江戸思想史講義 (岩波現代文庫) (岩波現代文庫 学術 235)

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  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006002350

作品紹介・あらすじ

江戸思想は、あまりにも無自覚に近代の眼差しのもとで再構成されてきたのではないか。本書は中江藤樹、山崎闇斎、伊藤仁斎、荻生徂徠、賀茂真淵、本居宣長など江戸期の重要な思想家の再検討を通して、江戸思想を読み直し、新たな江戸時代像で再び近代を反照する。

感想・レビュー・書評

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  • 江戸時代の主たる思想が概観されている。その評価基準に西洋哲学の語彙を採用することにより、過去の思想を新たな境界に導くことに成功している。とはいえ、現代の我々にはもう一押し欲しいような、かゆいところに手が届かない思いもあり、新たな思想家の登場によって新しい江戸思想史の意味付けが待たれる。つまり、伊藤仁斎や本居宣長をヒューマニズムにまとめても、何かもう一歩先に進めないかと、煮え切らない。本居宣長のように日本を神の国にしてしまう論は取らないにしても、それとは別に何を取るべきか、伊藤仁斎の論語の実証主義が果たしてどんな現代的意義を結果するのか、あるいは人間の中身を重視する伝統に反して、荻生徂徠が外に目を向けたとは、より詳細にどんな意味があり、我々は何を汲むべきか、江戸思想史の新たな地平が開けることを求めて止まない。

  • 難しい部分もあるが、最終章が良かった。

  • 本書は中江藤樹、山崎闇斎、伊藤仁斎、荻生徂徠、賀茂真淵、本居宣長など江戸期の重要な思想家の再検討を通して、江戸思想を読み直し、新たな江戸時代像で再び近代を反照する。

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著者プロフィール

1933年生。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科(倫理学専攻)修了。文学博士。大阪大学名誉教授。日本思想史学会元会長。専攻-日本思想史、倫理学。
主著:『江戸思想史講義』『宣長学講義』『徂徠学講義』『漢字論』『思想史家が読む論語』(岩波書店)、『伊藤仁斎の世界』『平田篤胤の世界』『方法としての江戸』『仁斎学講義』(ぺりかん社)、『はどう語られて来たか』『昭和とは何であったか』『「大正」を読み直す』(藤原書店)、『鬼神論』『歎異抄の近代』(白澤社)、『国家と祭祀』『とは何か』『和辻倫理学を読む』『日本人は中国をどう語ってきたか』(青土社)。

「2017年 『仁斎論語 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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