私はどうして私なのか 分析哲学による自我論入門 (岩波現代文庫 学術 208)

  • 岩波書店 (2009年1月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784006002084

感想・レビュー・書評

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  • 分析哲学の本は、読んでいるうちに何でこんな議論をしているのかわからなくなることが多いので、自我論にテーマを絞ったものならそういうこともないだろうと思って読んでみた。それでも途中、集中力を失い同じ議論を繰り返しているようにしか見えないところもあったが、前半の「指示対象」と「意義(センス)」後半の「私」と「内なる自分」の議論はおもしろくて、何とか最後まで読めた。もう何冊か分析哲学の入門書とかを読んだ上でもう一度読むといいかなと思った。

  • 分析哲学と倫理学の架け橋をする本。もう「私」から逃れられない。

  • 図書館1階の学士力支援図書コーナーでは、大学の建学の精神に基づいた図書を3つのテーマに分けて配架しています。
    ・アイデンティティを求めて
    ・いかに生きるか
    ・視野を広げる、世界を知る力

    この本は→「いかに生きるか」

    配架場所はこちら→http://libopac.josai.ac.jp/opac/opac_details.cgi?lang=0&amode=11&place=&bibid=2000043070&key=B129965680413020&start=1&srmode=0

  • かつてデカルトは、自己意識を考察するにあたって他者の視点を考慮する必要はないと考えた。こうした発想を著者は批判する。

    幼児が鏡像を前にしてそれが自己の姿だと認識するとき、いったい何が起こっているのだろうか。そこでは、自分には直接見ることのできない自分の姿が他者によって見られうるということが理解されているはずだ。そうだとすると、自己意識は、他者によって意識されるということと切り離せないことになる。また、幼児が自分を指す名前があるということを理解し、それを用いて自分の状態・意図を語るとき、彼は自分の発言によって一定のコミットメントを負うことになる。つまり、「自分がいる」ということは、「人の間にいる」ということを含意しているのである。

    こうした議論を踏まえた上で、著者は指標語「私」の分析を開始する。「私」という語を用いる人は、だれもが「私」を中心にしたパースペクティヴを持っており、私にとっての「ここ」が相手にとっての「そこ」であることを理解できなければならない。そして、このことが「私はいま、ここにいる」という命題の理解の内実なのであって、そこでは一人称的な特別な事実などは存在していないと考えられることになる。それでも依然として、さまざまな客観的な事実に加えて、「私が大庭健である」という偶然的な事実が存在するように思われることは否定できないが、著者によれば、大庭健という人物とは独立に「内なる自己」が存在するというのは、語の意義と指示対象の取り違えにすぎない。

    最後に著者は、「私は……と思っている」というときに何が生じているのかと問いかける。ここには、自分の思考についての思考、メタ・レヴェルの思考が生じており、それぞれ異なった主体による思考が考えられているように思える。だが、「いったい私は……のことをどう思っているのだろう?」と自問するときなど、私が自己の心理状態に注意を向けるときに生じているのは、「どう考えるべきか、どういう態度をとるべきか?」という実践的な配慮である。それは、私が自己の行為について責任を持つ存在であり、「人の間」で一定のコミットメントを負っているということを意味しているのであり、自己の行為について思考するメタ・レヴェルの自己が独立して存在するということにはならないのである。

    「私」についての分析哲学的な観点からの議論が展開されているが、テクニカル・タームはほとんど使用されず、また著者の饒舌も本書ではかなり抑えられていることもあって、比較的読みやすいと思う。

  • 私がいる、私は他人にどう観られているのか。
    自分では見えないけれども、自分は見えるものとしてある。存在する。

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著者プロフィール

1946年 埼玉県浦和市生まれ
[現職]専修大学文学部教授
[著書]『権力とはどんな力か』勁草書房,1991。『自分であるとはどんなことか』勁草書房,1997。『所有という神話―市場経済の倫理学』岩波書店,2004。『責任って何?』講談社,2005。『善と悪』岩波書店,2006。他多数

「2008年 『職業と仕事…働くって何?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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