- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784005008162
作品紹介・あらすじ
アイドルとして何かできることがあるのだろうか?そんな問いかけから始まったAKB48グループの被災地訪問。2011年5月にスタートしたこの活動は、毎月1回、一度も欠かさず続けられている。ステージトラックでのミニライブやハイタッチ会、被災地の人々との交流…。人気アイドルたちの知られざる姿を紹介します。
感想・レビュー・書評
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私がAKBのファンだと言うと「引く」人が多いのですが、この本を読むとAKBの真髄があるような気がする。
大震災からこの方、被災地コンサートはいろんなミュージシャンが企画している。しかし、AKBの「被災地訪問活動」は少し内容が違う。一つはその継続性と回数。2011年5月から欠かすことなく毎月。6人交代で行っている。そうなると、単なる慈善じゃない。お互いに必要とされているから行えることである。
AKBは「卒業」のあるグループである。自分で決めてグループから離れて行く。脱落する(せざる得ない)者もいるけれども、独り立ち出来ると判断して卒業するのが彼女たちの「目標」である。10代の彼女たちがそこまでになるのに、どこまで変われるか、成長出来るか、それをメディアツールや実物を見て「見守り」「推す(応援)」ことが出来るのが、ファンとしてのAKBの魅力なのだ。その成長の「瞬間」の一つがこの活動なのだと、私は思うのである。
被災地訪問活動で、彼女たちは「人間として」対応せざるを得なくなる。それを、この活動をプロデュースしTVディレクターでもある石原さんは、ドキュメンタリー手法を使い乾いたタッチで記録している。
峯岸にシロツメクサの小さな花束を渡した少女、仙台出身の岩田華怜の複雑な心境、雨の日に一緒にずぶ濡れになろうと提案する前田敦子、初めての訪問に長い長いGoogle+を書いた14歳の宮脇咲良、大島優子総選挙一位3日後の大雨の中のパフォーマンス、「So long!」に涙する渡辺麻友、「来てくれてありがとう」という団扇の可愛い文字、偶然大ファンの島崎遥香に会えた福祉施設の中学生、山田町のジオラマに対する阿部マリア、入山杏奈、森保まどか、松井玲奈、松村香織、込山はるかとの交流。
一つ一つのエピソードに、恥ずかしいことに涙が止まらない。彼女たちの小さな「成長」が想像出来るからである。私には子どもは居ないけれども、この想いは既に父親のそれだろうと、私は思っている。
2015年12月17日読了詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2022年2月16日読了。2011年の震災から行われた被災地でのAKBミニコンサート、2015年までに実施された52回全てに同行したという著者による記録。「被災者を励ましに行ったが自分たちが逆に励まされた」というAKBメンバーらの述懐が全てか、アイドルという存在が・自分たちのパフォーマンスが、目の前にいる悲惨な境遇に置かれた人々を勇気づけることができる、ということを実感することが彼女たちに与える影響を想像すると、それはもちろん素晴らしいことではあるのだが、年端もゆかぬ少女たちの人生観に決定的な影響を与えうるそのような状況に彼女たちを連れて行くことの責任を誰がどう取れるのだろうか、という疑問もわく…。「よい面も悪い面ももちろんあるのだから、とにかく何かやってみよう!」ということなのだよな。2022年の今でもリモートで被災地支援は続けているというのだから、東北にも行けていない自分としては全く頭が下がる。
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最近、東日本大震災関連の本を読んでおり、その流れで本書を手に取りました。
読んでいる途中、涙をこらえきれない場面もありました。
私はAKB48のファンでもアンチでもないのですが、被災地に正面から向き合って真摯な活動をしていた彼女たち、スタッフさんたちには、敬意を表したいと思います。 -
2021年1月期の展示本です。
最新の所在はOPACを確認してください。
TEA-OPACへのリンクはこちら↓
https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00520398 -
NHKエンタープライズのプロデューサーでもあり、たくさんの番組を作られた石原さんが、AKB48とともに、被災地訪問をしたときのことを書かれた本。
AKB48が東日本大震災の被災地を訪問し、そのなかで地域の人々と触れあって感じること、考えたこと。AKB48のメンバーも若く多感な時期で、だからこそ感じられることもあったでしょう。
それが石原さんの視点で書かれています。
AKB48がパフォーマンスを届けることで、励ましに行ったのに、逆に励まされることもあったようです。
定期的に被災地を訪れ、AKBメンバーも感じるところがあったのではないでしょうか。
岩波ジュニア新書で対象となるのが主に中高生でしょうが様々な人が読んで、被災地へ思いを寄せることができたらと思います。 -
その規模も名声も実力も、まさにビッグな、「国民的アイドルグループ」とすら呼ばれるAKB48グループが、2011年の5月からずっと毎月一度続けている東日本大震災の被災地訪問活動の様子を記した本です。読んでいると、じんわりとこころが震えてくるんですよね。AKBの子たちの献身的な行動も理由だろうけれど、困った人たち、かわいそうな人たちがいるんだから、そういう人を見捨てておけるはずがないというような、より根源的な気持ちを感じるんです。それで、やっぱりそういう行為に「売名」だとかケチをつける輩がいるそうなんですが、スタッフはもはや気にせずに、これには絶対意味があるというようにわかっていて、活動しているわけです。これは美しいし、人間的な行為だとぼくは思いますし、多くの人はそう感じるのではないでしょうか。
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本作品は、東日本大震災の発生以降、
現在まで、一度も途切れることなく、
月に一度、被災地訪問活動を続ける、
AKB48グループの活動を紹介しています。
アイドルによる被災地訪問活動への葛藤、
参加するメンバーが抱く想いの変遷、
そして、被災地の方々の反応が、
ジュニア新書という媒体らしく、
口語体で、簡潔に書かれており、
とても分かり易くて、よかったです!
東日本大震災から、間もなく5年…。
現在も、継続して活動されている芸能人も、
たくさんおられるでしょうし、それ以上に、
様々な形で支援や復興に携わっている方も、
たくさんおられるでしょうが…、その中で、
芸能人に求められる支援活動、その役割は、
その知名度を利用して、活動状況を発信し、
経年による風化を防ぐ助力だと思います…。
その活動を、「売名行為!」と
誹謗する方も、中にはおられるでしょうが、
本当の売名行為とは、
震災直後の支援祭りに華々しく便乗した後、
すっかり、今は昔となっている方のことで、
現在もなお、地道に活動されている方々を、
売名行為とは言えないと思います。
例えば、他に、
その役割を実践している芸能人としては、
SMAPの皆さんが挙げられるでしょうか?
彼らは、自身の冠番組のエンディングで、
東日本大震災への募金を募っていますが、
その際、VTRを使いまわすことはせず、
常に、番組の収録後にVTRを新録して、
常に、1回限りの放送とすることにより、
その支援活動をルーティン化しています。
このことにより、支援する者、彼らも、
気持ちを、新鮮に保つことができますし、
情報を受け取る者も、新鮮でいられます。
その点からすると、
月に一度、繁忙な日常業務を調整して、
ボランティアで被災地訪問を続ける、
AKB48の支援活動は、
とても大変であることは想像できますが、
その活動の様子、情報が、
あまり大々的には発信されていないので、
少し勿体ないかな~、とも思いました…。
本作品の評価としては、
もう少し被災地の状況も書かれていれば、
とも思いましたが…、
あまり、情報が多くなりすぎると、
理解力も、訴求力も低下するので、
このぐらいが、丁度よいのかな…。
ジュニア新書なので、
大人であれば、2~3時間で読めますが、
馬鹿にすることなかれ、よい内容でした。
AKB48グループ/「誰かのために」プロジェクト
(Web)https://www.akb48.co.jp/darekanotameni/ -
貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784005008162