パサージュ論 (岩波現代文庫)

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レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006001018

作品紹介・あらすじ

パリにナチスが迫る間際まで書き綴られた膨大なメモ群はバタイユらに託され、かろうじて生き残った。一九世紀パリに現われたパサージュをはじめとする物質文化に目を凝らし、人間の欲望や夢、ユートピアへの可能性を考察したベンヤミンの畢生の労作。近現代社会分析の基本文献。断章番号順の構成で、待望の文庫版刊行開始。

感想・レビュー・書評

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  • 「世界に亀裂を入れる5冊」の③

  • [ 内容 ]
    〈第1巻〉
    パリにナチスが迫る間際まで書き綴られた膨大なメモ群はバタイユらに託され、かろうじて生き残った。
    一九世紀パリに現われたパサージュをはじめとする物質文化に目を凝らし、人間の欲望や夢、ユートピアへの可能性を考察したベンヤミンの畢生の労作。
    近現代社会分析の基本文献。
    断章番号順の構成で、待望の文庫版刊行開始。

    〈第2巻〉
    同一商品が大量に流通するようになると、新しいものがいっそう求められる。
    使用価値とは無縁の流行が現われ、社会は移ろいやすさに覆われる。
    ボードレールの用語「現代性」は資本主義の特質をうがち、ベンヤミンの歴史哲学に影響を与えた。
    『パサージュ論』最大の断章項目「ボードレール」ほか、「蒐集家」「室内、痕跡」を収録。

    〈第3巻〉
    亡命先パリで爛熟から崩壊へと向かう市民社会の運命を読み取り、ありえたかもしれない歴史の別の可能性にベンヤミンは思考をめぐらせた。
    歴史認識のコペルニクス的転換について考察する“K”、遊歩者の認識をつづる“M”、認識論についてのマニフェスト“N”、売春と賭博の考察“O”など、思想的方法論と都市に関する断章群。

    〈第4巻〉
    産業と技術の進展によってユートピアは訪れるのか。
    初期社会主義者の注目されなかった側面に光をあてる。
    「サン=シモン、鉄道」「フーリエ」、商品生産や価値理論を取り上げて人間と労働の意味を考察する「マルクス」、技術がもたらした社会変容を論じる「写真」などの断章項目を収録。
    進歩思想と一線を画すベンヤミンの世界。

    〈第5巻〉


    [ 目次 ]
    〈第1巻〉


    〈第2巻〉
    覚え書および資料(蒐集家;室内、痕跡;ボードレール)

    〈第3巻〉
    K 夢の街と夢の家、未来の夢、人間的ニヒリズム、ユング
    L 夢の家、博物館、噴水のあるホール
    M 遊歩者
    N 認識論に関して、進歩の理論
    O 売春、賭博
    P パリの街路
    Q パノラマ
    R 鏡
    S 絵画、ユーゲントシュティール、新しさ
    T さまざまな照明

    〈第4巻〉
    覚え書および資料(サン=シモン、鉄道;陰謀、同業職人組合;フーリエ;マルクス;写真;人形、からくり;社会運動)

    〈第5巻〉


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 19世紀のパリに出現したパサージュを題材に、膨大な資料を引用してそこに「ベンヤミン的考察」というスパイスを加えた一冊。
    ひとつのテーマに500ページ近く費やしてるんで退屈かと思いきや、案外鋭い一文がところどころに出てきて読み逃せない。

  • 仲正昌樹氏は近著『ヴァルター・ベンヤミン』で、この要約をどこまでも拒絶するかに見える『パサージュ論』のエッセンスをこう述べている。「この作品で描かれているパリの風景には、豪華な商店街や近代建築物とか流行とか、ブルジョワジーのファンタスマゴリー的願望が生み出した近代文明の粋を集めているような所と、売春婦、ゴミ拾いの人、乞食等が集まる裏小路のような所と、その両面を描き出しています。消費資本主義肯定のようにも取れるし、進歩から取りこばされたもの、弱者に対するやさしいまなざしを向けているようにも取れます。」(31頁)
    図書館で長い間、同じ席に座って本を読んでいると、どこからか一陣の風がさっと身体を掠めていく。パサージュ論を読むことは、自分にとってそういう体験に似ている気がする。

  • 908夜

  • ヴェンヤミン遺稿!

  • 【08.09.05/図書館】

  • ヴァルター・ベンヤミンの『パサージュ論』岩波現代文庫全5巻は、おそらく墓場まで持っていく本になるでしょう。なのに、なるべく常にそばに置いて、暇を見つけては読もうとしているのに、なかなか手に取る機会を作れないでいます。3年前に一通り読みましたが、だからといって書かれている1000の事柄がすべて分かる訳ではありません。一度読んで不鮮明だったイメージが、次に読むと、明確な輪郭を持って現れてくるなどということはざらにあります。難解なのではなく、ベンヤミンの思想が今村仁司の言うような星雲状態にあるからだと思います。曖昧なのではなく、まだ名付けられない思考の過程の、渦巻き状態にある認識を産むプロセスとして受け止めるべき何ものか・・・・・・・・(なんとこの本、2007年10月21日に積読本に入れたままでした)

  • 思わせぶりな文章の断片たち。「遊歩こそはこのような半睡状態のリズムである。1839年パリで亀が流行した。粋な連中にとって、大通りでよりパサージュでの方が、この生物の歩行のテンポを真似しやすかったことは、十分に想像できる」亀??

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