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Amazon.co.jp ・本 (300ページ) / ISBN・EAN: 9784006001926
感想・レビュー・書評
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<サクレ•クール=聖なる心臓 を敬え!>
時代を画した歴史学者による身体論。
その語りが滅法面白く、本書を読んでいると、この人に西洋史を習いたかったという、かなわぬ願いを掻き立てられる。
「西洋学事始」「カタロニアへの眼」を読んで、西洋史の奥深さに触れて震撼したのは今を去ること何十年も昔のこと!
題名のみ名高い「ゴシック世界の思想像」は今や入手困難(だから、読んでいない)。
表現と表象と道具という観点で現れる<からだ>を、歴史の衣装を着せて描く歴史学の冒険。
特に<心臓と血液>は秀逸。
女の恋人である下僕の心臓を抉り出し、黄金の盃に入れて娘に送りつけるサレルノ公。
ダンテの心臓を食べるベアトリーチェ。
憎っくき騎士の心臓を調理して不倫の奥方に食べさせる南フランスの城主。
何と血に塗られておどろおどろしいイメージの数々。
焼き鳥の「ハツ」ではないのだから、人の「ハツ」を食べなくとも良いのに、と思わざるを得ない。
ヨーロッパに根付く心臓をめぐる物語が、キリスト教と結びついて、イエスの聖心(聖心女子大!)への信仰に繋がっていく複雑で不思議な流れを巧みな筆で描き切る。
パリの街を睥睨するモンマルトルの丘に聳えるサクレ•クール寺院は、パリのどこからでも望むことが出来る。
サクレはsacred、クールはheart。
イエスの心臓を象徴する「聖心」寺院だ。
血に塗られた心臓が、パリを見守っている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
歴史は、生きている人間が都合よく書き換えるものではありません。より正確にたどって、人間の営みを、ひいては「人間」を考える方途です。昨今の風潮に、まじめな学者さんはどう考えていらっしゃるのでしょう。
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