り越えましたっていう自叙伝な気がする。参考になるところとならないところとがある感じでした。

  • 可愛らしい表紙イラストと相反する過激(!?)なタイトルに惹かれて、読んでみた。笑

    傷つけられたこちら側が環境への適応を求められる~っていうのが、自分にも身に覚えのあることで…その悔しさに共感した。当時、私も子ども心に全然納得いかなかったから。
    一体どうしてそういう結論になっちゃうのかしら。生徒の疑問に答えるのが教師のつとめなんだから、せめて納得できる理由を説明せんかい!まったく!!

    もう(自分を傷つけたやつとは)二度と会わないことが復讐~っていうところに、この人の強さと弱さを感じた。
    たぶん、どういうかたち(立場とか)で再会したとしても萎縮してしまって…結局、何年経ってもその相手とは当時の関係から抜け出すことはできないんだろうなと思う。
    でも、だからってそれを暴力(自傷行為含む)とか第三者への八つ当たりとかで晴らそうとしないあたり、とても忍耐強い人なんだなと思った。

    しかし、人生で見ればほんの一部にすぎないのに、その期間にあんなに苦しめられるとは…学校って不思議な所よねー。笑
    今は、学校がすべてじゃないから逃げてもいいよね☆って思ってるけど、その世界で(しかも人生の序盤で)受け入れられなかった恐怖は大きいし、抜け出すにも勇気がいるから…辛い状況にある人に、もっと頑張れ!って受け取られるようなことを安易には言っちゃいけないなと思ってる。

    ただ相手ルールに流されずに、自分ルールで生きてくこと~に、早い段階で気づければいいんだなと。
    負けるが勝ち!とは、大人になったはずの今でも、そうそう素直には受け入れられないんだけどね。笑
    まだまだ私も修行が足りんかな?

  • この作家の本がどうしてこんなに刺さるのか深く納得した
    わかる、そうそう!と何度も深くうなずきながら読んだ
    知らない人や好意的でない人からブスと一度でも呼ばれたら、そこから百回可愛いと言われても絶対に信用できない。そういうタイプの人間の人間関係構築の難しさがある。

  • 本のタイトルに「リベンジ」という言葉が入っているけど、具体的に何かやり返すわけではない。
    よしもとばななさんの小説から「君の幸せだけが、君に起きたいろんなことに対する復讐なんだ」という台詞がくりかえし引用されるが、つまりそれは「幸せになろうぜ!」というメッセージなんだと思う。
    そして、よしもとばななさんの小説の台詞はジョージ・ハーバートの言葉の引用だと思う。「Living well is the best revenge」ってやつ。

    高校時代に劣等感を持ち、精神的ダメージを負った豊島さん。十年間くらいどんなふうに苦しんできたのか。その苦しみにどうやって折り合いをつけたのか、を語る本だった。
    本をたくさん出して映画化もされているけど、本人はいつも劣等感を持ち、仕事として執筆をしていたらしい。見た目のこととか気にしすぎな感じもしたけど、胸の内は本人にしかわからない。

    憎しみからくる暴力衝動について書かれた部分がよかった。
    暴力で復習したり、目に見える力で憎しみを噴出させると自分自身が傷ついてしまう。だから暴力はダメ。けれど、「死ね!」と思うこと自体はいい。紙に書きなぐってシュレッダーにかければOK、という豊島さんは考える。
    胸を張ってみんなに勧められるやり方ではないけど、その通りだと思った。思うこと自体はOKなのだ。

  • 学級全体を挙げての無視や暴力などという強烈な「イジメ」を経験したわけではない、それでもクラスからの疎外されていることを痛切に感じ、保健室登校となった筆者。
    高校時代の人間関係の失敗の原因を自分自身に原因があると固く思い込み、相手(当時の敵)への復讐と人間不信に陥って10年以上苦しんだ、その様子を赤裸々に語っています。
    「つらい」と感じる事柄は人それぞれですし、「筆者よりもつらい経験を、今自分はしているんだ」という人もいると思いますが、(言葉を選ばずに言えば)暴力を伴ったり逃げ場が全くないというほどの過剰な「いじめ」ではないからこそ、多くの読者にも思い当たる(共感できる)ことが多いのではないかと思います。
    自分に対する他者の評価が気にならない人はほとんどいないでしょうし、「他人に(肯定的な)評価をされたい」と願うことは自然な欲求だと思います。それでも、他者の視点に囚われてしまうと、生きてゆくのがつらくなってしまう。
    そのバランスを見出すまでにたどった筆者の歩みを追うことで、特に思春期の悩み多い世代にとっては、生きてゆくことが少し楽になるヒントがもらえるのではないかと思います。

    教員として生徒に推薦するには少しハードルが高い本であると思いますが、もし人間関係に悩んでいる生徒がいるのであれば、そっと教えてあげたいと思いますし、自分の息子が悩んでいるときには、彼のありのままを受け止められる、そんな親になりたいと改めて思わされました。

  • まあ読み手を選ぶ本。この本で「敵」とみなされるような人間が読んでもさっぱり分からないだろうと思う。著者は自分が死んでも社会には何ら影響がない、というが、いやこの本読みたかったです。『底辺女子高生』もたしかもってたんだが、見返してみようかしらん。しかしまあ、著者もたびたび言っているが、わりあい「ぬるい」仕打ちであったことはたしかで、どうしても死ぬとか殺すとかするほかない人はどうしようもないのだろう。しょうがない。小説も拝読する。

  • スクールカーストに苦しんだ人が大人になってもそれを引きずり、かりそめの成功を掴んでも苦しみ続け、そしてある意味解脱して楽に生きていけるようになった過程を綴ってくれた本。今苦しんでいる人は、少々長いが、是非読んで、生きていく糧としてほしいと思う。「そのままでいんだよ」「悪いのはあなたじゃないよ」の言葉が心にしみる。

  • もと作家、の豊島ミホさんによる、「今が辛い」若い世代への体験記。豊島さんは面白いなーと思って読んでいた作家だったので、これから小説が読めないのは悲しい。たまにでいいからだしてほしいなあ。こういう本を書いちゃう豊島さんも、残されている小説も、需要はあると思うんだよね〜。まあ本人が幸せなのが大事なので、豊島さんの今後に幸あれかし。そして、今も「生きているのが辛い」「毎日が辛い」ひとはいると思うんだけど、ちょっと、その場から、逃げ出してみるのもいいかもしれないなあと思います。「そこだけ」で、実は世界はできてないんじゃないかなって。(逃げ出せないひともいるかもしれないが……)

  • 20151207
    読み終わってなんだかため息が出ました。色々感じたことはありましたが、まず私には腸煮え繰り返るくらい嫌いな奴はいないということに気がつきました。大学はそんなに好きではない場所でムカつく子もいるけど、寝たら忘れる程度。高校時代も中間層で平和に過ごしてきたので、高校の思い出はとても良い思い出です。
    なるほど、と思う部分もありましたが読んでいてそれはどうなのかな、と思うところもあり…。私は自分が変わることだって必要だと思うのです。それは自分ルールを無くすという事ではなくて…、今の自分をずっと守り続けるだけのことに価値はあまりないと思います。自分に対して理不尽なことをしてきたり、言ってきたり、どう考えてもバカだろ!という相手に対してはバッサリ切り捨てるべきだと思います。が、それを続けていると、自分を否定する人を誰彼構わずバッサリ切り捨ててしまうような気がします。自分を否定する人のことも少し立ち止まって考える必要があるときもあるのではないかと思うのです。
    それから、豊島さんの高校時代が彼女にとってほとんどが辛いことであったためか、豊島さんは学校というシステムの在り方をよく思っていらっしゃらないんだなぁ、と最後にひしひしと感じました。ですが幸せな高校時代を過ごしてきた私としては、学校もそんな悪いもんじゃないと思うのです。
    この一冊は、『大嫌いなやつがいる君のためのリベンジマニュアル』なのでそういう意味では辛い誰かの指針になったらいいなと思います。(きっとそういう状況に自分が置かれていたら、自分が否定されたことを立ち止まって考える必要があるだとか、学校だっていい場所だ、なんて言わないと思います。)ですが、私にはそんな人がいなかったので(そのことに序盤で気がついたので)、自分も変わることだって大切だ、などという感想が生まれたのでしょうね。
    途中すごくモヤモヤしましたが、多分それは自分が恵まれている証拠です。

  • リベンジマニュアル、なんて物騒なタイトルですが、そんなもんじゃない。もっと、ちょっと背中を押してくれるような、あたたかくてやさしい本でした。生きることに傷ついてる子どもたちに、ひとりでも多くの子どもたちに届けばいい。こんな本を出してくれるなら、私のなかの岩波ジュニア新書の株は上がらざるを得ないです。よくやってくれたなぁと思う。

  • 小説かと思いきや自叙伝だった。
    何とか最後まで読み終えたけど少し重い気分。いろいろ残念な人かな。凄く能力があるのに自分を否定して自滅してしまったようなタイプ。コンプレックスは誰にでもあると思うけど、著者はコンプレックスをコントロールできず押し潰されてしまったと思う。周りは敵ばかりの環境で小動物みたいに逃げ回っているみたい。同意できる部分は少なかった。

  • 私も過去の人間関係のあれやこれやから、固定化した思考パターンが身についていることを嫌というほど感じた。

    人をスペックで見てしまうこと、仮想敵を作ってしまうこと。

    この本を読んで、そうした自分を言語化できたことが収穫。

  • タイトルがどストレートで好き。久しぶりの豊島ミホさんの作品。
    読んでてこの人生きづらそうだなと思った。わたしも上手く生きられない人なので良くわかる。傷つきやすくて憎みやすく上手に渡り歩けない。
    わたしは幸いいじめや無視にあうことはなく、最近でいうスクールカーストも下位に属したことも下位として扱われることも一切なく、どちらかといえば常に上位にいたのでそこは豊島さんとは違うのですが、スクールカーストの上位も上位なりに大変で、結局は孤立することを選び保健室ではなく学校に通うことを捨て単位ギリギリで卒業した高校時代を思い出した。
    嫌なことや憎しみが生まれる気持ちを関係ない、と捨てるのは難しい。それは生きづらい人は感情的な思考を持ってるからだと思う。だからと言って感情に振り回されずに生きる術を得るのはなかなか難しい。それらを得て、初めて今を生きれるのかな。難しいね。

  • 語り口調だから、すいすい読めて、そのまま流しちゃって、読み終った今はまだ消化出来てない感じ。
    自分の実感や、これからにどう活かしていこうとかがまだ見えないという意味で。

    「豊島ミホ」の小説もエッセイも大好きだし、どんな形であれこうやってまた本が出たことが私は嬉しい。

  • そうなんだよな。結論は簡単で「クソなヤツなんてどうでもいいと思うこと」なんだけど、そこに自分で心から納得してたどり着くまでが簡単じゃない。自分もこの本の著者と同じく10年はかかった気がする。でもこの本を読んだ人なら、もうちょっとその結論にたどり着く時間を短縮できそうだな、と思った。そして自分の子供もこの世に生きている以上、間違いなくクソ人間に会うだろうから、そういうときに親としてどう接していったらいいか、いいヒントになった。

  • 岩波ジュニア新書なので学生さんにはもちろんですが、大人にも刺さります。むしろ大人の方が読むと癒されるのでは?とも感じます。
    著者の学生時代などの実体験を踏まえて、大嫌いだった人との関わり方にヒントをくれる本です。
    現在もしくな過去に大嫌いな人がいる、キラキラ青春のあの人たちのグループにいれたら良かったのかな、とか少しでも思ったことがある方におすすめです。

  • 高校生以上。大きらいなやつがいなくても読むといい。

  • ジュニアでもないし大きらいなやつも復讐する予定もないけど久しぶりに豊島ミホさんの名前を見て読んだ!もう作家は辞められてたんですね。知らなかった。これも10年前の本だった。
    高校生から浪人、大学、専業作家時代、復讐と憎しみにとらわれてたころを赤裸々すぎに書いてあって読んでてしんどかった!過去に傷つけられたことでずっとずっと苦しんでて、自分を守ろうと理論武装したり、自虐したり、あいつらと定めた敵と戦い続けて、予防線を張らざるを得ないくらい過去の傷って痛いものなんだなって苦しくなる。傷が毒になって、自己啓発の会社でのインタビューとか合コンの話とか、すごくつらそうだ。
    マニュアルが必要な子の助けになれば良いなと思います。

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著者プロフィール

2002年、新潮社「女による女のための『R-18』文学賞」で読者賞を受賞し、同年『青空チェリー』刊行でデビュー。著作に『檸檬のころ』『夜の朝顔』『リテイク・シックスティーン』などがある。

「2010年 『神田川デイズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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