社会思想の歴史: ヘーゲル・マルクス・ウェーバー (岩波現代文庫 学術 89)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006000899

作品紹介・あらすじ

ヘーゲルの市民社会論・国家論を、マルクスはどう克服して唯物史観を確立したのか。それに対して、「合理化」を基本視角にすえたウェーバーの宗教社会学、無意識の世界を探索したフロイトの精神分析学はどのように関わり独自の光を投げかけたのか。西洋近代思想史の本流を大きくとらえた、簡潔で平明な叙述による初学者のための恰好の入門書。

感想・レビュー・書評

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  • やっぱり書かれた時代が時代だけに、という感じ。
    100年単位で考慮すべき思想の数々だと思うし、結論を出すことに拙速であってはいけないだろうが、社会主義国がことごとく消えていった現状等々をこういう方々、マルクーゼを明らかに擁護する立場である著者はどのように見るのかな?無理な話なんだけれども率直に聞いてみたいです。

  • [ 内容 ]
    ヘーゲルの市民社会論・国家論を、マルクスはどう克服して唯物史観を確立したのか。
    それに対して、「合理化」を基本視角にすえたウェーバーの宗教社会学、無意識の世界を探索したフロイトの精神分析学はどのように関わり独自の光を投げかけたのか。
    西洋近代思想史の本流を大きくとらえた、簡潔で平明な叙述による初学者のための恰好の入門書。

    [ 目次 ]
    「社会」の発見
    ロックとルソー―自然法と社会契約
    カント―市民社会と世界市民
    ドイツ・ロマン主義―有機体的国家観
    ヘーゲル(市民社会と国家;弁証法と歴史)
    ヘーゲルからマルクスへ―ヘーゲル学派の分裂
    マルクス(ヘーゲル哲学批判;疎外された労働;唯物史観)
    テンニエス―ゲマインシャフトとゲゼルシャフト
    ウェーバー(宗教社会学の視角;資本主義の「精神」;近代の運命としての合理化)
    マルクスとウェーバー―物質的利害と理念
    フロイト(意識と無意識のダイナミズム;文化の居心地わるさ)
    マルクスとフロイト―社会と無意識
    現代社会思想の問題

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • ホッブスやロックやルソーなどフランス革命以前の社会思想の紹介がしっかりしているので、本書の主要な議題となっているヘーゲル以後の解説がより吸収しやすい。近代的な社会思想が多様に花開いたダイナミックさがよくわかる。

  • 近代社会思想からはじまり、ヘーゲル、マルクスに至る国家、社会理論を整然と叙述している。さらにマックス・ウェーバーやフロイトにも論及しているところがいいのだが、文庫本ということもあり、読み応えがない。終章において、マルクーゼの理論にふれているところが、現代社会思想へのつながりを感じた。

  • 思想史の碩学・生松敬三による社会思想史の問題史的考察。国家を人倫の最高の現実態として捉えたヘーゲル、ヘーゲルの法哲学批判から出発し、市民社会と国家の分裂を独自の仕方で止揚しようとしたマルクス、冷徹な社会分析によって、合理化の過程としての近代化を鋭く抉り出したヴェーバー… 3者3様の思想を一つの観点の下に捉えた本書は、出版後40年近くを経た今でも、示唆するところが多い。

  • 哲学の参考書。僕は難しい事が分からない性質ですがこれはとても分かりやすくまとめられています。

  • 社会思想史として定評があるらしい。でも、読み終わってあまり残るところがなかった、というのが正直なところ、やはり原典にじっくり取り組むのが、「急がば回れ」であることを改めて確認した。

  • ○ 『社会』を形作ってきた近代哲学から現代までの流れを順追いながらまとめた書。マルクスがヘーゲルの弁証法を利用して唯物弁証法を作り、ルソーがプーフェンドルフやロックなどの『古典理論』を否定しながらホップスの理論を応用し『社会契約論』を完成させたような相互関係を読み解こうとしている。ある程度、それぞれの理論がうっすらわかった状態から読むのがベストだと思います。

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著者プロフィール

1928年生まれ。東京大学文学哲学科卒業。同大学院修了。元中央大学教授。1984年没。著書に『思想史の道標』(勁草書房、1965)、『現代ヨーロッパの精神史的境位』(福村出版、1971)、『社会思想の歴史——ヘーゲル・マルクス・ウェーバー』(岩波現代文庫、2002)ほか。訳書はレヴィ=ストロース『構造人類学』(みすず書房、1972)、ヴェーバー『宗教社会学論選』(みすず書房、1972)ほか。

「2023年 『フロイト著作集第4巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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