ゼロからの著作権 学校・社会・SNSの情報ルール (岩波ジュニア新書 990)

  • 岩波書店 (2024年9月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (210ページ) / ISBN・EAN: 9784005009909

作品紹介・あらすじ

情報社会において誰もが知っておくべき著作権ルール。一方で、教育現場では特例措置により著作権が制限されるため、多くの生徒が正しい感覚を身につけないまま社会にでているというのが現状です。本書では、著作権の基本的な考え方に加え、学校と社会でのルールの違いを具体例にそってわかりやすく解説します。

感想・レビュー・書評

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  • 著作権の細かい法律はともかく考え方を非常に分かりやすく(王様のイメージがスッと入る)解説してくれている良書。子ども向きなイメージがあるが小生の様な半分脳細胞が壊滅した様な人間にはありがたい内容である。
    本書が良いのは先に述べた通りだが岩波ジュニア新書はどれも内容が高品質な気がする。図書館で容易に読めるが自宅にあっても良い本。

  • 著作権についてやさしく解説した本。学校や日常生活での利用、漫画の二次創作、SNSの「歌ってみた」「踊ってみた」動画など、身近な例が多くて分かりやすい。著作権者が黙認しているだけで、世の中にはけっこうグレーなケースもありそう。今は写真や動画を気楽にインターネット上に投稿できる時代なので、著作権について基本的なことは知っておいたほうがいいと思った。

  • 全体的に、著作権について良くまとめた本だと思う。
    内容も丁寧に基本的な事から解説し、良くある事例を基に解説していて、これを読んで行くと、色々な疑問が出て、非常に勉強になった。
    ただ、気になった部分があって、同本からの引用になるが144ページの単なる既存のステップでないは、ないがいらないと思う。
    ケチは付けたくなかったが、気に入った本の一つなので、解釈が間違っていたらごめんなさい。

  • ジュニア新書なのでどちらかというと学生向けの語り口で事例も半分くらいは学生向けではあるけど、普通に大人が日々生活している上でおかしがちな著作権に抵触するような内容も含まれているので普通に大人でも学びになった。

  • 後半でQ&Aがあり、教育場面と関係する著作権の判断が書かれているのがわかりやすい。ただ、クリエイティブ・コモンズに全く言及していないのはどういくことだろうか。

  • 021.2ミヤタ

    著作権の基本的な考え方に加え、学校と社会でのルールの違いを具体例にそってわかりやすく解説。

  • ●著作権をざっくり説明すると「文章や音楽、画像、動画、漫画などのコンテンツを作った人たちが持つ権利」です。「著作権」は「著作者の権利」を略したものと言って良いでしょう。著作権を持つAさんだけがAさんの著作物を支配できます。
    ●著作権は、作品が作られた瞬間に作った人に与えられます。どこにも届け出る必要はありません。このことを無方式主義といいます。
    ● 19世紀になり、印刷製本の技術革新が海賊版の拡散を助けていました。ディケンズの小説の海賊版。ショパンの楽譜の海賊版。
    ●コンテンツとは、英語で「中身」を意味します。つまり、物体としての絵画や紙の本そのものではなく、その中に入っている画像や文章など「情報」のことをコンテンツと呼ぶのです。
    ●書籍は「物体」と「情報」と言う2種類の異質なものでできています。物体については、所有権がつきまとい、コンテンツと言う情報については、著作権がつきまとう。
    ●地図にも作る人の工夫や見せ方が入るので著作物になります。味覚や嗅覚に訴えるものは、著作権の対象にはなりません。料理の美味しさは著作権の範囲ではありません。香水の香りにも著作権はありません。
    ●著作物とは、思想又は感情を、創作的に表現したもの。単なる事実やデータは著作物に該当しない。
    ●著作権ルールでは、他人のアイデアは自由に使えるとされている。最もアイディアと表現とが明確に区別しにくい場合もあり、事例ごとに判断する必要がある。

  • 著作権について知る入門編という立ち位置の本。著作権の知識ゼロの自分にピッタリで、すごく分かりやすかった。
    著作権ができた背景、著作権で守られること、また、守られないこと、例外、色々な区分や細かいルールがあって、ひとまとめに語ることは難しいんだなと思いました。ただ、書籍でも触れられていたとおり、だからこそというか、反対にいえば、人間の創造力やクリエイティビティを制限しないために、境界線がはっきりとしなかったりグレーゾーンなことがあまりにも多いんだな、と、そういう観点で見たことがなかったので(もっとはっきり定義したほうがトラブルが少ないのでは?と疑問に思っていた節がありました)新しい物の見方としても、すごく勉強になりました。
    入門編といいつつ、しっかり中身にも触れてるし、かなり詳しく突っ込んでいるので、満足度はとても高いです。著作権について知りたいならまずこれをぜひ!と言いたくなる素晴らしい本でした。ありがとうございました。

  • 021/ミ/

  • すっごいわかりやすかったです!著作権ってなに!?って人にオススメです!入門書として、とっても親切です。SNSに画像をアップするのって大丈夫なのかな?って心配になって購入したのですが、その答えが本書で知ることができました!

  • 東2法経図・6F開架:021.2A/Mi85z//K

  • 【本学OPACへのリンク☟】

    https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/720837

  • 第1章 もしも著作権がなかったら
     教わらないと身につかない
     コンテンツを支配するキング
     あなたは親や先生よりも偉い
     国が法律で守ってくれる
     芸術家が立ち上がった
     「音楽は無料ではありません」
     ショパンがとった対策
     著作権の「世界標準」誕生
     著作権があなたを守る
     誰もが知るべきルール

     コラム◎日本の著作権、その幕開け

    第2章 コンテンツの本質は「情報」
     コンテンツとは何か
     物体と情報
     有体物と無体物
     即興音楽の著作権
     コピーされてこそ
     著作権が問題になるとき

     コラム◎手紙の著作権

    第3章 著作物とは何か
     著作物となるために
     第1要件:思想または感情を
     第2要件:創作的に
     第3要件:表現したもの
     あなたが『ロミオとジュリエット』を書くと

     コラム◎アイデアと表現

    第4章 創作性がないコンテンツ
     電話帳、料金表、時刻表
     円周率とトロイ遺跡
     「国境の長いトンネルを――」
     タイトルと見出し、時事の報道

     コラム◎ありふれた表現のチカラ

    第5章 あなたが「キング」になるとき
     手続きも届け出も不要
     お金を出したかどうかは関係ない
     著作者と著作権者
     みんなで作る共同著作
     なぜ権利者をはっきりさせるのか
     もめたときは裁判所で
     著作権侵害のリスク
     親告罪というルール
     著作権の有効期間

     コラム◎記事は新聞社のもの? 記者のもの?

    第6章 「傷ついた」「盗まれた」と感じたら
     著作者人格権
     著作(財産)権
     ハートを守り、財産を守る

     コラム◎コミケ、二次創作、著作権

    第7章 ハートを守る著作者人格権
     公表する、しない
     名前を出す、出さない
     「サクラ」「さくら」「桜」「SAKURA」?
     先生は「良かれ」と思ったかもしれないが

     コラム◎私が著作権を「推す」理由

    第8章 財産的利益を守る著作(財産)権
     無断で複製されない権利
     無断で上演、演奏されない権利
     無断で改作されない権利

     コラム◎マンガや小説が実写化されるとき

    第9章 著作権が制限されるケース
     (1)私的使用のための複製
     (2)学校など教育機関での複製
     (3)営利を目的としない演奏、上演
     (4)引用するとき
     (5)意図しない著作物の写り込み
     (6)パブリックドメインの著作物

     コラム◎自由な研究、自由な言論のために

    第10章 学校生活と著作権
     (1)誰もが使う「言語」の著作物
     (2)「授業の過程」以外での著作権
     (3)「歌ってみた」の著作権
     (4)「踊ってみた」の著作権
     (5)著作隣接権
     (6)あなたと私の肖像権
     (7)オンライン授業と著作権
     (8)生成AIと著作権

  • 021/ミ

  • 【請求記号:021 イ】

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著者プロフィール

著者:宮武 久佳
1957年(昭和32年)大阪市生まれ。東京理科大学教授(教養教育研究院)。共同通信社記者・デスク(1984 -2009年)、横浜国立大学教授(2009-12年)を経て、現職。
2002年FIFAワールドカップ日本組織委員会報道部長。米ハーバード大学ニーマン・フェロー(ジャーナリズム)。専門は知的財産論、メディア論、文化資源論。
著書に『知的財産と創造性』(みすず書房)、『正しいコピペのすすめ―― 模倣、創造、著作権と私たち』(岩波ジュニア新書)、『「社会人教授」の大学論』(青土社)、『わたしたちの英語』(青土社)などがある。知財関係の連載として『学校生活と著作権』(「図書館教育ニュース」少年写真新聞社、2020-21年)などがある。
日本音楽著作権協会(JASRAC)理事(2010年から現在)。

「2021年 『著作権ハンドブック :先生、勝手にコピーしちゃダメ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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