時間の比較社会学 (岩波現代文庫)

著者 : 真木悠介
  • 岩波書店 (2003年8月20日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006001087

作品紹介・あらすじ

原始共同体、古代日本、ヘレニズムとヘブライズム、近代社会-文化と社会の形態によって異なる時間の感覚と観念を比較検討し、近代的自我に特有の時間意識がどのように形成されたかを、自然と人間、共同体と都市、市場と貨幣等々の関係のなかで解明する。近代世界の自己解放の運動の一環を担う比較社会学の深い洞察に満ちた労作。

時間の比較社会学 (岩波現代文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 表現が難解。内容は興味深いのだが、理解しづらい。
    各時代、宗教などによって異なる時間の捉え方を比較している。

  • 2003(底本1981)年刊行。著者は共立女子大学教授。◆本稿を、社会学の本旨として現実社会を切り取ったということには躊躇を覚える。それほど新味のない(円環性と直線性。不可逆と輪廻など)議論、アフリカの例も子供の時間感覚を見れば簡単に理解できそうなものを小難しく展開するだけ。何のために論じているかも不明。社会と時間の多義的関係性なんて、時計のない社会、時間割のない社会を想像するだけで、あるいは農業や漁業を生業にしている人の話を聞きあるいは想像するだけで感得出来そうなのに…。

  • 原始共同体、近代社会、ヘレニズム、へブライズム、それぞれの時間意識の区別と連関という内容は、とても興味深かった。
    ただし、用語や言い回しが難解で、表面上しか理解できなかったのが残念。内容がわからなくても頑張って読んでいたが、近代の時間意識に入ったところで断念してしまった。

  • 未開社会の時間意識との比較で、当たり前に持っていた「時間」や「未来」という概念について捉えなおすことができた。
    時間意識は社会や環境によって異なり、共同体同士の意思疎通のためなど、必要に応じて生成されてきた。未来を思考するようになった私たちは、生の虚無から救われない代わりに、大きな可能性を手にした。

    難しかったが面白かった。読んで良かった。

  • 眼から鱗だった

  • 【選書者コメント】現代人の時間の意識がどのように作られたかを、様々なものとの関係から理解することができる。

  • 1ページ目でギブアップ!

  • 「自分が不老不死ではなくそのうち死ぬことに虚しさを覚えないためにはどうしたらいいか」「時間に急き立てられず充実を感じるためにはどうしたらいいか」の本。

  • これはかなりおもしろかった。「比較社会学」ということで、人類学的な知識を縦横に活用するが、「時間」という、もともとかなり哲学的に問題性の高いテーマであることもあり、相当に哲学的な深みのある本だった。
    我々は西欧的な語彙に慣れ、そのパースペクティブに縛られているため、時間というものを数直線的なイメージで物象化してとらえ、「過去ー現在ー未来」という区分を当たり前だと思っているが、ムビティによるとアフリカにはもともと「事実上未来(という概念)が存在しない」。さらに、エバンズ=プリチャードによれば、ヌアー族には「時間という概念が、そもそも存在しない」。
    この本にあげられた「未開社会」では、人びとは過去の祖先や神話などが共時的に混在したものとして「現在」を生きている。彼らは、西欧人のように壮大な未来を描いたりしないから、人類や社会の末路に思いをはせることもない。
    逆に、西欧人はむしろ「未来」ばかりを見て生きることで、「文化の発展」やら「経済的成功」はたまた「人類最後の日」を夢見てばかりいる。
    時間を計測し、分割し、能う限り合理化することにより、西欧の資本主義経済は爆発的に発展し、われわれもその流儀の世界観の中で過ごさざるをえない。
    しかし思うに、「未来」が常に頭から離れないために、うつ病だの統合失調症になるのではないか。空虚な「未来」の前で行動不能に陥るうつ、「未来」に先走ろうという焦燥に身を焼かれる統合失調症。そういえば、つかの間でも「幸福感」を感じるひとときというのは、「未来」に思いをはせている瞬間ではなく、「現在」がそれ自体の充実として実感できるような瞬間なのではないだろうか。
    近代西欧的な「時間の対象化」のなかで、「個人」が解き放たれるとともに疎外される。それは著者によると、カルヴァンの独白に見られるように「地獄」のような体験でもあるのだが、日本人は中途半端に近代化したため、そのような「個人」像とも「時間」観ともあまり密着しないままに現代を迎えた、という指摘はなかなか面白い。
    この本に挙げられているいくつかの文献も読みたくなった。
    「時間」については、今後真剣に考えてみたい。

  • 現在の近代社会の持つ直線的で不可逆的な時間感覚が、独特なものであることを示す。社会学と言うより哲学に近い部分もある。著者の言う「ニヒリズムからの解放」が現代社会でどれほど可能なのか・・・

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