満州事変――政策の形成過程 (岩波現代文庫)

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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006002527

作品紹介・あらすじ

一九三一年九月一八日、柳条湖の鉄道爆破をきっかけに勃発した満州事変。事件はいかにして引き起こされ、なぜ連盟脱退にまで至ったのか。関東軍と陸軍中央部、政府指導者のせめぎあいは、日本の政策と国際関係をどう変容させていったのか。満州事変の背景・展開・影響を克明に分析した記念碑的な著作。

感想・レビュー・書評

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  • 満州事変のスゴサは満州国という国を作ってしまった点にある事に今更ながら気がつかされた。当然そこには国家ビジョンがあり、政治思想史的観点からの考察が大変興味深い。
    同じ国家社会主義からスタートしておきながら、515や226で散った青年将校達は、建国までした関東軍に比べると無能であると一刀両断しているのが印象的。

  • 読み切ったが、一度読んだだけで理解出来る情報量ではない
    だが満州事変をほとんど知らない状態で読んだことを考えると、かなり分かりやすい内容だと感じた
    単純に何が起こったか、というよりも、その時代背景や諸外国の動き、民意、軍隊、政府などが当時どう考えていたかなどが非常に生々しく描かれている
    この当時から中央が関東軍を制御できていない点、若者たちの暴走、しかも「具体的な解決策もなく、ただ突っ走るだけ(あいつが悪いと決めて暗殺する)」である。だが、民意はそれを支援していく。今を否定したいがためにやがて軍も当初の思いから変化していく。当初は民主的な内容だったが、帝国主義の勢いは止まらず、戦線は拡大していく。。どこに向かっているかを見通せていたとは思えない
    思えば日露戦争では諸外国の駆け引きをしながら進めたが、この満州事変はどちらかというと「追い詰められた状態」からのスタートである。色々と条件が異なるが、それにしても出口がみえない
    連盟脱退にしても、脱退を決めたというよりも、脱退になった、という「流れに任せた」感がある。その無責任な対応は、今後日本が「空気」に任せて迷走を続ける、まさにスタートラインだったように思える

  • NHKスペシャルの国連難民高等弁務官としての緒方さんを拝見し、感銘を受けた。その緒方さんがあの犬養毅の曾孫であり、そのルーツから満州事変に関する博士論文を書かれているということを同番組で知り、丁度満州事変の他の本も読んでいた時なので、思い切って博士論文ということながら読んでみようと思った。内容は、資料部分は原文が使われていたり読み難いところもあるが、緒方さんならではの国際関係や外交政策からみた満州事変に至る経緯は、非常にわかり易いし、現在日本の国際問題から見ても読み応えがある内容で大変興味深く読めた。

  • 緒方貞子が満州事変を著していたなんて、本屋で手にして正直びっくりした。後の活躍を知っているだけに、当時からの思索の過程や問題意識の立て方が気になってしまう。

  • (一読目)
    緒方貞子氏の博士論文。
    満州事変はなぜ起きたのか、日本国内の政治的対立と、列強諸国および中国との外交関係を論じ、最終的に日本国内での政策決定の権力がどのように移行していったかを論じている。
    秀逸なのは、日本金現代史を論じた本にしては極めて党派的偏りが無く整然とした論理構成がなされており、且高度な論述にもかかわらず初学者にも分かりやすく事変の経緯が記述されている点。
    これは解説にもあるように、著者が1960年代アメリカで本論を執筆したため、日本の煩わしい党派対立から距離を置くことができ、かつ当時の日本人にとっては当たり前のことも丁寧に記述する必要があったためであろう。

    大日本帝国のたどってきた足跡を見る上でとても有用な良書。

  • 英文が翻訳された博士論文である性格からも、読みやすかった。
    それゆえにルビは必要とされないのでしょうが、中国名や満州の地域名は「読めないこと」で、読みづらさを感じた。
    歴史上の人物名も、有名でなければルビは欲しい。
    四十年以上の著書ですが、今なお、新鮮な感じがする。それだけに、満州事変の参考文献、初歩的な読書としてはお薦め。

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著者プロフィール

国際協力機構(JICA)特別顧問

「2013年 『共に生きるということ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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