近代―未完のプロジェクト (岩波現代文庫―学術)

制作 : 三島 憲一 
  • 岩波書店
3.34
  • (4)
  • (6)
  • (23)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 149
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006000066

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • ドイツの歴史書の岩波新書で紹介されていた。ハーバーマスと聞いただけで難しいと感じていたが、そうではなく、思想や世界という雑誌に掲載されていたものを編集して集めたものである。ドイツの観光案内としてもとてもいい本である。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784006000066

  • ハーバーマスの政治論文集。歴史修正主義論争やドイツ統一を巡る、東ドイツを「吸収」するのか新しいドイツを作るのかといった時事ネタに反応したものなので、背景がよく分からないために理解できない所も多い。ドイツの政治家の個人名とかはなおさらだ(もちろん、訳者による適切な解説はついているが)。とはいえ、明確な考えに基づき、明確な立場をあくまでも展開するハーバーマスの議論は、必ずしもその見解に賛成するかはともかくとして、論点が何なのかについて非常に明確にしてくれる。

    表題ともなっている近代(モデルネ)については、生活世界は認識、道徳、美が自然に絡み合って成立しているものであり、モデルネはそれぞれの独立をもたらしたという認識(p.33-40)はなるほどと納得した。歴史修正主義論争における過去を理解することと断罪することの違い(p.70)や、東ドイツにおいてシュタージに関わった者たちをどう扱うのかについての議論は、日本の議論状況にもとても参考になることだろう。靖国問題でいつも米中韓との関係の問題になってしまい、日本人としてそうした歴史をどう捉え、批判・反省するのかといった議論にたどり着かない日本には、ここでハーバーマスが言う過去の消化(Aufarbeitung)、むしろ反芻はまだまだと言える。

    もう一つ感銘を受けた論点は、市民的不服従に関するもの。国家の法を侵すような市民的不服従はいかにして擁護されるのか。悪法もまた法なり、で片付く問題なのか。ハーバーマスは国家行為の合法性と正当性を区別している。国家行為が手続き的に合法であったとしても、それは正当であるとは限らない。この二つがわかれるところに市民的不服従の可能性がある(p.92f, 101)。法秩序の全体的な意味や存在が脅かされない限り、国家は市民的不服従を制裁しない道もあるのだ(p.96)と語っている。

    議論はやや難しく、こうした政治哲学、歴史哲学をきちんと検討していないと細部をつかむのは難しい。ドイツ固有の問題に終わらせず、いかに自分や日本のものとして引き受けていくか。多くの論点を含んでいる。

  • (西)ドイツ人としての発言集。ハーバマスが、いかに時代とアクチュアルに向き合ってきたかがよく分かる。日本人でこういう人(学者?)いるだろうか。

    私としての初ハーバマスですが、とても彼の真剣さを感じた。

    表題作を始め、「核時代の市民的不服従」や東ドイツとの統一ドイツをめぐる視点は、コミュニケーションによる公共圏の確立を訴えた著者らしいとともに、どこか急進的な部分を感じる。

  •  ハーバーマスのドイツ国内での冷戦が終了する当時に書かれた論文をまとめた本。うーん、内容覚えてないw感想としては、15日よりも前に読むべきだったな、と思う。論文の中の一つ、「一種の損害賠償」というやつが本当に重要なのだと思う。今度読みなおそう。
     「テロルの時代と哲学の使命」において、メインの著者がハーバーマスとデリダの解説を書いているのだが、そのハーバーマス論を読んで、この本の論文の始めにある訳者による解説を読むことで、ハーバーマスという人が少しわかるかもしれない。
     デリダにしろ、ハーバーマスにしろ、彼らは第二次世界大戦を若者として経験している。そんな彼らには、我々戦後生まれの論に対して大いに違和感を持つ(った)のだろうか。

  • ハーバマス入門

  • 「近代―未完のプロジェクト」・・・これを初めて読んだのは、もう10数年前になるかな。その時まだ本になってなかったです。専門誌に出てすぐに図書館で読みました。

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

(Jürgen Habermas)
1929年ドイツのデュッセルドルフ生まれ。ゲッティンゲン,チューリヒ,ボンの各大学でドイツ文学,心理学,社会学,哲学を修め,56年フランクフルト社会研究所のアドルノの助手となり,フランクフルト学派第二世代としての歩みを始める。61年『公共性の構造転換』で教授資格を取得し,ハイデルベルク大学教授となる。64年フランクフルト大学教授,71年マックス・プランク研究所所長を歴任,82年以降はフランクフルト大学に戻り,ホルクハイマー記念講座教授を務め,94年退官。60年代末のガダマーらとの解釈学論争,ルーマンとの社会システム論争,さらに『コミュニケーション的行為の理論』(81)をはじめとする精力的な仕事,86年の歴史家論争以降の多方面にわたる社会的・政治的発言を通じて,ドイツ思想界をリードし,国際的にも大きな影響を与えてきた。2004 年11月には「京都賞」を受賞。主な著書に,『近代の哲学的ディスクルス』(85),『遅ればせの革命』(90),『討議倫理*』(91),『事実性と妥当性』(92),『他者の受容*』(96),『人間の将来とバイオエシックス*』(01),『引き裂かれた西洋*』(04),『自然主義と宗教の間*』(05),『ああ,ヨーロッパ』(08)などがある(*は小局刊)。

「2016年 『真理と正当化 哲学論文集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

J.ハーバーマスの作品

近代―未完のプロジェクト (岩波現代文庫―学術)を本棚に登録しているひと

ツイートする