「もの」の詩学―家具、建築、都市のレトリック (岩波現代文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006001537

作品紹介・あらすじ

身体の快楽が推し進めた椅子の変容の歴史、「もの」の蒐集から仏革命をへて美術館・博覧会を作り上げていったブルジョワジーのイデオロギー、キッチュ王ルートヴィヒ二世が心血を注いで建てたまがいものの城、巨大主義に取り憑かれたヒトラーの建築都市。「もの」に凝縮されている文化や社会の無意識を探る記号論的思考の労作。

感想・レビュー・書評

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  •  著者は造形関係の評論家らしく、この本では椅子やベッドなどの家具、コレクション、城などについて語られている。
     この人はどうやらポストモダンの人のようだ。やたらとフランス思想家の人名が言及され、文体は軽く、深層を飛び越えて上空飛行ばかりしている。山口昌男さんの本によく似ている。その学識は尊敬するけど、結局何を言おうとしているのか、著者の心の動きがつかめない。
     そのため、最初おもしろい本かなと思ったが、だんだんつまらなくなってしまった。
     この人の本は、たぶんもう読まないだろう。

  • 昨年の4月に82歳で亡くなった批評家、多木浩二の著作を初めて通読したのは大学時代に課題図書だった『ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」精読』だが、それとは関係なく、多木は僕にとっては60年代後半の伝説的写真同人誌『provoke』の人で、それとも関係なく、本書は、「もの」とその背景にある精神史を読み解く4本の論考から成っていて、内容はざっと次の通り。「17、8世紀西洋における家具と室内の変化」「18世紀に起こる収集から美術館への変化、フランス革命と美術館と博覧会」「ルートヴィヒ二世の城とキッチュの発生」「バウハウスとヒトラーの建築と独裁制」。多木の文章は、内容に比べて文体が硬質で難解な印象を与える。少なくとも、すらすら読めるというタイプの文章ではないが、そうした文体に彼の知的鋭意を感じることができて、僕は嫌いではない。そして、やはりどこかしらベンヤミンを思い出す。

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