科学の社会史〈上〉戦争と科学 (岩波現代文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006000936

作品紹介・あらすじ

一体、いかなる歴史的・社会的条件が、日本に近代科学を存立させ、展開させたのか。本書は、その早世がいまも惜しまれる科学史家の主要著作である。上巻では、総力戦体制へと向かう戦争の時代に焦点をあわせる。軍国主義・超国家主義の台頭と強化が、科学研究に発展の契機を与え、その成長の基礎を築いたことを明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • 戦前において、科学者が戦争に協力する過程を記述した本。科学と軍事の関係が問われている昨今であるが、もはやこの問題は科学者集団の中で完結する問題ではないということを自覚しなければならない。個人的には、それまで国境が存在しなかった科学が国家の制度に組み込まれることで、逆に国際的な科学者の団体が誕生が促されたという指摘はなるほどと思った。

  • 新書文庫

  • 1-1-2 科学技術社会論

  • 中高時代、友達はだいたい理系のクラスの奴だった。文系の友人が多い今からすると個人主義的なやつが多かった印象がある。もちろん幼かったからというのはあるだろう。けど、実際に他人とは違うところを生かしたいという意識が今でも強い人が多い。このことは最適の仕事に自分を合わせるという発想とは両端にある。そして文系の友人はその傾向があって。うーん、暴論にすぎるか。

    なにはともあれ理系の人間に個人主義が多いのは万人の認めるところだろう。しかし、この本は近代科学というものは戦争、そして全体主義が発達させてきたと説く。合理主義というものは誰にでも使える道具である以上、戦争であろうと、侵略であろうと合理主義の名の下に進めるのは可能である。そして合理主義こそが科学を発展させてきたのだし、科学そのものであると。

    そうかもしれない。学ぶべきは自分の合理主義を解体することであり、誰がどういう意図で科学を用いているという発想そのものである。

    なお、この本では明治時代の日本の科学が急速に発展したのは、同時期の西欧科学がちょうど発展段階にあったからだという説をとっている。それ以前の科学はサロン的、趣味的であったが、19世紀にはいって科学を支える制度自体が確立、合理化したと。社会との関連は興味深いが政治に限らず人間の意図というワイヤーが絡んでくると「なぜそのようなことをかんがえたのだろう」とすぐに袋小路に陥る。なぜぼくはこんなことを考えているのか、百文字以内でこたえよ!

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