- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006002626
作品紹介・あらすじ
オスマン帝国の領土だった中東諸国を中心にナショナリズムの歴史的考察を試み、現在の国際情勢の淵源を探る。帝国内の人民が第一次大戦を境に「国民化」される過程と、冷戦終結以降に旧ソ連、旧ユーゴ、イラクなどで起こった民族紛争による「国民の分裂」を分析し、二〇一一年の「アラブの春」とよばれる中東変動をどうとらえるべきか、その本質と多様性を論ずる。
感想・レビュー・書評
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「帝国と国民」という単行本を岩波現代文庫版にするにあたって「帝国とナショナリズム」に変えたようだ。どっちでもあまり変わりなさそうだが。
筆者が章立て毎に書いたそれぞれの論文をまとめて一冊にしたものである。部分部分はわかることも書いてあるが、各々の脈絡や関連性をまったく感じられずとにかく読みずらくわかりにくい本だ。帝国、国家、共同体、民族、ナショナリズム、・・・重要な概念ばかりだが、この文章は一読では到底理解できない。歯が立たないというのはこのことか。イスラムのことについては詳しく書いてあるようで、再読のうえ理解にチャレンジしよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
世界史の予備知識がなさ過ぎて無理でした。いつの日か再挑戦したい。
…こんなことをいっていると、どんどん世界の流れから立ち遅れていきそうですが。 -
「帝国」という視点から現代の中東を見る。
オスマン帝国の分割が意図的な線引きであったことが、そもそもの紛争の原因。民族、宗教を鑑みても、再統一、再分割は困難。
その中で「帝国」への回帰が求められる。
帝国としての在り方が、紛争解決へのひとつの手段だということだ。