猫の大虐殺 (岩波現代文庫 学術 185)

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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006001858

作品紹介・あらすじ

一八世紀初頭のある日、パリの労働者街の猫がのこらず殺された、と記す印刷職人の手記は、何を物語るのか。史料の奥底に隠された大革命以前の人びとの心性に、わずかな手がかりをもとに犯人をつきとめる名探偵のような鮮やかな推理で迫る。社会史研究の先駆的達成と評価される原書から、中核的論文四本を抜粋して収録。著者自身による解説も兼ねた「第三版への序文」を付す。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルを見ると驚くが、名著である。
    フランス革命前夜、さまざまな階層に起こっていた変化について論じている。
    ちょっと私には難しいが、面白かった。
    また時間をおいて読もうと思う。

  • 現代社会はネットが普及し、電気も水も火も自由に使え、子どもには教育が与えられている。そんな時代の私達が、そういう当たり前だと思っているものがない時代の文献を言葉通りに受け止めることは大きな誤解を生み出すことは言われてみれば当たり前のこと。この本は文献の書かれた時代の書いた人、受け止めた人々の生活を考えることでその言葉の本当の意味を考えさせる。
    タイトルの『猫の大虐殺』は正しくその筆者の考えを象徴的に表している。現代人の感覚からするとアリエナイ、非人道的な行為に思われるこの大虐殺も、18世紀の労働者によって歓声と共に迎えられた。彼らからすれば惰眠を貪り自分たちよりも美味しいものを食べ、働くことのない親方夫婦へ一矢報いる行動にすぎない。しかも、その行動によって自分達の生活が改善しようとは思っていない。パントマイムという方法で暫くの間娯楽を得て気を紛らわすのだ。
    この本から垣間見得る当時の人々はタフで感情豊かで私達とは違う価値観をもっている。また、この本の最終章、読者がルソーに答える、で描かれる読書のあり方は筆者自身が私達読者に訴えかけるものと同じものだろう。
    本の中の登場人物達が本当に生きているかのように感じること、実在を信じること、それによって得られることができることは大きな感動なのである。

  • この本も大学のレポートの為に読む。

    ちなみに猫の虐殺は労働者が雇用主に対する不満を直接ぶつけることができず、雇用主の飼い猫を含めた猫達に向けられ大虐殺が起こったというもの。

    『農民は民話をとおして告げ口する』は面白かった。
    民話の本当の意味は農村での生活、欲望が込められており、国によっても特徴がかわっている。ここでいう民話はペロー、グリム以前の口伝で伝わっているもの。民話=現実でない!!

  • 社会史の名著。
    読み物としても面白い。

  • DRa

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