ボランティアをやりたい! 高校生ボランティア・アワードに集まれ (岩波ジュニア新書)
- 岩波書店 (2019年12月22日発売)
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感想 : 10件
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Amazon.co.jp ・本 (200ページ) / ISBN・EAN: 9784005009107
作品紹介・あらすじ
全国でボランティア活動を行っている高校生達が一堂に会する「高校生ボランティア・アワード」.環境問題や医療・福祉,国際貢献,地域の課題……,活動はそれぞれ異なっていても「少しでも社会を良くしたい」「誰かのために役立ちたい」という志はみんな同じ.アイディアにあふれ,力強く,元気いっぱいな高校生達の姿を紹介します.
感想・レビュー・書評
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○新書で「学校生活」を読む②
さだまさし・風に立つライオン基金
『ボランティアをやりたい!高校生ボランティア・アワードに集まれ』
(岩波ジュニア新書、2019年)
・分 野:「学校生活」×「未来を読む」
・目 次:
はじめに
高校生の力(さだまさし)
高校生たちの活動
高校生へのメッセージ
さまざまないのちの現場で考えること シンポジウム
参加校リスト
・総 評
本書は「高校生ボランティア・アワード2019」に参加した、高校生たちによるボランティア活動を紹介した本です。著者は歌手として活躍する一方で、このイベントを主催する「財団法人 風に立つライオン基金」を創設した人物でもあります。
高校生ボランティア・アワードは「地道な奉仕活動を実践する高校生の“発表・交流の場”」として創設され、2016年から現在(2023年)まで続いているイベントです。本書では、35校の高校生たちによる個性豊かなボランティア活動が報告されています。この本を読んで面白いなと思った点を、以下の3点にまとめます。
【POINT①】来るべき「その時」に備えて――埼玉県立栗橋北彩高等学校ボランティア部のケース
埼玉県立栗橋北彩高校は久喜市の避難所に指定されていることから、ボランティア部では「地域の防災活動」に力を入れています。例えば、学校周辺を調査したところ、この地域は5階建て以上の建物が学校の校舎しかなく、川が氾濫した場合などは、付近の住民が大勢避難してくることが予想できたと言います。また防災備蓄倉庫を点検した時は、その備蓄が十分ではなく、1000人の避難者がいた場合は「1日分の食料もないこと」が判明し、避難する際には食料を持参してもらうよう呼びかける必要があることが分かったと言います。学校が地域の避難所になっているケースは多いですが、実際に「地域の人が使いやすくなっているか」という視点で見た時、ボランティア部の活動が大きなヒントになると著者は指摘しています。
【POINT②】地球と地元の「未来」を考える――神奈川県立中央農業高校養鶏部のケース
神奈川県立中央農業高校養鶏部は、鶏卵を用いた商品開発や研究活動を行っており、鶏の飼育に欠かせない「飼料」に注目しました。現在、国内で使われている飼料の約9割は輸入品であることから、その自給率を高めるため、国産の食材を混ぜて飼料を増量するアイデアを思い付いたと言います。大学の専門家との共同研究を通じて、地元特産のみかん「湘南ゴールド」の廃棄品を活用した飼料を開発し、通常の飼料と変わらない結果が得られました。こうした養鶏部の活動について、著者は「地球環境に負荷をかけない農業のあり方」や「地域を活性化させる農業のあり方」を探る上で大きなヒントになると指摘しています。
【POINT③】地域の「過去」から考える――岡山県立倉敷古城池高校ワッショイ!とーかーずのケース
岡山県立倉敷古城池高校ワッショイ!とーかーずは、地域の活性化を目標に「子ども食堂の活動」などを行っています。メンバーは、地域で活動する上で「過去から現在までの地域の歴史を知ること」と「コンビナートの企業や商店街の人々について知ること」が大切だと考え、地元の会社を訪問して地域産業の発展の歴史を調査したり、地元の人々からそれぞれ歩んできた人生について話を聞いて記録する「聞き書き」などの活動を行ったりしてきました。こうした「高校生達の元気なエネルギー」と「地域の人々の温かいサポート」が結びつき、コミュニティの新たな活力が生み出されていると著者は指摘しています。
本書で取り上げられている学校の多くは、農業高校や工業高校といった「専門高校」ですが、普通高校も何校かエントリーしています。両者の共通点として、自分たちが得意とする(専門とする)分野や学校がある地域の特性を理解し、それらを現代社会または地元が抱える社会問題と組み合わせて考えている点が挙げられると思います。この本を読んで「自分も何かしてみたい!」という思いを抱いたのであれば、まずは自分や地元の特性を考えてみてはどうでしょうか。
(1483字)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私もボランティアをしたことがあったので興味を持った。自分も何か少しづつでいいので出来ることから始めてみようと思えた。
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「高校生ボランティア・アワード」で紹介された、高校生たちの活動をまとめた本。
ボランティアというと、世のため人のため困った人を助けるというようなものを想像しがちです。でもここで示されているのは、高校生が自分たちの活動と社会をどう繋げていくかということではないかと思えました。
自分たちが興味のある関心のある物事に取り組み、それを知ってもらうためにはどうすればいいのかを考える。そのことが結果として、他人のためになり誰かを助けることにもなり「ボランティア」という形になる。それが素敵だと思ったのです。
伝統野菜を守るために商品開発をする。ものづくりの技術を活かすために、住民のニーズを聞き取りごみ回収ボックスを作る。廃棄処分の野菜を飼料に変える。伝統舞踊を受け継ぐ。などなど。
そこには誰かのためにと思う前に、自分たちの興味や関心があります。それこそがボランティアの大切なことかもしれません。誰かに言われたからするのでなく、自発的な行動なのですから。
そしてその活動が社会と繋がった時に、誰かのためにということが形となり目的が明確化するのでしょう。
自分が興味をもったこと、学校で教わったことが、誰かの役に立つ。そのためには社会と繋がることが大切。
高校生たちのボランティアを紹介し表彰する催しは、その繋がりを生むために必要なものでしょう。
自分の好きなことや日々行なっていることが社会と繋がることで生まれるものがある。それを知ることで、新たな動きが出てくるのかもしれません。 -
SDGsの本として出ているわけではありませんが、海ゴミや屋上ビオトープなどその観点からでも勉強になる本です。岡山の高校も何校か掲載されています(本校も!)。志高い高校生に刺激を受けると思います。
[NDC] 369
[情報入手先] 地歴部の教員
[テーマ] 令和元年度第4回備前地区司書部会/SDGsの本 -
公益財団法人風に立つライオン基金が支援する高校生のボランティア活動を紹介した本
幸運のウィッグ、子ども食堂、読者活動、など様々な支援を通して成長していく姿を見てほのぼのしてくる
著者プロフィール
さだまさしの作品
