毛沢東の朝鮮戦争: 中国が鴨緑江を渡るまで (岩波現代文庫 学術 126)

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  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006001261

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  • 朝鮮戦争の実証学的研究(この言葉も使い過ぎだが・・)。
    朝鮮戦争は、米中直接対戦であった、というのはまごう事無き事実であり、米軍を中心とする国連軍と、初戦は朝鮮人民軍との戦いであった。

    やはり最初に侵攻をしたのは朝鮮人民軍であり、最初はスターリンも同意をしているわけではなかった。ただしキム・イルソンは「小国ゆえの圧力」を演じ、韓国侵攻に同意したわけである。

    また毛沢東が義勇軍を送ることについて、「ソ連の空軍援助」があることが必須であると考えていた。しかしながらソ連が渋ったこともあり、二転三転する。毛沢東は考えた結果、「進歩的防衛」ということで、朝鮮に義勇軍を送ることにした。もっとも、毛沢東はかなりの大博打であることを見据えていたようだ。

    これは著者の修士論文のようであり、かなり難しいところもあるし、文脈が複雑なように思えるところもある。しかしかなり緻密な文献研究がなされており、資料的価値もあると思われる。

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著者プロフィール

1957年、上海生まれ。中国・華東師範大学外国語学部卒、1992年、学習院大学で博士号(政治学)を取得。1986年に来日し、学習院大・東大・早稲田大などの非常勤講師を経て、1992年、東洋女子短期大学助教授、1996年より東洋学園大学教授となり現在に至る。その間、2002年、米国ジョージ・ワシントン大学(GWU)客員研究員、2007年、英国ロンドン大学東洋アフリカ学院(SOAS)客員研究員。著書は『毛沢東の朝鮮戦争』(岩波書店 1991年)、『中国2020年への道』(日本放送出版協会 1998年)、『毛沢東のベトナム戦争』(東京大学出版会 2001年)、『中国で尊敬される日本人たち』(中経出版 2010年)、『中国外交 苦難と超克の100年』(PHP出版 2012年)など多数。

「2017年 『中国と南沙諸島紛争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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