研究するって面白い!――科学者になった11人の物語 (岩波ジュニア新書)

著者 :
制作 : 伊藤 由佳理 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 163
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005008414

作品紹介・あらすじ

数学、医学、化学、薬学、生物学など理系の専門分野で活躍する女性科学者11人による研究案内。それぞれの研究内容やその魅力を余すところなく伝えるとともに、どのようにして進路を決め、今があるのかについても語ります。時に悩み、回り道をしながらもまい進していく姿に、元気や生きるヒントももらえます。

感想・レビュー・書評

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  • 本屋で目に付いたので手にした作品。
    そもそも「女性」研究者の話だとは思わずに読んでしまいました。
    様々な分野で活躍する研究者の話がまとめられていますが
    それぞれの方のカンタンな研究内容の説明と経歴を書くだけで終わっており
    研究者を目指したが故の苦悩などほとんど描かれていませんでした。
    もっと生々しい話を読みたかったなぁと個人的には思います。
    研究者という道を選んだ以上これは諦めなければならなかったとか
    こういうことでは悔しい思いをしたけれどもこれこれのような
    結果を残したことで満足することが出来たというような
    悪い事も良い事もあまり描かれず中途半端になってしまっていたように思います。
    どの方も女性であることがあまりマイナスにならず
    周りの協力も得られたという人ばかりで苦労した
    と言う話はほとんど出てきませんでした。
    女子中高生向けの「研究者への進め」という本なのであれば
    もう少し現実を教えてくれるほうがありがたいのではと思いました。

    私自身も博士課程に進むかどうかを物凄く悩んで結局辞めた
    という経験があったのでそう感じたのかもしれませんが。

    とはいえ様々なジャンルで第一線で活躍する研究者が
    自分の研究内容を分かりやすく面白く伝えてくれるところは
    結構読み応えがありました。
    研究内容って意外と面白いんじゃんと思わせてくれるという意味では良い本だと思います。

  • 【電子ブックへのリンク先】
    https://kinoden.kinokuniya.co.jp/hokudai/bookdetail/p/KP00076292

    ※学外から利用する場合は、以下のアドレスからご覧ください。
    SSO-ID(教職員)又はELMS-ID(学生)でログインできます。
    https://login.ezoris-hokudai.idm.oclc.org/login?url=https://kinoden.kinokuniya.co.jp/hokudai/bookdetail/p/KP00076292/

  • 刊行日 2016/10/20
    「数学,医学,化学,農学,薬学,生物など理系の専門分野で活躍する女性科学者11人による研究案内.それぞれの研究内容やその魅力を余すところなく伝えると共に,どのようにして進路を決め,今があるのかについても語ります.時に迷い,回り道をしながらもまい進していく姿に元気や生きるヒントももらえます.」
    はじめに

    思ってもみなかった理系の道へ
       植物分類学、植物生態学 西田佐知子

    医学研究の道――ミクロの世界から生命の神秘と病気の原因に迫る旅
       医 学 細谷紀子

    今日も楽しく暗号研究しています!
       現代暗号理論 尾形わかは

    Curiosity makes you smarter!
       環境衛生科学 加藤嘉代子


    急がば回れ――紆余曲折の中で得たもの
       触媒化学、固体化学、放射光分光学 吉田朋子

    天然物化学からマラリア研究へ――研究者であり続けること
       ケミカルバイオロジー、マラリア研究 加藤(坂田)知世

    きっかけはいつでもどこでも
       数値解析 石渡恵美子

    植物の形づくりに魅せられて
       分子生物学 小島晶子

    〝データサイエンス〟で未来 をつくる
       マーケティング、データサイエンス 芳賀麻誉美

    「地球化学」と歩む
       地球化学 南雅代

    自由な数学の世界へ
       代数幾何学 伊藤由佳理
    西田佐知子(にしだ・さちこ)
    1965年,千葉県生まれ.88年京都大学文学部卒業後,日本放送協会(NHK)勤務.91年に退局し京都大学農学部研究生に.92年京都大学大学院人間・環境学研究科入学,98年京都大学博士(人間・環境学)取得.同年,兵庫県立人と自然の博物館研究員,2000年名古屋大学博物館助手を経て,現在名古屋大学博物館および同大学院環境学研究科准教授.専門は植物分類学と植物生態学.熱帯のクスノキ科植物の分類,植物同士や植物と昆虫の相互作用などを研究している.

    細谷紀子(ほそや・のりこ)
    愛知県生まれ.1993年東京大学医学部医学科卒業後,医師となる.血液内科の臨床に携わる傍ら,研究活動を開始し,99年東京大学大学院医学系研究科内科学専攻修了,博士(医学)取得.その後,東京大学医学部附属病院無菌治療部助手,同大学院医学系研究科疾患生命工学センター助教,講師,特任准教授を経て,2019年より東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センター准教授.研究テーマは,DNA損傷に対する生体の応答の制御メカニズムの解明.
    ※第3刷では,プロフィールの一部に脱落がありました

    尾形わかは(おがた・わかは)
    1966年生まれ.東京工業大学理学部卒業,東京工業大学大学院総合理工学研究科修士課程修了,同大学院理工学研究科博士課程修了.姫路工業大学(現兵庫県立大学)工学部助手,東京工業大学理財工学研究センター助教授,同大学院イノベーションマネジメント研究科准教授を経て,現在東京工業大学工学院教授.専門は現代暗号理論.著書に『現代暗号の基礎数理』(共著,コロナ社)など.

    加藤嘉代子(かとう・かよこ)
    星薬科大学薬学部卒業.薬剤師.薬学博士.星薬科大学薬品分析化学教室助手を経て,現在は米国疾病管理センター,環境衛生センター,リサーチサイエンティスト(Centers for Disease Control and Prevention, National Center for Environmental Health, Division of Laboratory Sciences, Research Scientist).共著にToxicological Effects of Perfluoroalkyl and Polyfluoroalkyl Substances(Humana Press), Dried Blood Spots Applications and Techniques(WILEY), Recent Aspect of Endocrine Disrupters-Measurement, Examination and Equipments(CMC)等.その他学術論文60報ほど.

    吉田朋子(よしだ・ともこ)
    1966年生まれ.工学博士(京都大学).京都大学工学部卒業,京都大学大学院工学研究科博士前期課程修了,京都大学大学院工学研究科博士後期課程単位取得退学.名古屋大学工学部助手,名古屋大学大学院工学研究科助教授・エコトピア科学研究所准教授を経て,現在大阪市立大学複合先端研究機構教授.専門は触媒化学,固体化学,放射光分光学.

    加藤(坂田)知世(かとう(さかた)・ともよ)
    名古屋大学理学部及び同大学院理学研究科にて天然物有機化学を学ぶ.修士課程修了後,京都大学大学院農学研究科に進み化学生態学で博士号を取得.スタンフォード大学をはじめ,さまざまな大学および研究機関にて多岐にわたる研究に携わる.2013年-18年8月までハーバード大学公衆衛生学部にてマラリアの研究に参加.現在は中国に移り,Global Health Drug Discovery Instituteにて伝染病研究室の立ち上げに参加し,新規抗マラリア剤の開発を進めている.

    石渡恵美子(いしわた・えみこ)
    1968年東京生まれ.東京理科大学理学部第一部応用数学科教授.早稲田大学大学院理工学研究科数学専攻博士後期課程満期退学,早稲田大学理工学部助手,東邦大学理学部講師,東京理科大学理学部第一部講師,助教授,准教授を経て,現職.博士(理学).専門分野は数値解析や現象把握の数理解析.

    小島晶子(こじま・しょうこ)
    愛知県名古屋市出身.名古屋大学大学院理学研究科生物学専攻博士課程前期修了.農林水産先端技術研究所専門技術員,同研究員としてイネゲノムプロジェクトに参加し,イネのcDNA解析とイネの感光性遺伝子Hd3aの解析を行った.中部大学応用生物学部助手を経て,2003年博士(理学)を取得.現在,同大学准教授.モデル植物であるシロイヌナズナを用いて葉の形づくりのメカニズムに関する研究を行っている.

    芳賀麻誉美(はが・まよみ)
    明治乳業(株)中央研究所に勤務の後,女子栄養大学栄養学部助教,一橋大学大学院国際企業戦略研究科特任講師を経て徳山大学経済学部准教授,現在,大阪経済大学経営学部准教授.早稲田大学人間科学部,同大学院人間科学研究科の非常勤講師.専門はマーケティング,データサイエンス,行動計量学,消費者行動論.
    女子栄養大学助教時代に専門を変える決意をし,電気通信大学情報システム学研究科社会知能情報学専攻博士後期課程に一般入試を経て入学,子育てや介護,経済的事情による休学をはさみながら,博士(学術)を取得している.

    南雅代(みなみ・まさよ)
    東京大学理学部化学科,東京大学大学院理学系研究科化学専攻,日本学術振興会特別研究員,名古屋大学大学院環境学研究科地球環境科学専攻助手,名古屋大学年代測定総合研究センター助教授などを経て,現在,名古屋大学宇宙地球環境研究所教授.博士(理学).専門は地球化学,文化財科学.

    伊藤由佳理(いとう・ゆかり)
    東京都立国立高校,名古屋大学理学部卒業.東京大学大学院数理科学研究科修士課程・博士課程にて博士(数理科学)取得.日本学術振興会特別研究員,東京都立大学(現首都大学東京)助手を経て,2003年名古屋大学大学院多元数理科学研究科講師,07年より同准教授.17年9月より東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構(IPMU)教授.専門は代数幾何学.01年「クレパントな特異点解消とマッカイ対応」の研究で日本数学会賞建部賢弘特別賞受賞.1男1女の母.

  • 11人の女性研究者の研究者になるまでのエピソードや、研究の面白さを伝える内容。

  • 科学者になった女性達の物語。小さいころから科学少女で、といった人は少なく、どちらかというと紆余曲折して科学者になった人が多いという印象。科学者になれる人は一握りで、才能もありますが自分にあった分野や先生に巡り合えるかといった運もあるんだろうな、と思います。

  • 先輩リケジョのSakuraさんお勧め
    11人の女性科学者が、中高生の時にどうやって進路を決めたか、また今どんな研究をしているかを語っています。同じ理系でもいろいろあるので、進路に迷っている中高生にはぴったりです。大学院進学や就職での岐路についても書かれています。ずっと同じ学部にいた人ばかりではありません。これから就職する人、すでに仕事についている人にも、勇気を与えてくれる一冊です。

  • 請求記号 402/I 91

  • 著者の伊藤先生とお近づきになり、非常に魅力的な方だったので拝読した。
    色んな人生、色んな研究があり、まさに高校生にとってこういう刺激は必要なのではないかと感じた。
    どうしても授業は知識を教えることが主になり、その知識を使って何ができるか?何が見えていないことで研究されているのか?という、いわば将来的な知見を築くのが難しい面がある。研究への道を志すには、魅力的な研究世界に出会うこと、そしてその謎解きの一員になりたい、私もそれを知ってみたい…と思うきっかけが大切だと私は思う。

    現在、研究職は難しいという面が世間では猛プッシュされており、魅力よりも保守に走らせる情報が多過ぎるように感じる。本当にやりたいこと、本当に魅力的なことに自分の人生を賭けることが、大事なんじゃないのか。高校生には是非一読し、参考資料として考えに入れて欲しい。

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