宗教とはなにか-とくに日本人にとって- (岩波現代文庫 学術 107)

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  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006001070

作品紹介・あらすじ

宗教的な意識の出発点である「虚無の自覚」は、人間の生命力が自ら発する光とエネルギーを失い、自己が逆光を浴びるときに生ずる。そして宗教は個人の内面の問題にとどまらず、集団・制度に関わる事柄でもある。日本人の宗教意識を宗教的混淆や独特の倫理観から読み込み、オウム真理教事件に対する独自の解釈やイスラム教国での体験などをも織り込んで展開する注目すべき論考。

感想・レビュー・書評

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  • 日本における宗教的な意識を考察。

    1章では、西洋において理論的にあまり語られることのない「悪」の問題について、「逆光の存在論」というタイトルで論じている。

    2章、3章では、隠れていた儒教思想のなかの「誠」という徳をキーワードとして、また、それを西田幾多郎の『善の研究』3章を引用、批判しつつも、日本の宗教的土壌のルーツを照らし出していく。

    4章では、先端時代における、宗教の展望をオウム事件にも言及しつつ、生と「永遠の死」を踏まえ、「今」を生きることにおける宗教性が語られる。

    5章では、イスラム圏からささやかな世界の展望が語られる。

  • 幸福とは何でしょうか。これは非常に定義しがたい。なぜなら何を欲しいと思うかは人によってさまざまだから。しかし誰もが欲しいものがある。それは、健康、裕福、賢明。

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著者プロフィール

1925年、東京都出身。哲学者。明治大学名誉教授。東京大学文学部卒業後、文化放送に入社。その後、明治大学法学部教授を長く務めた。西洋哲学をはじめ日本文化・言語・科学・芸術などに目を向けた現代思想に関する著書が多数あり、主要著作は『中村雄二郎著作集』(岩波書店、第1期全10巻・第2期全10巻)に収められている。山口昌男と共に1970年代初めから雑誌『現代思想』などで活躍、1984年から1994年まで「へるめす」で磯崎新、大江健三郎、大岡信、武満徹、山口昌男とともに編集同人として活躍した。

「2017年 『新 新装版 トポスの知 箱庭療法の世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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