フランス革命 (岩波現代文庫 学術 189)

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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006001896

作品紹介・あらすじ

「フランス革命」とは、いったい何だったのか。フランス史研究の第一人者が、戦前からの研究史を踏まえて社会史の視点から読み解く。革命を旧特権エリート、新興中間層、民衆の三極構造として捉え、どのように民衆の世界が解体され、近代国民国家へと再編成されていったかを考察する。「補論 フランス革命と明治変革」併載。

感想・レビュー・書評

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  • 比較史の研究の仕方の説明が興味深かった。フランス革命の説明については根拠のない言い切り表現が多すぎて少し不快感がある文章だった。

  • 良い意味で淡々と革命の原因・プロセス・結果が描かれる。
    どうして「淡々と」と感じたのだろうと考えたとき、
    そこに思想の描写がほとんど無いことに気が付いた。
    ルソーの影響は、またシエイエスのパンフレットの影響は、
    どこへ行ったのだろうと思った。だから人物の行動にも熱を感じない。
    でも、たぶんそれは佐藤賢一に任せておけばいいことなんだろうと思う。
    それより革命の原因として、
    革命前の社会のひずみが頂点に達していたことをしっかり説明している。
    簡単に言うと絶対王政による組織の支配の方法、また中間組織を通じた
    支配の方法が時代と合わなくなってきたということ。
    末尾に明治維新との比較についても記載があったが、
    明治維新を革命と比すのにはなんとなく以前から抵抗がある。
    維新には人権思想があったわけでもなく、
    どちらかというと外圧の対処としての維新だと思うから。
    だけど、社会や技術が行政組織や現行法律と乖離する際に起こりうるものが
    革命や変革であるならば共通点は多いものだろうし、今を生きる者にとっても
    極端な改革案が社会環境と社会制度の乖離から起こりうるものだということを
    知らなければいけないのだと思う。

  • フランス革命について深く知りたいと思い読んだ。
    内容的には割とヘビー。
    フランス革命自体が複雑かつ、展開が激しく変わっていくため。
    一通りフランス革命を学び、より深く知りたいと感じ手にした人には物足りないかも。

  • 目 次

    Ⅰ フランス革命の解釈をめぐって
     1 アプローチの仕方
     2 日本におけるフランス革命観
     3 フランスの主流的解釈
     4「修正主義」

    Ⅱ 原因
     1「ブルジョワ」
     2「革命的ブルジョワジー」? 
     3 革命の発生

    Ⅲ 革命のプロセス(1)
     1 フランス革命の輪郭
     2 革命の勢力配置(1789年)
     3 革命の深化(89年10月~92年8月)

    Ⅳ 革命のプロセス(2)
     1 ジロンド派と山岳派の抗争(92年8月~93年6月=第三局面A)
     2 山岳派独裁の形成(93年6月~93年末=第三局面B)

    Ⅴ 革命のプロセス(3)
     1 山岳派独裁の崩壊(94年初~94年7月=第三局面C)
     2 安定化の失敗(94年7月~97年9月=第四局面A)
     3 軍部独裁への道(97年9月~99年11月=第四局面B)

    Ⅵ 民衆運動
     1 革命の底辺
     2 フランス革命の意義
     3 比較史の視点

    あとがき

    補論 フランス革命と明治変革―比較史の枠組

    現代文庫版のためのあとがき



     

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