- Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784005009121
作品紹介・あらすじ
大学では何をどのように学ぶのか? 高校までの〈勉強〉と何が違うのか? 大学で身につけるべき教養とは?…。池上彰、磯崎憲一郎、國分功一郎、中島岳志、中野民夫、伊藤亜紗、西田亮介…東工大でリベラルアーツ教育に携わる気鋭の大学教員たちが〈学び〉の意味を論じます。これから大学を目指す人、いま大学で学んでいる人へのメッセージ。
感想・レビュー・書評
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大学で学ぶ意義を十分考えてきた一般人ならあまり目新しいことはない、というか「大学は答えを出すことではない勉強をするのだ」系の話に圧倒的に偏っているのだが、伊藤亜紗『女子学生たちへ』と室田真男『「リーダーシップのある専門家」になるために』は割と切り口が違うので面白い。
特に伊藤亜紗の、「世界は書き込み可能である」というのはとてもとても大事なメッセージだと思う。一人ひとりの小さな書き込みが世界の見方の標準をアップデートしていくということ、大人でも分かっていない人多いと思うので。
要読→『リーダーシップ教育のフロンティア(研究編/実践編)』(北大路書房)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本経済新聞連載コラム「池上彰の大岡山通信」
18歳プラス”読書で視野を広げる”という記事の中で紹介されていた本。
池上彰氏をはじめ、13名もの著名人、大学教授の方々がそれぞれの考えを学生たちに語り掛けるように書かれている。学者としての姿勢を貫きつつも、決して上から目線ではなく、学生たちの自主性を喚起させるかのように書かれている姿勢に好感が持てる。リベラルアーツについて考える良い機会になった。いずれにしても、学生側の学ぶ姿勢も大事ではあるが、大学側もより魅力的な教育機関になることを切に希望する。 -
國分功一郎みたいな有名な先生が多数原稿を寄せているので読み比べて批評する精神も養えるし、漫然と偏差値が妥当な大学に進学しようとせずはっきり目標を持って進路を選ぶきっかけになる。
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今年度、本格的にリベラルアーツの授業を受け持つことで、予備知識を入れておくために講読。リベラルアーツっぽいことを講義する自信はあったものの、あくまで自己流だから、専門家・経験者のご意見を拝聴できた。
結論を先に述べると、教育する側として、既に理解している章もあれば、再発見できた章もあった。前者だと、池上彰「自ら問いを立てること」、國分功一郎「問いを発する存在になる」などは、普段の専攻教育科目でも発しているとおり。対照的に、後者の章としては、中島岳志「教養はどのような時に役立つのか」が、これまで頭の中でぼんやりと考えながら教えていた理想を、文章で具現化してくれていたうえで、非常に有益だった。20世紀の批評家・劇作家である福田恆存のメッセージ、すなわち「「99匹」のための実学、「1匹」のための教養」を事例としたのが、本章および本書の主題を明らかにするために、的を射ていた。リベラルアーツで得た「教養」というのは、「何らかの形で人生の前提が崩れた時」にこそ意味を持つものであり、大きな躓きを経験した時、「引っ掛かりのインデックス」が多いほど、危機に強い人間になる(68-69頁)。この点を、まだそれほど大きな躓きをしていない大学生に伝授できることこそ、リベラルアーツの授業に意味が出てこよう。
他方で、有用だったとは言い切れないが、いかにもリベラルでおもしろかったのが、中野民夫「僕は大学時代、何よりも旅から学んだ。」と、多久和理実「「リベラルアーツなんてやりたくない」という人へ」。これだけぶっ飛んだ大学生活を送れる余裕を、現代の大学生にも持ってもらえると、本書の役割も大きかったと言えるのではないだろうか。 -
大学に合格してから、早一ヶ月が経過した。合格したときのワクワクや大学生活が始まる事への喜びは最早薄れ、日々に忙殺されている。さて、大学は何のために行き、何を学ぶかという本書の問いは、答えが一つに定まることはないと思う。私は、大学で色々な挑戦をして、これまで見えなかった新しい世界を見てみたいと思う。単位を取るということも確かに大事であるが、それ以上に学びに没頭したい。
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愛知大学図書館のOPAC https://libopac.aichi-u.ac.jp/iwjs0012opc/BB01025145
人生の大切な時期を過ごす大学。
大学の学びで大切なことは何でしょうか?
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院の13名の
教員たちの熱い「思い」に触れてみましょう。 -
たくさん本を読めば納得できることがたくさんあるが、受動的な教育を受けてきた高校を卒業したばかりの学生が読んでも難しいかもしれない。大学卒業時に自分が大学を通してやってきたことが正しかったのか、確認するために読むといいと思う。
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東工大のリベラルアーツ研究教育院の13人の先生方が「大学でなにを学ぶか」また、リベラルアーツ(教養)とは何か、という問いに答えている。
13人もの先生の話なので、一つ一つが短くて読みやすく、入学式での校長先生のお話のような感じだったが、次の4月から大学生の私にとってはとてもためになることばかりだった。
教養の重要性について熱弁している先生もいれば、読者に寄り添ってやる気を引き出してくれる先生や、自らの大学生活、さらには大学教員生活での経験をたっぷり書いている先生など同じテーマだが十人十色で、面白い本だなと感じた。
すでに2度読んだが、何度でも読み返したくなる良い本だと思った。