不惑のフェミニズム (岩波現代文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 84
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006002510

作品紹介・あらすじ

売られたケンカは買い、連帯は国境や世代を超えて呼びかける-。上野千鶴子の発言は、折にふれ共感、時に物議をかもしてきたが、背景にあるのは、自身の率直な思いと、女が女であるがままの解放をめざすフェミニズム思想。四〇年間、その最前線を走りつづけてきたフェミニストの、迫力のリアルタイム発言を一挙公開。

感想・レビュー・書評

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  • 40年年間のきろく

  • ★つぶやき大賞★上野さんは、口調がキツイ!でもそこがいい!!

  • 上野千鶴子の著作を読んでいて、いつもなぜか、違和感のようなものを感じ続けていた。上野千鶴子の築く世界は、一見、フェミニズムという一つの思想を想い起させるもののように見える。しかし、どことなく思想としての完成度、手法などの学問的な基礎の部分が、深いところでは、あやふやで、悪くいえば未熟ともいえるものを漂わせている。これはなぜか。つまり、最近やっと思いつくことが出来た。それは、上野千鶴子の築く思想というのは、一つの歴史であるということだ。そう考えて読み進めているうちにハッとさせられた。そこには、確かに、彼女自身の恨み、悲しみ、憎しみ、また自惚れなどが混在し、そしてたまにそれらの感情が混乱しながら、自分の女という性を解放しようとする、自身の歴史を築く思想があったのだ。いわゆる、彼女の築いてきた思想というのは、自身からの解放というわけだ。これは、フェミニズムという大きな体系からもいえるのかもしれない。

  • 上野千鶴子さんの仕事の軌跡をたどることができる比較的短めの論文、エッセイ、評論を時代順に並べたもの。一読して、彼女がどんな仕事をやってきたのかが分かる。
    「女性学年報」の編集方針をめぐる最後の幾つかの文章が、ウィキペディアの日本語版の今によく似てて面白い。

  • 日本のフェミニズムの40年近い闘いの歴史は、本当に闘いであったのだなと思わされた。大きくとらえれば、既存の男社会が敵ということになるのだろうが、そのなかでも、当初はとにかく現状打破という感じであったのが、最近ではバックラッシュ派との闘いが主になっている。つまり、敵がその時々で変わりながらの40年だったというわけで、それはそれで非常に骨の折れることだったろうと思うけれど、一方では、この変遷はフェミニズムの発展……というよりも世間の女性蔑視の風潮の変化(それも遅々とではあるが前進している)の表れでもあるのだろう。
    本書を読むと変化の激しいなかでも上野千鶴子はブレていない。考えの変化はあるのかもしれないが、迎合したり流されることなく意志的に自分の言行を一致させてきた人。なかでも一貫しているのは、フェミニズムは世の中から生まれてきたものであると解釈していること。同時に、世の中に対して努力しない女を非難するような態度ではないこと。少なくとも上野千鶴子のなかでは、フェミニズムは意識の高い女のものであるといったことはないのだろう(自分は意識の低い女には腹立つけど)。この参加しないものを排除したり蔑視しない、口を出す者が手も出すといったネットワーク的な思考が根付いている。この空気(ネットワーク感)も、自分がフェミニズムに共感を覚える一つの要因ではないかと思った(と言っていると、上野千鶴子は「男性学をやれ」と言うだろうけど)。

  • 上野センセのは何を読んでもよくわかる。素人にもわかりやすくがモットーなのですからありがたい。バックラッシュがあることも知らなかった。図書館の書籍撤去もひどい話だと思う。戦うことはしんどいことだけど「仲間」がいるということがありがたいし、継続もできるのでしょう。

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著者プロフィール

1948年富山県生まれ。社会学者。東京大学名誉教授。認定NPO法人ウィメンズアクショネットワーク(WAN)理事長。専門学校、短大、大学、大学院、社会人教育などの高等教育機関で、40年間、教育と研究に従事。著書に『近代家族の成立と終焉』、『家父長制と資本』(岩波書店)、『おひとりさまの老後』(文春文庫)、『女ぎらい』(紀伊國屋書店)、『ケアの社会学』(太田出版)、『サヨナラ、学校化社会』など多数。

「2018年 『情報生産者になる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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