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- 本 ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006000769
感想・レビュー・書評
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近代国家のなかの天皇という存在のありかたを、「御真影」とそれを取り巻くまなざしの分析を通して明らかにしている本です。
宮廷の内に身を置いていた明治天皇は、日本が西洋近代と直面するなかで、民衆の視線に対して姿を見せることが求められるようになり、キヨソーネによる肖像画をもとにしたその写真が下付され、近代国家としての日本の統合に重要な役割を果たすようになっていきます。同時に著者は、前近代におけるメディアとしての錦絵、あるいは洋服や写真といった近代文明の利器が、こうした天皇をめぐる権力作用の織り成す空間のなかでどのような意義をもっていたのかということを解き明かしています。
やや結論が先行しているような印象もありますが、天皇の肖像というひとつの視点から近代国家としての日本のありかたを映し出す、興味深い内容だったように思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「御真影」って本当良くできたシステムだな、と感心する反面、政治って恐ろしいなと思う本。
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¥105
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