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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784006000301
みんなの感想まとめ
アメリカ外交の歴史を深く掘り下げた本書は、1900年からの50年間にわたる外交の変遷を描写し、特に冷戦期の外交戦略に焦点を当てています。著者は、ソビエト封じ込め政策の理論的な推進者として知られ、その見...
感想・レビュー・書評
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アメリカ外交50年
著:ジョージ・F.ケナン
訳:近藤 晋一
訳:飯田 藤次
訳:有賀 貞
岩波現代文庫 学術30
アメリカとは、口では、法律的、道徳的、民主的な理念をつぶやきながら、やっていることは、侵略であるといっていると解釈しました。
そして、大戦後、空白となった地域の地政学的なリスクを、今日負い切れずに苦しんでいる大国と映るのである
中国大陸から大戦後に、日本の勢力が、駆逐されたとの表現も、日本人向けに出版されている本としては適切かどうかは大いに疑問であると言える
第1部 1950年のシカゴ大学講演
第2部 フォーリン・アフェアーズ論文
第3部 1985年のグリンネル大学講演
という内容になっている
ケナンは、1898に始まる、ハワイ併合と米西戦争の膨張政策について、「法律家的・道徳家的発想の過剰」という問題と呼んでいる
■(第1部)米西戦争
・1900年における政治的・軍事的現実の中には、われわれが直接的な意味において脅威を感ずべきものはほとんど存在しなかった
・当時の人々が考えたように、スペイン側の譲歩の多くはあまりにも遅すぎ、また、充分に信頼できなかった
・マッキンレイ大統領は派遣軍をマニラに派遣し、これを奪取した。フィリピンをスペインから切り離して、合衆国の領有下に置くという最終的決定を考慮するに当たって、最も重要な、おそらく、要因となっていたのである。
・当時海軍次官だったセオドア・ルーズベルトはフィリピンを領有すべきだと久しく考えていたこと
彼はアジアの司令長官にデューイ提督を任命すべく苦心したこと
彼もデューイも共に戦争を欲していたこと
彼は、戦争の起因または目的の如何にかかわらず、デューイがマニラを攻撃すべきであるとの一種の了解を、デューイとの間にもっていたこと
・この場合、アメリカ合衆国政府の行動が、ワシントンで枢要の地位を占めていたわずかな人々によって巧みなまた、内密の陰謀に基づいて、主として決定されていたということである
・フィリピンのみならず、1898年の領土獲得は、プエルトリコ、ハワイ、サモアなど、合衆国主権の拡張を意味するものであった
・これらの決定が、公的機関で真剣に検討され、承認されたものではなく、政府部内のわずかな一握りの人々だけが知っていたにすぎない計画に基づいて遂行されたことである
■門戸開放主義
・中国における「門戸開放」政策はアメリカの考えである
それは、他の諸国が実行していた「勢力範囲」に対抗して立案されたものである
・当時、キューバ問題に夢中になっていた国務省には極東関係の部局さえ持っていなかった
・中国領土に対する外国の侵犯に対して、中国を擁護する公約をアメリカ政府が与えたものと、歴史家によって解されたのである
■東洋
・アメリカによる極東における基本政策
領土原則 19世紀末期、満州は中国及びロシアの双方にとって半ば開拓された辺境地域を意味していた
日本を敗北させたかといって極東問題から日本を排除したことにはならなかった
結果、日本は中国本土からも、満州、朝鮮からも駆逐された
■第一次世界大戦
・二度にわたる大戦は、西ヨーロッパをソビエトの権力に対して、致命的なほどに弱体化するという犠牲を払わせた
・本来の目的は、ドイツを変革するとことを目的として戦ったにもかかわずだ
・第一次世界大戦がもたらしたもの、トルコ帝国を解体、オーストリア・ハンガリー帝国の弱体化、ドイツの速やかな増大、ドイツ、イギリス間の敵対的競争
・オーストリア・ハンガリー帝国の消滅がもたらしたものは、中央ヨーロッパにおける唯一の強力国家ドイツの出現であった
■第二次世界大戦
・大戦前夜、世界の陸軍力・空軍力の大半は、ソ連、ドイツ、日本に集中されていた
・西側が大戦に勝利するためには、ソ連の力を借りざるをえなかった
ソ連の援助なしには、ドイツに勝利する見込みは存在しなかった
・ルーズベルトの失策は、すでに国内から敵を排除していたソ連に武器の援助をつづけていたことである
それが、戦後、ソ連軍の南下を招き、ドイツと朝鮮の分断につながった
■大戦後
・アメリカが過去において政策樹立にあたって犯した最も重大な過誤は、いわゆる、国際問題に対する法律家的・道徳家的アプローチと呼ばれるものであった
・建国時の13州に適用した理念が、さらに広い国際的分野においても、適用可能でないはずはない、という思い違いであった
・問題となるのは、この観念が望ましいかどうかということだけでなく、それが実行可能かどうかということである
・全面勝利という観念ほど、危険な妄想はない
■(第2部)ソ連の行動
・ソ連権力の政治的性格は、イデオロギーと環境によって生み出された
・資本主義と社会主義との間には、内在的敵対関係があるという考えである
・クレムリンは絶対に、政策的誤謬を犯さないという誤った観念である
・米ソ関係の問題は、本質的には、アメリカが持っている価値全体が試されることになった
アメリカは破滅を避けるためには、自分の最良の伝統を発揮して、偉大な国として存続することを示すことだけが必要なのである
■アメリカとソ連の将来
・アメリカとソ連との関係で重要なことは2つ
①われわれが何を欲しているかを知らねばならない
②われわれが欲しているものの実現を妨げるより助長するために、われわれがいかに行動しなければならないかを知らなければならない
■(第3部)アジア
・アメリカはソ連が日本に直接関与することを断固として拒否した
<朝鮮戦争>
・大戦後、アジア地域において、ソ連と政治的解決にむけて交渉をすることには、何の関心ももっていないかった
・大戦後行われた領土的処分については、平和な将来をもたらすのには役に立たない
中国大陸からの日本の撤退によって日本が担ってきた役割をだれが肩代わりするのか
<ベトナム戦争>
・ソ連が世界制覇を意図して、ベトナムを支援しているという誤った確信
当時のソ連は、世界制覇の青写真をもっていなかった、それどころか、彼らの心理は、防衛的だった
■アメリカ外交と軍部
・アメリカの誤りは、核兵器を軍備態勢の主柱として採用したことだ
・アメリカは軍事的戦略については、あるいは、国民生活の構造の中の軍事力の位置について、伝統的な観念をもたない国である
・アメリカの政治制度は、多くの点で、世界の指導力掌握を目指す大国として外交政策を行うためには、適切にできていないという事実を再確認するに過ぎない
・アジアや、中央ヨーロッパにおいて、ドイツなきあと、ソ連に対抗するためには必要ことは何か
アメリカがすでに引き受けている、多くの責任の中には、非常に重要なものが含まれている
NATO,日本に対する義務は、近い将来放棄することができない重大な責任を示している
■解説
20世紀以降、アメリカの他国への過剰介入は、アメリカの国益にとって、道徳的でも、現実的でないと論じている
日本は、法律家的、道徳家的アプローチによる米国の介入主義にもろにさらされることとなった
それは、日本がアジアでは今世紀最初の列強となったからである
ケナンにとって、民主主義は、恐竜のように映るとある
それは、大仰で、時代にあっていない代物であるといっているのであろうか。合衆国の外交官までやった男が!
目次
1985年版への序
序
第1部
第1章 スペインとの戦争
第2章 ヒッピスレー氏と門戸開放主義
第3章 アメリカと東洋
第4章 第一次世界大戦
第5章 第二次世界大戦
第6章現代世界の外交
第2部
第1章 ソヴェトの行動の源泉
第2章 アメリカとロシアの将来
第3部
第1章 ウォルグリーン講演の回顧
第2章 アメリカ外交と軍部
訳者あとがき
解説 ラディカルな現実主義という知的作法 船橋洋一
ISBN:9784006000301
出版社:岩波書店
判型:文庫
ページ数:320ページ
定価:1400円(本体)
2000年10月16日第1刷
2003年10月15日第3刷詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB00111373 -
1900年からの50年間におけるアメリカ外交史。
著者はソビエト封じ込め政策の理論面での推進者。
毎度毎度やらなくてもいいことまでやったせいで余計な問題を抱え込んできたというような事が書かれている。
世界はパワーバランスの上に成り立つので一つ潰してもバランスが崩れて傾きが変わり、安定した緊張状態に戻るだけで何の解決にも成らない。
安定した緊張状態こそ冷戦だ。
彼の見立ては、ソビエトは実際的な実力には敏感なため冒険は犯さず、ナチスと違って追い詰めなければ暴発することはないという事だ。
なんだかんだ言って結果的にアメリカは冷戦に勝利したといえるので彼は正しかったのだろう。 -
ジョージケナンの外交についての講演集的な。かのX論文も収録。全般に、改善されたけど道徳家・法律家的な米外交への批判的な考察といった感じかな。
アメリカ外交50年ということで米西戦争についての考察から始まるんだけど、この戦争が国益への注意が払われないまま国民一般の気分や一部の策謀で始められたことなどを指摘。
東アジアとの外交については、米にヨーロッパとは違って積極的に関与したがる傾向があること、日本との関係悪化に繋がった政策の数々について言及。
また、第一次大戦についてのところで民主主義は平和を愛しているが一度戦争まで挑発されると忿怒に狂って戦う巨獣のようなものと言ってる。
第二次大戦では、ヒトラーが権力をやすやすと握る状況にドイツを持っていったところですでに西側民主主義国の一つの敗北だったとしており、途中でヒトラーの野望を潰せなかった融和策についても批判。
講演集とは別に収録された論文だが、ソ連というかロシア人には理解と期待を持ってるのがわかる。軍産複合体の問題についても触れている。 -
Twitter国際政治たんがすすめたので読む。初心者には読みにくい本だった。
ロシア国民の偉大さを強調し、アメリカの安全を確保する上でロシア国民を敵視するのは間違った戦略であり、ロシア政府の行動を戦争を含む手段で自らの脅威とならないよう誘導することの重要性を説いている。
2つの世界大戦は我々に影響をおよぼした。
1.ともに無条件降伏という形をとったため、多くが戦争の目的は無条件降伏と勘違いしてしまった。
2.戦争行為は敵の軍隊に対して行うべきで一般市民に対してなされてはならないという従来の考えから離れた -
[ 内容 ]
1900年からの50年間にアメリカがとった外交上の態度を徹底検証した講演集に加え、ソ連「封じ込め政策」の理論的基礎を示し反響を呼んだ論文等を収録。
アメリカの戦後世界政策を構想した著者ケナンが、アメリカ外交の伝統における現実感覚の欠如を批判しつつ、そのあるべき姿を提言した外交論の教科書ともいうべき古典。
[ 目次 ]
スペインとの戦争
ヒッピスレー氏と門戸開放主義
アメリカと東洋
第一次世界大戦
第二次世界大戦
現代世界の外交
ソヴェトの行動の源泉
アメリカとロシアの将来
ウォルグリーン講演の回顧
アメリカ外交と軍部
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ] -
ソ連は西側におかれている兵力に比べてはるかに大規模な地上兵力を東欧および中欧に残していた。
アメリカは軍事的戦略について、あるいは国民生活の構造の中の軍事力の位置について、伝統的な観念を持たない国である。
ジョージケナンはForeign AffairsのX論文の筆者。
国際社会の生活というものは、一本の木と同じように、長い期間にわたって1つの方向に絶えず圧力を加えることによtt、えある程度曲げることができるのが通例。
自分が戦争しているかいないかによって、自分の物の考え方を一夜にして切り替えることの驚くべき能力というものは、まったく民主主義の奇妙な特徴の1つ。
全面勝利という観念ほど、危険な妄想はないのであり、過去においてもこれほど大きな害を及ぼしたものはない。 -
現代にも通じる著作。特にアメリカの外交が法律家的かつ道徳的であるという主張は現代のアメリカ外交にもドンピシャで当てはまると思った。「封じ込め」政策のもととなるX論文が所収されている。
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元外交官による20世紀前半のアメリカ外交史。現在にも通じるアメリカ外交の基本思考とソ連の台頭を予見した論文は必読。
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アメリカ外交官として、そしていわゆる「封じ込め政策」の提唱者として名高いジョージ・F・ケナンの講演、論文を一冊の本としたものである。
【構成】
第1部
第1章 スペインとの戦争
第2章 ヒッピスレー氏と門戸開放主義
第3章 アメリカと東洋
第4章 第一次世界大戦
第5章 第二次世界大戦
第6章 現代世界の外交
第2部
第1章 ソヴェトの行動の源泉
第2章 アメリカとロシアの将来
第3部
第1章 ウォルグリーン講演の回顧
第2章 アメリカ外交と軍部
第1部は1950年冬にシカゴ大学で行われた6回の連続講演が収録されている。この講演の要旨については作者自身が明解に解説をつけている(第3部第1章)ので、まずはこの解説を読んでから本文を読むとより理解が深まると思われる。内容は19世紀末の米西戦争、門戸開放宣言にはじまる20世紀前半のアメリカ外交を批判的に論じるものである。
第2部はケナンの名を世に知らしめた、Foreign Affairs誌に1947年に投稿された有名な「X論文」が最初に収録され、1951年に投稿された論文も併録されている。
第3部は1985年に出された論考で、既に常態化してしまった冷戦構造に対して、アメリカ外交が孕む根本的な過ちを指摘している。
ケナンの主張は非常に一貫している。アメリカが抱きがちな法律家的・道徳家的な姿勢を戒め、他国への過度な期待や押しつけを避けるべきであると論じる。
それは、第一次世界大戦後のウィルソニズムへの懐疑であり、第二次大戦後の強制的手段によるソ連の体制転換を望む姿勢への批判である。
ケナンは外交官として、外交の力の限界と可能性を熟知していたと感じられる。つまり、限界とは、他国の政治制度を外交手段によって規定したり変革したりすることは、非常に困難でありそれは往々にして有益ではないということである。また、可能性とは、対ソ「封じ込め」政策に見られるように、敵対的な勢力に対しては、その敵対勢力の周縁部に対してアメリカの意図・価値観をよく理解させることで、長期的に敵対勢力自身の求心力を弱めさせ、内部崩壊に導く可能性を引き出すことができるというものである。
ケナンは、常に外交姿勢に謙虚さ、慎重さを要求するだけでなく、非軍事的な方法によって漸次的な解決を求める傾向にある。
しかしながら、そのような穏健で妥当な政策は、ケナン自身が危惧するようにアメリカ国民や少数で急進的な議会のロビイストには通用しない場合が多い。
事実、ケナンが提唱したはずの「封じ込め」政策がケナンが国務省を去った直後に、ケナンの全く意図しない形の軍事戦略に変容してしまったのもケナンの求める外交がいかに困難であるかということを示しているだろう。 -
外交を専門的に勉強しているわけでもなく、ましてや専門家ですらない自分がこの本を語るのは気が冷えkるから簡単に触れる程度にする。ケナンのこの本の重要なポイントはバランス感覚だと思う。政治にとっては、バランス感覚が重要であり、またそのバランスを測るのが国益という観点なのだろう。
だから、ソ連への対応に批判もするのだろう、と思った。 -
アメリカ外交官ジョージ・ケナンが書いた、20世紀のアメリカ外交政策における批判的レビューと彼を有名たらしめたソ連に関するX論文が掲載されている。
この著作は、アメリカ外交だけに及ばず、歴史に対する一人の外交官としての態度や民主主義が持つ本質について、洗練された筆致と批判的思考で捉えた論考である。その知的作業は冷徹な視線の所作であり、それゆえに彼の内なる情熱を感じる。批判的であることとは、より多くの選択の幅を増やすことであり、失敗から新たな可能性を学ぶことである。新たな困難に直面する際にこうした可能性の幅を増やすことが自らを助けてくれる術となり、それゆえに一人の人間として持つべき姿勢なのだろう。
彼は外交と民主主義という政治形態が孕むテーゼを米西戦争、2度の大戦そして冷戦を同じ土俵の上でさばいてみせる。2度の大戦において彼は、民主主義がもたらす全面勝利という過激な目標によって、戦後という時代から取り残されてしまった戦中世代とそれ以後の世代との隔絶を丹念に描き、戦争の目的とそれがもたらした結果との相克を示した。それだけにとどまらず、アメリカ政治が持っている特有の危うさについて彼は喝破する。すなわち、国内利益志向の政策決定と愛国的ナルシズムが招く、国際政治を法律家的、道徳的アプローチで是正しようとする姿勢に対し、政治的リアリズム的視角から鋭い批判を展開している。歴史的背景や文化的多様性など、人間が持つ様々な感情と行動には何が正義かという絶対的基準はありえない。勝利へと駆り立てられた国家的利益の追求による戦争は、とまることの知らない衝動的な破壊しかもたらさない。だからこそ、リアリズムの観点から安定と秩序を求め、漸次的な共存や相互理解を目指そうとする。こうした彼の現実主義は人間への深い洞察に立脚しているように思われる。
究極的には、外交のあるべき姿とは、批判的知的作業と人間への鋭い洞察に立脚したものであるべきなのだろう。外交という作業に携わりたいと思う人は読む価値のある著作である。 -
これを読まないとアメリカを知ることができない。つまり、日本の状況も知り得ない。
アメリカの外交の本質と変質とは何か?今展開されている価値観外交とは?
もっと中等歴史教育で取り上げるべきだと思う。 -
アメリカ外交1900-1950への批判。あのX論文、つまりの後の“ソヴィエトの行動の源泉”収監。
この本が好きな人におすすめの本
ジョージ・F.ケナンの作品
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