- Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006001353
作品紹介・あらすじ
ヒット商品は科学的な調査・分析によって理論的に生みだされたという物語は、開発現場での経緯と合致しないことが多い。合理的思考、実証的方法の問題点を現代哲学・思想の成果を取り入れて検討し、ポスト近代のつかまえにくい「消費」に肉迫する。本書は、マーケティング論の基本文献にして、すぐれた現代文化論である。
感想・レビュー・書評
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【目次】
目次 [iii-vi]
第1章 マーケティングの神話 001
1 困惑するマーケティング現場
2 製品開発に合理性はありうるか
3 コンセプト・ターゲットの見誤りは多くないか
4 消費者に欲望はあるか
5 新しいマーケティング概念に向けて
6 本書の問題提起
第2章 意味構成・了解型の製品開発 058
1 金融商品の開発と広告作品の制作
2 モノ型スタイルと芸術型スタイル
3 日産自動車の開発体制の革新
4 製品開発の二つの論理――論理実証と意味構成・了解
5 意味構成・了解概念の意義
第3章 対話型コミュニケーション 104
1 マーケティング・リサーチの革新
2 組織コミュニケーションの革新
3 マーケティング・コミュニケーションの革新
4 解釈情報コミュニケ―ションの意義
第4章 競争概念は普遍的か 164
1 日本と米国に見る競争行動の違い
2 米国流マーケティング・マネジメント
3 日本流マーケティング・マネジメント
4 器用仕事と客観的偶然
5 コンセプトによる適応と記号作用による適応
第5章 人間にとって消費するとは何か 202
1 なぜ,消費するのか
2 文化的事業としての消費
3 体験としての消費
4 消費概念の深化
第6章 交換は必然のものか 248
1 マーケティングの基礎概念としての交換
2 相互行為としての交換
3 交換は必然か
4 浮遊する価値
第7章 科学はマーケティングなのか 302
1 「科学」概念の脱構築へ
2 マーケティング研究の相対主義
3 「マーケティングは科学なのか」再論
4 マーケティング世界におけるポスト・ポジティズムの意義
第8章 神話のマーケティング 358
1 認識優位の知
2 フィールドの知
3 神話のマーケティング
4 分析的理解,共感的理解,そして対話的理解
参考文献 [383-402]
あとがき(一九九三年初春 石井淳蔵) [403-411]
岩波現代文庫版に寄せて(二〇〇四年晩秋の候 石井淳蔵) [413-416]
人名索引 [5-8]
事項索引 [1-4]詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
マーケティング研究の再検討に挑戦している本。
先攻研究や事例のまとめ方など、
参考になる点が多い。
第1章 マーケティングの神話
第2章 意味構成・了解型の製品開発
第3章 対話型コミュニケーション
第4章 競争概念は普遍的か
第5章 人間にとって消費するとは何か
第6章 交換は必然のものか
第7章 科学はマーケティングなのか
第8章 神話のマーケティング -
一般的にマーケティングとしての意識していないままに仮定している知識、ユーザーが潜在ニーズを持っていることや、コンセプト作りがの成功が拡販のキーとなること等を様々な角度から単なる神話に過ぎないことを気づかせてくれる。日米企業のマーケティングの違いやマルクスも出てくるし、または根本的な問題として科学とは何ぞやという問いまであり、かなり間口を広げた上に深堀もしている。
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大学院に入学して初めて読んだ一書。
〔31st K〕 -
商品をその性能や価格ではなく、文化的価値を有する「記号」として捉える見方は何も新しいものではありません。
本書が優れているのは、そういった記号論的な商品分析・消費行動分析を「企業側」の目線で行なったという点にあります。
そのあたりはさすがに経営学を修められただけあって、文芸出身によって語られる現代思想にはないリアリティがあります。
当時主流であった、科学的に、論理的に消費行動にアプローチしようというに対して、ボードリヤールのような危うい思想家を引用しつつも果敢に「現場」的であろうとした著者には深い感銘を覚えずにはいられません。
「最新の○○○マーケティング」などと書かれた本を10冊読むよりも、本書を何度も読み返すほうがよっぽどマーケッターとしての資質が磨かれると思います。 -
フェイバリットマーケ本。マストすぎる。
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消費者分析のことなど。
結構ないよう難しくて理解しきってないですけど。。。