天才の精神病理 科学的創造の秘密 (岩波現代文庫 学術 57)

  • 岩波書店 (2001年7月16日発売)
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本 ・本 (300ページ) / ISBN・EAN: 9784006000578

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  • ―2003年2月―

  • 大学生のころフロイトは「自分は人間に関するもの以外には興味はもてない」ことを自覚しており、彼の中には常に冷静な科学者という仮面の下に強烈な人間への関心が存在していた。しかも人間への関心とは彼の場合なによりもまず自己への関心であった。彼はいったん「世界の謎」をとこうとして生理学を志し、ついで神経病学者として一家をなすが、中年になってあえて精神療法家に転じた。この転向は彼の内面で運命的に準備されたもので、自己の謎への強烈な執着によって憑かれたものである。

  • 所在:紀三井寺館1F 請求記号:Browsing
    和医大OPAC→http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=21200

    ニュートン、ダーウィン、ヴィトゲンシュタイン…欧米の科学者の人生を、病蹟学という切り口で語った本。精神医学書の中でもとりわけ重要な一冊。

    フロイトの章などは、タブッキ『夢のなかの夢』の「他人の夢の解釈者、ジークムント・フロイト博士の夢」(これはあくまでフィクションなのだけれど)と併せ読むと、いっそう面白いかもしれない。

    【併読のススメ】
    中井久夫『治療文化論―精神医学的再構築の試み』
    和医大OPAC http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=21203
    ブクログ http://booklog.jp/users/wmulk/archives/1/4006000529

  • 積読。

  • ジグムント・フロイト、ヴィトゲンシュタイン、ノーバート・ウィーナーが印象に残った。神経症群のフロイト。患者という自己の鏡を見つめていくことによって、自身を探求していく。神経症群のノーバート・ウィーナー。厳しい父。甘やかす母親。自身の内面の葛藤を科学的問題に投射し、世界の圧倒的な無秩序を数学で知的に克服するという内的欲求をもつ。

  • 病んでもいいから天才がいい。そんな病んだ凡才。

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著者プロフィール

1932年生まれ。日本の医学者、精神科医。専門は精神病理学。1955年に東京大学医学部医学科卒業。1961年、同大学で医学博士号を所得[3]。1963年から1966年、西ドイツのミュンスター大学病院神経科に留学。1975年に東京大学医学部講師となり、1983年から1997年まで新潟大学医学部で精神医学講座の教授を務めた。2013年没。主な著書は、『精神医学論文集』金剛出版、『天才の精神病理』中央公論社、『躁うつ病』国際医書出版、『講座・精神の科学』岩波書店など。

「2023年 『フロイト著作集第5巻 性欲論/症例研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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