発情装置 新版 (岩波現代文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006003357

作品紹介・あらすじ

ヒトはなぜ欲情するのか?本能や自然ではなく、そうさせる「文化装置」ゆえと、大胆に暴露。援助交際・ケア殺人・「こじらせ女子」など時代ごとの性風俗や、春画・写真・オブジェなど古今東西のアートから、発情を導く「エロスのシナリオ」を読みとく。性からタブー・虚飾を剥ぎとり、アラレもない姿を堂々と示す、迫力のセクシュアリティ論。

感想・レビュー・書評

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  • 人は社会的ないきもので、幻想なくして発情することさえできない。「エロスとは発情のための文化装置」なのだ。そんな発情装置のからくりを知れば、性についての神秘性は剥ぎ取られる。

  • 1987-1998年論文をまとめた1998年版に、80年代-2010年代の時局発言を追補、半世紀にわたるセクシュアルティの地殻変動期を性的身体として生きた一人の女の歴史的証言。

    性の抑圧やタブーは、文学やアートの源泉でもある。

  • 自著解題より
    セックス音ハードルはたしかに下がった。女性に性欲があることは当然視されるようになったし、女性が快楽を求めることにもスティグマはなくなった。女性があからさまにセックスやマスターベーションを口にすることへのタブーも、なくなりはしないが、確実に少なくなった。結婚の前にも後にも外にも、女性がセックスを求めることに社会的な制裁はいちじるしく減少した。そうでなかった時代のことを思うと、隔世の感がある。だが、それはほんとうに女性にとって「性解放」だったのだろうか?
    その反面、ジェンダーの非対称性がおどろくほど変わっていないことにも驚く。避妊の知識と技術が普及したのに、無知からではなく遠慮からパートナーに避妊を言い出せない女。「今どこに誰といる?」と恋人に訊かれてしょっちゅう写メを証拠写真としておくらなければならない拘束を、愛情ととりちがえる女。…(中略)…
    性解放は女の性の自立と自律を求めるもののはずだった。だが結局、いくらハダカで向き合っても「ベッドの中」だけが解放区になるはずもない。ベッドの中には、ありとあらゆくる社会的・経済的・政治的な非対称性が持ち込まれるだけにすぎないことが、あれから四〇年経ってみれば、あらためてよくわかる。フェミニズムの標語、「個人的なことは政治的である」は今でも有効なのだ。

  • 後半、漫画の論文、絵画の論文が?

  • これだけ世の中の仕組みが分かっていると、上野千鶴子さんも生きづらかっただろうなぁ。

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著者プロフィール

1948年富山県生まれ。社会学者。東京大学名誉教授。認定NPO法人ウィメンズアクショネットワーク(WAN)理事長。専門学校、短大、大学、大学院、社会人教育などの高等教育機関で、40年間、教育と研究に従事。著書に『近代家族の成立と終焉』、『家父長制と資本』(岩波書店)、『おひとりさまの老後』(文春文庫)、『女ぎらい』(紀伊國屋書店)、『ケアの社会学』(太田出版)、『サヨナラ、学校化社会』など多数。

「2018年 『情報生産者になる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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