天皇の肖像 (岩波現代文庫)

著者 :
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006000769

作品紹介・あらすじ

明治維新後の近代国家体制確立に向けて、天皇をどう見せるかという「権力の視覚化」は大きな問題だった。天皇は全国を巡幸することで民衆にとって見えるものとなり、さらに御真影がつくられる。理想の近代国家君主の肖像をつくりあげるためにどのような方法がとられたのか。近代日本史研究に大きな衝撃を与えた画期的著作。

感想・レビュー・書評

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  • 【概要・粗筋】
    現代では考えられないが、民衆にとっては縁遠い存在であった。そこで、維新政府は「天皇の視覚化」することで、天皇制国家の確立を図る。本書は天皇の肖像、いわゆる「御真影」の生成、そして、その下付とその際に生じる儀礼の過程を通じて、日本社会がどのように変化していったかを明らかにする。


    【感想】
    もともと新書として発表されており、著者自身が「はじめに」で述べているように「驚くべき政治的歴史の物語り」とあるように、論証という意味ではやや弱い。

    本書を読んではじめて知ったのが、肖像画(ポートレイト)と肖像(エフィジー)に区別がされていること。両者の違いは「ポートレイトは余計な背景も小道具も取り除いて、対象そのものに迫り、エフィジーは背景も小道具も使って、いかにもそれらしく見せる手法をとる(P126)」と述べられている。だから、御真影は肖像画ではなく、あくまで肖像ということになる。肖像という言葉は本書のタイトルで使われているから、両者を区別するのは重要。

    写真という近代を代表するメディアが、前近代的とも云える天皇の聖性やそれを生み出すための儀式に使われたというのが、歴史の不思議な皮肉のように感じた。

  • 「御真影」って本当良くできたシステムだな、と感心する反面、政治って恐ろしいなと思う本。

  • ¥105

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