歴史を哲学する――七日間の集中講義 (岩波現代文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 69
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006003425

作品紹介・あらすじ

過去の事実はどのようにして知ることができるのか。私たちは過去を想起し、その痕跡から歴史的事実に迫ろうとするが、そのとき唯一の客観的な「歴史的事実」とは何であるのか。「歴史の物語り論」「歴史修正主義論争」など歴史認識の問題を、科学哲学・分析哲学の立場から、七日間の講義という形式でわかりやすく解説する。現代文庫版では、「補講2」として歴史学者・遅塚忠躬の「歴史の物語り論」に対する批判にこたえた反批判も収録。人文科学の在り方を問い直す、知的刺激に満ちた本。

感想・レビュー・書評

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  • 歴史(学)は科学か?物語か?有名な歴史学者との論争の反論が補講として追加。両者は対立しているように見えて、それほど違いはないのではないか?とも思える。講義内容は哲学・歴史学には無関係な一般学生向けなのでそれほど難しいものではない。ただし表面的説明に留まっているので、これは決着のつかないテーマへの探究の入口でしかないだろう。それにしても7日間の集中講義が1000円で数時間で繰り返し確認できるとは、あらためて本のコスパは最強だなって思う。

  • 歴史の認識論をテーマに、歴史科の諸問題を扱っていました。この本を読んでよかったと思えた点が二つあります。一つは歴史について考える材料を得られたこと。少なくとも歴史について考える場合には「歴史はフィクションか」と「唯一の正しい歴史」が争点となるようです。もう一つは「科学とは何か」というより大きな問いへ向かうきっかけがこの本を通して得られること。『歴史は科学か』という主要な問いのなかで、科学哲学のいくつかの知見を分かりやすく解説しています。興味を持った議論を深堀りできるような仕方で解説しているので、参考文献などを通して知識を深めることができそうです。私自身は歴史科でも歴史に特に興味を抱いている者でもないですが、この本を読んでわかりやすくて、おもしろいなと思いました。また一方で、「どういった態度で研究しているのか」と実際の歴史研究者に尋ねてみると、また異なった意見が得られそうだなと思います。

  • 学術書(講義録だからそこまで厳密なものでもないけれど)を一気読みしたのはいつ以来だろう。本当におもしろかった。裏表紙の案内文に「人文科学の在り方を問い直す、知的刺激に満ちた本」とある通りだと思う。

    でもそれは文字通りの意味で「人文科学の在り方」に興味がないとたぶんあんまりおもしろくない(そもそも講義ってことは、語りかけの対象が人文科学の学生になるってことだし)と思う。

    逆に言えば人文研究を志す大学生には是非読んでほしい本と言えるんじゃないかと思う(参考図書の紹介も豊富だし。とりあえず僕は武田泰淳の『司馬遷』は読んでみようと思います)。少なくとも僕は学生時代にこの本を読みたかったです。

    そんな本。

  • 歴史はナラティブであるという説得力があり、わかりやすい解説です

  • 歴史哲学入門

    歴史は科学か
    という問いと
    デザインは科学か
    という問いは同型のように思った。
    よく考えたい。

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著者プロフィール

1949年、宮城県生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程中退。東北大学大学院文学研究科教授、同大学院文学研究科長・文学部長、同大学副学長、同大学附属図書館長、東北大学理事を務める。東北大学名誉教授、日本学術会議会員、日本哲学会元会長。専攻は現代哲学、科学哲学。著書に『言語行為の現象学』『無根拠からの出発』『物語の哲学』『パラダイムとは何か』『歴史を哲学する』、訳書にマッハ『時間と空間』ハンソン『知覚と発見(上・下)』クリプキ『名指しと必然性』ローティ『哲学と自然の鏡』などがある。

「2013年 『科学の解釈学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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