科学の社会史 (上) (岩波現代文庫 学術 93)

  • 岩波書店 (2002年12月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784006000936

みんなの感想まとめ

近代以降の日本における自然科学の発展とその社会との関わりを探求する本書は、科学がどのように制度化され、社会に組み込まれてきたかを明らかにします。著者は、日本の科学が西洋に比べて遅れていたという見解に対...

感想・レビュー・書評

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  • 近代以降の日本における自然科学のあゆみを、日本社会とのかかわりに焦点をあててたどっています。

    日本の伝統的な思想は、西洋に勃興した近代自然科学の思考様式とは大きく異なっており、日本は大幅な遅れをとりもどす必要があったという考えに対して、著者は留保を付しています。なぜならば、西洋においても科学という営みが制度化されて社会のなかに組み入れられるようになったのはそれほど古いことではなく、日本の遅れはせいぜいのところ五十年ほどにすぎないからです。そして近代以降の日本では、そうした制度化された科学、体制化された科学を導入することに努力をつづけてきたと著者は考え、日本における科学と社会の関係がどのように移り変わっていったのかということを論じています。

    社会史の観点から、近代日本における自然科学を取り巻く状況の変遷についてわかりやすく説明がなされており、興味深く読みました。

  • 新書文庫

  • 1-1-2 科学技術社会論

  • 中高時代、友達はだいたい理系のクラスの奴だった。文系の友人が多い今からすると個人主義的なやつが多かった印象がある。もちろん幼かったからというのはあるだろう。けど、実際に他人とは違うところを生かしたいという意識が今でも強い人が多い。このことは最適の仕事に自分を合わせるという発想とは両端にある。そして文系の友人はその傾向があって。うーん、暴論にすぎるか。

    なにはともあれ理系の人間に個人主義が多いのは万人の認めるところだろう。しかし、この本は近代科学というものは戦争、そして全体主義が発達させてきたと説く。合理主義というものは誰にでも使える道具である以上、戦争であろうと、侵略であろうと合理主義の名の下に進めるのは可能である。そして合理主義こそが科学を発展させてきたのだし、科学そのものであると。

    そうかもしれない。学ぶべきは自分の合理主義を解体することであり、誰がどういう意図で科学を用いているという発想そのものである。

    なお、この本では明治時代の日本の科学が急速に発展したのは、同時期の西欧科学がちょうど発展段階にあったからだという説をとっている。それ以前の科学はサロン的、趣味的であったが、19世紀にはいって科学を支える制度自体が確立、合理化したと。社会との関連は興味深いが政治に限らず人間の意図というワイヤーが絡んでくると「なぜそのようなことをかんがえたのだろう」とすぐに袋小路に陥る。なぜぼくはこんなことを考えているのか、百文字以内でこたえよ!

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著者プロフィール

1952年、京都大学理学部物理学科卒業。理学博士。1975年歿。著書『物理学史』(培風館、1968)『相対論の形成』『原子構造論史』(みすず書房、1980、1981)。訳書 『カルノー・熱機関の研究』(訳・解説、みすず書房、1973)フォン・ノイマン『量子力学の数学的基礎』(共訳、みすず書房、1957)ランダウ/リフシッツ『力学』(増訂第3版、共訳、東京図書、1974)ほか。

「2021年 『量子力学の数学的基礎【新装版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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