女の子はどう生きるか: 教えて,上野先生! (岩波ジュニア新書 929)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 364
感想 : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005009299

作品紹介・あらすじ

「生徒会長はなぜ男子が多いの?」「女の子が黒いランドセルってダメ?」「理系に進みたいのに親がダメっていう」等々.女の子たちが日常的に抱くモヤモヤや疑問に上野先生が全力で答えます.社会に潜む差別や刷りこまれた価値観を洗い出し、一人一人が自分らしい選択をする力、知恵や感性を磨くための1冊。

感想・レビュー・書評

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  • 「女の子はどう生きるか」上野千鶴子著|日刊ゲンダイDIGITAL
    https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/286705

    上野研究室 | ウィメンズアクションネットワーク Women's Action Network
    https://wan.or.jp/ueno

    女の子はどう生きるか - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b553691.html

  • 上野先生の東大祝辞(本書巻末にも収録)には心を動かされたし、これまで日本のジェンダー研究の分野では、上野先生が四半世紀もトップを走り続けているというのは、おそらく誰もが認めるところだと思うのだが……。
    この本の構成が、私にあまりはまらなかったのか、あまりスッキリした読後感というわけでもなくて残念。
    最近出た本なのだけれど、Q&Aの内容が今から10年くらい前??ってな感じで古いのと、対話形式ではないので、一つの質問に対して、上野先生が一方的に悪意のある見方を募らせていってる感があり、フェミニズムを推奨しようとするなら、ちょっと逆効果なのでは?と心配したり。
    途中、下ネタ?的な話題を扱うのも、マジメにフェミニズムを知りたい子たちにはちょっと引かれそうだし、逆にそういう話題をしたい子たちは、こんな地味な装丁の新書は読まないような……。
    ジェンダー格差の問題は、今の中高生もSDGsやら何やらで、ある程度は知識としてあるんじゃないかな。誰に向けてつくった本なのかが、いまいちはっきりしませんでした。

  • 上野千鶴子が好きなんだけど、上野さんが認める女性は私とは違う、と勝手に劣等感を抱いていた。あと、フェミニズムって怖そうとか(笑)
    でもこれを読んで、上野さんの目指すものが少し理解できた気がする。それがとても優しく自由なものであることが。

    「フェミニズムの基本のきは、女らしさ/男らしさに縛られたくない、自由に生きたいってこと」p177
    「弱者が強者になりたい思想じゃない、弱者が弱者のまま尊重されることを求める思想」p178


    女性学、ジェンダー研究など新たな学問を切り拓いてきた上野さんが説く、その自由で柔軟な思想は、今世界が直面している困難にも考え方のヒントをくれそう。
    「予測不可能な世界には、これまでの前列や慣行が役に立ちません。見たこともない現実に立ち向かって、答えのない問いにとりくまなければならないのです。そういうときに必要なのは、複数のシステムが出会うこと、いくつものシステムに足をかけること、違うシステムを積極的に受け入れること」p191

    その「システム」を「渡り歩いている」p191 のが、家事育児仕事を同時にこなしてきた女性だと。

    「違うシステムが接触することで、それまでにないイノベーション(革新)が起きる」p192

    「システムの中でノイズ(情報の素)を起こして~ノイズを受け入れ、ノイズを楽しみ、共に成長できる仲間たちを見つけて」p194 と、上野さんは若い世代に訴えかける。「人生の最後に...あ~、生きててよかった、おもしろかった、って言えるように」p195

    フェミニズムって、権力を持った人(男女問わず)が弱い立場の人を利用し、虐げてきた歴史・現状にノーを言うことだった。
    「わたしたちが弱者として生まれ、弱者として死んでいくことを忘れないようにしましょう。そういう大事なことを教えてくれるのがフェミニズムです。そしてそれを実現するためにあるのが、男女平等です。」p197

    最後に収録されている「東大入学式祝辞」では、弱い立場の人たちに寄り添う上野さんの思いが伝わってきて、読んでいて胸がいっぱいになって、自分が入学するわけでもないのに泣けてしまった(笑)


    タイトルは「女の子はどう生きるか」だけど、おばちゃんも十分励まされて、上野さんがますます好きになりました。
    これからの自分がイノベーションを起こせるとは思えないんだけど、ノイズを楽しむくらいはできそうな気がする。

  • 上野千鶴子が、女の子の疑問に答える!
    タイトルはもちろん、吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』からとられている。
    前書きで書かれているように、同じ岩波書店から出版されることを嬉しく感じているとのこと。

    初めに断っておくが、上野先生は好きだが、その全てを盲信的に受け入れるわけではない。
    私と上野先生は(いや、どんな人だって)立場も、背景も違うからだ。
    しかし、それを差し引いても、やはり女の子だから、ということで差別を行うべきではないとする上野先生の意見には大賛成だ。
    では、いってみよう。

    Q 子育て中の先生が担任を持つのは無責任では?
    A 子育ての終わった先生だけでいいの?
     育児中には責任ある仕事から外すのが親切?
     いや、それは配慮の名を借りた差別だ。
     自分の家族を大事にしない先生に他人の子供を大事にできると思う?

    まさにまさに。
    「お母さんは主婦だけど年金はもらえるの?」とか、「女性専用車両は逆差別では?」とか、「総合職やめようかな」とか…。
    質問には女の子だから、感じてきた社会のおかしさがある。

    女の子だから、で選択肢が狭まることはあってはならない。
    2019年の東大入学式の上の先生の祝辞も巻末に載っている。
    この言葉にどれだけの女子生徒が励まされ、どれだけの学生たちが気づかされたか。
    自らの翼を折ることも折られることもなく、そして誰かの翼を広げる人であれ、上野先生の言葉にはそんな強い意志が感じられる。
    女の子、と銘打たれているが、成長したかつての女の子も、男性も読んでみてほしい。
    今必要なのは想像力と少しの勇気だ。
    それが社会を良くしていく、私はそう信じている。

  • 『感想』
    〇女性が不利なことがまだまだたくさんあることは事実だろうけれど、時間はかかっても改善されてきたことは間違いないのだし、今や女性の方が有利なこともそれなりにあるが、その点には触れていないのは不公平だ。

    〇職種にもよるが、女性の仕事上の地位が高い人を増やそうとしているのは事実。そのために現実的には結婚していない人、子どもがいない人が対象になりやすい事実があるとはいえ、男性よりも能力が低かったとしても女性が上がっていくことはある。純粋に能力が認めていなければダメだと言われそうだが、地位が能力を高めていくわけで、どんな理由であれ立場を高めていけることは本人にとっては良い。その人を昇進させることで、他の誰かは昇進できず、能力を高める機会を失う。

    〇いわゆる女性枠というのは、能力主義の観点だけで見れば不公平だが、女性の視点を増やすことで社会に有効性があると考えているわけだから、社会全体の発展のために存在している。でもこのことで不利益を受ける個人はいるわけで、それは男性でしかありえない。

    〇女性しかできない妊娠・出産は、仕事の立場だけを考えた上では不利かもしれないが、そこから生まれる新しい価値観はあるだろうし、他の命を文字どおり一体となって生むことができるということは、それをどうやってもできない男性からすると羨ましい。

    〇男性にだけ出産ができないのは差別なのだろうか。いやこれは残念ながら生物生存のための区別だ。これと同じことが他にもたくさんある。それは仕方のないことで、それこそ異性を尊重し支え、代わりに同性しかできないことをやるしかない。そこを社会を回す観点から考えることも必要である。

    〇女性の立場が悪い、それだけを訴えることは個人主義でしかない。もう少し全体のことを考えてほしい。著者はそもそも差別をそれなりに乗り越えてきた人で、確かに闘って今の自分を獲得してきたのだろうが、それを他の女性にも勧めるのはどうなのだろう。また男性優位の社会を作った人を「オッサン」と呼ぶこと、何かあると「すご~い」のように”~”を使うこと、いい表現とは思わない。これらは反論する人を軽蔑しているように感じられる。

    〇言えることは、男性も女性もそれぞれの役割があって両方とも存在しないといけない素晴らしいものだということ。差別もあることは確かだが、それを少しずつ解決していく方法は闘うことだけではなく、協調していくことであるということ。お互いを尊重し合いそれぞれの立場の役割を果たすことで、よりよい社会を作っていこう。

  • 「女性専用車両」のこと、わたしもモヤっとしていたことを上野さんがもやもやの原因をきっぱり言語化されていた。
    なんとなくこっちが悪いんじゃないかと感じてしまうことが、社会のなかで生きていくうちにいつの間にやら刷り込まれている女性差別の発想なんだよ、とはっきり言ってくれる。

    先日読んだ『泣いたあとは、新しい靴をはこう新しい靴をはこう。』はちょっと生ぬるかったなと、この本を読んで思ったのである。

    2019年の東大学部入学式での式辞全文が掲載されているのもよかった。

  • 大人が読むと、特にある程度フェミニズムが理解できていれば、目新しいことはない。
    しかし、自分が中高生の頃、この本があったら、目から鱗が落ちたと覆う。

    女子が出席番号で必ず後ろだったり、勉強ができて気の利いた女子がいても、上昇志向の強い(教師に認められたがる)男子が生徒会長になる。家では母はパートと家事でヘトヘト、父は母がてんてこまいしていてもテレビ見ている。なんとなく納得のできない思いを抱えていても、世の中(中高生の世間は狭いので、学校の教師と親)がそれで問題ないと思っているのだから、しょうがないのか、自分の将来も暗いな、としか思っていなかった。
    それから随分経って、世の中大きく変わったかというとほとんど変わっていないことに愕然とする。
    男女混合名簿にしている学校は少ないし、相変わらず生徒会長は男子が多い。男子の部活に女子マネはいるが、女子の部活に男子マネはいない。そもそもマネジャー(マネジメントを行う人)じゃない、雑用係。男子は入試でも就職でも下駄をはかせてもらえるし、政財界のトップに女性がほとんどいない。非正規労働者は女性が多く、シングルマザーの貧困率も高い。

    こんな世の中にしているのは大人なのに、子どもに世の中を変えていって、というのも勝手だよな、とは思うが、問題意識は早いうちから持っておくに越したことはない。
    特に上野さんの地方議員パートタイム制に賛成。
    仕事を別に持っていれば、落選に怯えて業者と癒着することもない。そもそも議員が偉いなんて、議員が金持ちなんておかしいんだから。

    中高生どころか、大学生でも、この本に書いてあることをきちんと理解している女の子(男の子も)少ないと思うので、男女問わず、若者はぜひ読んでほしい。

    難を一つだけ言えば、「ママは『VERY』や『STORY』にもでれるくらいおしゃれ」とか「クソリプ」とか、今なら何の違和感もないけど、数年経てばそんな雑誌も言葉もなくなってるかもしれない。今の女の子が読みやすいように書いているのだろうけど、すぐに古くなりそう。
    日本のフェミニズム界には、まだ上野先生を上回るスーパースターはいないので、いつまでも(もう73歳なんですね!)お元気で、改訂もしてください。

  • 10代の女の子の質問に上野先生が答えてくれる本。

    Q39「就職するまで女性差別なんてないと思っていた」という姉の言葉にびっくりした女の子は、なぜびっくりしたかというと女性差別なんてとっくになくなっていると思っていたから

    それに対して上野先生はちょっと周囲を見まわしてみると女性差別は沢山ある。ただ、実際に直面するまで人間はわからない、とのこと。そこで自分のいる場を変えていくことや会社に入ること自体を考え直してみることを提案してくれる。

    私も就職するまで女性差別にあまり気づかなかったが、今思い返して見ると、あ、あれはそうだった、あれもおかしかった、といろんなできごとが蘇ってくる。
    気づけてよかった。
    気づいたら変えていくのが次のフェーズだな。

    『フェミニズムは女も男のように振る舞いたいとか、弱者が強者になりたいという思想ではない。
    フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想。』
    この言葉を忘れないようにしたい。

  • マララ・ユスフザイさんのお父さんの発言
    「娘の翼を折らないようにしただけです」

    あなたをリスペクトしていない人と付き合うと、自分自身をリスペクトできなくなる

  • 女子が女装、男ウケ

    型にはめる方が洗脳しやすい
    赤ちゃんが生まれた瞬間におとこのこには青、おんなのこにはピンクのベビー服を送る

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著者プロフィール

1948年 富山県生まれ 京都大学大学院社会学博士課程修了 現在,東京大学大学院人文社会系研究科教授。
専門:女性学,ジェンダー研究。この分野のパイオニアであり,指導的な理論家のひとり。近年は高齢者の介護問題に関わっている。
著書に『上野千鶴子が文学を社会学する』朝日新聞社。『差異の政治学』『当事者主権』(中西正司と共著)岩波書店。『おひとりさまの老後』『男おひとりさま道』法研。『世代間連帯』(辻元清美との共著)岩波書店。など

「2010年 『「生きづらさ」の時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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