王羲之 六朝貴族の世界 (岩波現代文庫 学術243)

  • 岩波書店 (2010年10月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784006002435

みんなの感想まとめ

テーマは、書聖として知られる王羲之の人物像や思想に迫ることで、彼の書が持つ文化的背景を描き出しています。著者は王羲之の有名な作品「蘭亭序」や「喪乱帖」を取り上げるのではなく、彼の生涯や人間性に焦点を当...

感想・レビュー・書評

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  • 書聖王羲之の名前はあまりにも有名だろう。「蘭亭序」や「喪乱帖」の作者であり,彼の書は在世当時から人々の注目を浴びていたらしい。しかしその真蹟はひとつも伝えられていないという。本書は,王羲之や彼の書にまつわるエピソードを紹介しながら王羲之の人物像や思想,信仰などを描いている。

    まえがきの中で「本書は,「書聖」とよばれる王羲之の書そのものをとりあげて多くかたることはないだろう」(4頁)とあるように,王羲之の書を解説した本ではない。そのため,本書を読むために書についての知識は不要であり,実際に書の知識がない私にとっても本書は非常に楽しかった(もっとも知っているに越したことはないかもしれない)。「羲之の書に倣ったうえ,紙を泥水につけて変色させるなど,いかにも由緒ありげに見せかける細工をくわえ,一獲千金を夢見るものがあった」(18頁)というエピソードや,蘭亭序をめぐる数奇な物語は面白かった。現在でも同様な運命をたどる美術品は少なくないのかもしれない。

    書に関心があるひともそうでないひとにもおすすめの一冊である。

  • (後で書きます。書家としての王羲之というよりは、東晋の政治状況や文化の中での一貴族の生活のスケッチ。道教との関わりについても詳細な言及あり)

  • 140524 中央図書館
    4世紀に生き、王羲之は書家として後世に名を残したが、その実像はヒューマンな文化人であり単に能書家というものではなく、現在の南京付近でサロンを形成し、人生の哀切を噛みしめながら生きていたという。1500年以上前の話だが、まさに今、そこで生きているような気がする、面白い本。

  • 吉川忠夫(杏雨書屋館長)先生の講演を聴く機会ができたので、予習に、図書館でレンタル。

    難しいということだけが分かった。

  • 王羲之が道教の信者であったことなどが興味深い。服食養生。仙人を目指すために(健康で長生きするために)、仙薬を熱心に飲んだということ。王羲之の時代背景が前半を占めていますが、三世紀、四世紀の中国史もよく理解できておもしろかった。

  • 家族や友人を思いやったり、仕事でつらい目にあったり、道教にこってみたり・・・王義之の書聖の部分ではなく、生活と思想に焦点をあてて書かれた本。

    歴史小説のように楽しく読めた。

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著者プロフィール

1937年、京都市生まれ。京都大学文学部史学科卒業、同大学院文学研究科博士過程単位取得退学。東海大学文学部専任講師、京都大学教養部助教授を経て、京都大学人文科学研究所助教授、同教授。2000年、停年退官、京都大学名誉教授。花園大学客員教授、龍谷大学文学部教授を経て、同大学客員教授。日本学士院会員。
〔主著〕『劉裕』(人物往来社。後に中公文庫)、『王羲之―六朝貴族の世界―』(清水新書、清水書院。増補して岩波現代文庫。『六朝精神史研究』(同朋舎出版)、『中国古代人の夢と死』(平凡社選書)、『秦の始皇帝』(集英社。後に講談社学術文庫)、『魏晋清談集』(中国の古典シリーズ、講談社)、『書と道教の周辺』(平凡社)、『古代中国人の不死幻想』(東方選書、東方書店)、『中国人の宗教意識』(中国学芸叢書、創文社)、『読書雑誌―中国の史書と宗教をめぐる十二章―』(岩波書店)、『顔真卿伝―時事はただ天のみぞ知る―』(法蔵館)、訳書に『訓注本後漢書』(全10冊・別冊1、岩波書店)、『高僧伝』(全4冊、船山徹氏と共訳、岩波文庫)など。
二〇二二年、文化勲章受章。

「2019年 『侯景の乱始末記──南朝貴族社会の命運』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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