生命の多様性〈上〉 (岩波現代文庫)

制作 : Edward O. Wilson  大貫 昌子  牧野 俊一 
  • 岩波書店
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006001315

作品紹介・あらすじ

この本の主題である生物多様性ほど、今日人類に差し迫った科学的問題を想像することはできない。生物多様性は進化の中でどのように育まれてきたのか。なぜ人類にとって決定的な意味をもつのか。どうすれば守ることができるのか。ウィルソン博士は豊富な体験と驚嘆すべき博識にもとづいて情熱的に説きあかしていく。「生物多様性」を地球環境問題のキーワードにした名著。

感想・レビュー・書評

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  • 東大京大教授が薦めるリスト100選抜

  • COP10関連書籍として展示されていて購入。良書。碩学という古い言い方を思い出す、一流の学者が、熱い情熱で静かに書いた本。

  • 第1章
    アマゾンの雨林では、アリのバイオマス量はすべての動物のバイオマス量の10%、昆虫全体の半分を占める。

    第3章 大絶滅
    アンモナイト類、イノセラムス斧足類、二枚貝も、恐竜同様に白亜紀末の1000万年間に減少した。有孔虫類の多くも数百万年にわたって段階的に消失した。
    昆虫はKT境界を比較的無傷で通過している。
    減少した多様性が復旧するまでに、オルドビス紀の絶滅後は2500万年、デボン紀絶滅後は3000万年、ペルム紀と三畳紀の絶滅後は1億年、白亜紀の絶滅後は2000万年かかっている。

    第7章 適応放散
    250万年前、パナマ地峡が海面から顔を出し、北中米と南米が陸続きになった。
    オーストラリアは2億年以上前にゴンドワナが分裂して以来、他の世界から隔離されてきた。
    南米の科や属の半数近くは、北米から移入してきた祖先に由来する。

    第8章 未踏査の生物圏
    すべての生物の既知の種数は推定140万(ウイルソン)
    推定される未知/既知の熱帯林の節足動物の種数は3000万種(テリー・アーウィン)。500〜1000万種(ナイジェル・ストーク、ケビン・ガストン)
    細菌の記載された種数は4000種(バージェイ)。実際の総数は何百万になるかもしれない。
    ハクジラ類は、20世紀になってからも平均10年に1種の割合で新種が見つかっている。

    第9章 生態系の創造
    食物連鎖の鎖の数は5以下

    第10章 生物多様性
    28億年前、海中の鉄イオンの酸化が終了して酸素分子が発生し始め、好気的生物が出現した。
    4億5000万年前、植物が陸上進出。
    バージェス頁岩の化石:現生の11門のほか、19の特異な体制が見られた(コンウェイ・モリス)
    世界最大の植物多様性を誇るのは、コロンビア、エクアドル、ペルーのアンデス地域の3国
    エネルギー・安定性・面積(ESA)理論:太陽エネルギーが多いほど、年間の気候が安定しているほど、面積が広いほど多様性は大きい
    ラポポルトの規則:個々の種の分布域は、赤道に近付くほど狭くなる
    哺乳類では、体重が1000分の1になると、種数は10倍増える
    昆虫の個体数は10億の2乗ほど。バイオマス量は人類の総重量をいくらか上回る

    第12章 脅かされる生物多様性
    ポリネシアのトンガからハワイまでは、ラピタ人が到着したときに固有種の半分が消された
    ハワイでは、18世紀後半までに35〜55種が絶滅し、その後2世紀の間に残った陸生鳥類50種の1/3が姿を消した
    1万2000〜1万1000年前の間に、北米では大型哺乳類の属の73%、南米では80%が絶滅した。大型鳥類の属も同程度が絶滅した。200万年栄えたマンモスが1000年の間に姿を消した。地上性ナマケモノも同時に姿を消した
    北米の陸上哺乳類は過去1000万年の間に、6回の大絶滅によって激減した。500万年前に60属が姿を消した。1万年前に40属が姿を消した。
    ニュージーランドでは、AD1000年頃にマオリが渡来して以降、飛べない鳥9種を含む陸生鳥類20種が絶滅。森林伐採、火入れ、マオリとともに渡ってきたネズミが原因
    マダガスカルでは、AD500年頃にインドネシアから移住してきた後100年間の間に、飛べない隆鳥6〜12種、キツネザル類17属のうち7属が消えた
    オーストラリアでは、3万年前にアボリジニーがやってきて以降、フクロライオン、巨大カンガルー、地上性ナマケモノ、サイ、バク、ウッドチャックなどの大型哺乳類が姿を消した。2万6000〜1万5000年前の乾期に多くの動物が絶滅。人類侵入後、爬虫類、小型哺乳類、鳥類は生き残っている。
    人間が島嶼に住みつくようになって以降の過去2000年間に、世界の鳥の種の1/5が絶滅した。

    ホットスポット
    1988年にノーマン・マイヤースが名づけた。
    多数の固有種を宿し、主要な生息場所がもとの10%未満の広さまで減少しているか、今後十年から数十年の間にそこまで減る運命にある地域。
    18地域を合計した面積は、地球の陸上面積の0.5%。世界の植物種の1/5がその地域のみに生育する。
    エクアドル西部の低地と山麓部の森林は、ホットスポットの中で最もホット。
    生物の歴史上の同サイズの陸上動物に比べて、人類の個体数は100倍。陸上生物がとらえる太陽エネルギーの20〜40%を人類が独占している。
    面積−種数曲線モデルで考えると、現在の速度で熱帯雨林の減少が続けば、毎年種の0.5%が絶滅し、30年間で10〜22%が消え去る。
    多雨林に生息する種数を1000万とすると、控えめな推定値でも年間2万7000種が失われていることになる。

    第13章 未開発の富
    アメリカで処方される医薬品のうち、生物に由来するものは40%以上
    人類の歴史を通じて7000種類の植物が栽培され、食べ物として採集されてきた。世界の食糧の90%を20種が提供。
    世界で300種の魚介類が養殖され、その85%はコイ科の種。

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