スルタンガリエフの夢―イスラム世界とロシア革命 (岩波現代文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (467ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006002015

作品紹介・あらすじ

ロシア革命がはらむ西欧中心主義の限界をいち早く見抜いていたタタール人革命家スルタンガリエフ(一八九二‐一九四〇)。彼は旧ロシア帝国のムスリム地域の脱植民地化を図ったが非業の死に斃れた。本書はイスラム世界の風土と歴史を背景にその「ムスリム民族共産主義」を詳説し、激動の現代中央アジアを理解するための礎石を提示する。

感想・レビュー・書評

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  • 【階級か,民族か】ムスリム民族共産主義という思想を世に送り出し,その死後もイスラム世界に大きな影響を与えたスルタンガリエフ。その思想の脈歴をたどるとともに,ロシアにおける民族とイデオロギー,そして宗教の深部に切り込んでいった作品です。著者は,日本を代表する歴史や地政学の泰斗の山内昌之。

    スルタンガリエフの一生を通し,複数の民族,宗教,思想そして言語が文字通り混在した社会に生きるということがどういうことかがよくわかる一冊。ロシア革命前後の混沌とした時代において,少数派から見つめ直した共産主義の一形態を知ることができる貴重な作品かと。

    〜ムスリム民族共産主義の特徴は,人びとが自分をいかにして認識するのかというアイデンティティの領域にきりこんだ点にある。〜

    時代背景が異なるので,読みづらい部分もありましたが☆5つ

  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    文庫&新書百冊(佐藤優選)153
    国家・政治・社会

  • たいへん愚かな告白だあるが
    ロシアはロシア人の国だ、と思い込んでいた。

    ところがどっこいたいへんな多民族国家である。

    スルタンガリエフには結局たいして興味はわかなかったが
    ソ連という国をイスラム教徒の側からみるという意味では
    とても面白かった。

    のちの我的ロシアブームの先駆けとなた一冊。

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著者プロフィール

1947(昭和22)年札幌に生れる。1971年北海道大学文学部卒業後、カイロ大学客員助教授、東京大学教養学部助教授、トルコ歴史協会研究員、ハーバード大学客員研究員、東京大学大学院総合文化研究科教授などを歴任。明治大学研究・知財戦略機構国際総合研究所(中東研究部門)特任教授。学術博士(東京大学)。国際関係史とイスラーム地域研究を専攻。1984年に『現代のイスラム』(朝日新聞社)で発展途上国研究奨励賞、1986年に『スルタンガリエフの夢』(東京大学出版会)でサントリー学芸賞、1990年に『瀕死のリヴァイアサン』(TBSブリタニカ)で毎日出版文化賞、1991年に『ラディカル・ヒストリー』(中央公論社)で吉野作造賞、2001年12月には『納得しなかった男』(岩波書店)などで司馬遼太郎賞、2002年11月に『岩波イスラーム辞典』(共編著、岩波書店)で二度目の毎日出版文化賞、2006年紫綬褒章を受賞。書評集は、『歴史家の本棚』『歴史家の書見台』『歴史家の羅針盤』『歴史家の展望鏡』(以上、みすず書房)のほか『歴史家の一冊』(朝日選書)『歴史という名の書物』『歴史のなかの未来』(以上、新潮社)がある。

「2017年 『歴史家の展望鏡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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