宗教とはなにか とくに日本人にとって (岩波現代文庫 学術 107)

  • 岩波書店 (2003年8月19日発売)
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感想 : 4
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  • 本 ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006001070

感想・レビュー・書評

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  •  人はなぜ宗教に惹かれるのか…ということに興味がある人には,なかなか刺激的な本である。日本の思想家だけではなく,西洋の思想家からも,宗教に関する哲学的な部分を引用してくれて,宗教学入門書としては,いいのではないか。

     ただ,わたしは「宗教とはなにか」ということを,もう少し別の視点から考えてみたいと思うようになった。それは「哲学,宗教,道徳,習慣」は,どんな関係にあるのか…である。
     葬式仏教は,宗教なのか。日本人が神社で手を合わす…しかも,2礼2拍手1礼までも基本通りにやる…のは,宗教なのか。単なる習慣なのか。習慣や宗教との違いはなんなのか…。このあたりの問いに答えてくれる本が欲しい。
     

  • 37866

  • 日本における宗教的な意識を考察。

    1章では、西洋において理論的にあまり語られることのない「悪」の問題について、「逆光の存在論」というタイトルで論じている。

    2章、3章では、隠れていた儒教思想のなかの「誠」という徳をキーワードとして、また、それを西田幾多郎の『善の研究』3章を引用、批判しつつも、日本の宗教的土壌のルーツを照らし出していく。

    4章では、先端時代における、宗教の展望をオウム事件にも言及しつつ、生と「永遠の死」を踏まえ、「今」を生きることにおける宗教性が語られる。

    5章では、イスラム圏からささやかな世界の展望が語られる。

  • 幸福とは何でしょうか。これは非常に定義しがたい。なぜなら何を欲しいと思うかは人によってさまざまだから。しかし誰もが欲しいものがある。それは、健康、裕福、賢明。

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著者プロフィール

1925年、東京都出身。哲学者。明治大学名誉教授。東京大学文学部卒業後、文化放送に入社。その後、明治大学法学部教授を長く務めた。西洋哲学をはじめ日本文化・言語・科学・芸術などに目を向けた現代思想に関する著書が多数あり、主要著作は『中村雄二郎著作集』(岩波書店、第1期全10巻・第2期全10巻)に収められている。山口昌男と共に1970年代初めから雑誌『現代思想』などで活躍、1984年から1994年まで「へるめす」で磯崎新、大江健三郎、大岡信、武満徹、山口昌男とともに編集同人として活躍した。

「2017年 『新 新装版 トポスの知 箱庭療法の世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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