自由の秩序 リベラリズムの法哲学講義 (岩波現代文庫 学術358)

  • 岩波書店 (2017年3月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784006003586

みんなの感想まとめ

自由の概念を深く考察し、実効的な秩序の必要性を探る本書は、リベラリズムの現状とその課題を鋭く指摘しています。特に、エリート主義や偽善的な側面が支持を失っていること、そして安全保障に関する憲法の議論が民...

感想・レビュー・書評

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  • 格差を減らす、社会保障を充実させる、福祉の部分では「リベラル」は支持を失っていない。しかしエリート主義的で偽善的な部分は支持を失っている。▼米はベトナムに謝罪をしない。南ベトナム政府に貸した金を返せと要求する始末。米下院がイアンプ問題で日本への非難決議をしたのは厚顔無恥。▼「リベラル」による過度な自己批判(自虐史観)が、かえって過度な自己肯定を招いてしまう。▼憲法9条は削除すべき。安全保障は民主的なプロセスで討議されるべき。ある特定の安全保障観を憲法に固定化すべきでない。▼生前のリー・クワンユーが聞いたら喜びそうなことを、欧米のリベラルな哲学者たちが言い始めている。リベラリズムが受入れられるのは欧米の立憲民主国だけでいい。非欧米世界は節度ある階層社会だったらいい。欧米の「人権」を押し付けるべきでない、と。『リベラルのことは嫌いでも...』

    愛国心に右も左も関係ない。自発的に国への愛を表現する。沖縄も本土復帰前はみんな日本への復帰を強く望んでいた。p.51 ▼米国は日本以上に有権者が無知。ほとんどアメリカ人は地元の新聞しか読んでおらず、国際情勢をろくに知らない。関心があるのは自分の経済利益だけ。しかし政治への参加意識は強く、選挙では大きな影響力をもつ。p.148 ▼憲法9条を削除して戦力を認めることにより、それを統制するためのルール(シビリアンコントロールや国会の事前承認)を憲法で定めることができる。p.169 ▼インドは国内でヒンドゥーとイスラムが対立しており、それを英に利用され、専制支配を許してしまった。ナショナリズムによって人民が結束して「we」にならないと、専制権力とは戦えない。p.186 ▼60年安保闘争は反米ナショナリズムだった。p.190 『ザ・議論!』

    アジア女性基金など自国の戦争責任にここまで踏み込んで謝罪した例はない。国として誠意を見せた数少ない例が日本。『サピオ』(2016年1月号)

  • ミスターリベラリズムおじさんこと井上達夫さんの自由論.本書は自由概念の考察から始めて,問題点を抉り自由を実効的せしめる秩序の問題に話を進め,最終的に自身の正義基底的リベラリズム構想の話となります.

    後半の自説の紹介も簡潔かつ平易にまとまっており井上リベラリズム入門として重宝しますが,やはり前半の自由概念の考察が勉強になった.

  • 正直言って、今の僕には難しかった。
    聴講生の質問のレベルを考えても、ある程度は分かってる人でないと、敷居が高いのかも。

    とは言え、「何も制約がない状態は本当に自由なのか?」という命題は面白い。「無政府状態では個人の自由は担保されない」というのは確かにその通り。

    国家のような権力のコントロールが適切に行われている状況下で、自由な状態が可能になる。なるほどなあ。

  • いただきもの。以前刊行された『自由論』を改題・加筆修正して岩波現代文庫に入れ直したものとのこと。

  • 170902 中央図書館

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著者プロフィール

井上 達夫(いのうえ・たつお):1954年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業後、東京大学助手、千葉大学助教授を経て、1991年東京大学大学院法学政治学研究科助教授、1995年より2020年3月まで同教授。現在、東京大学名誉教授。主な著作に『法という企て』(東京大学出版会、2003年、和辻哲郎文化賞受賞)、『現代の貧困――リベラリズムの日本社会論』(岩波現代文庫、2011年)、『世界正義論』(筑摩選書、2012年)、『自由の秩序――リベラリズムの法哲学講義』(岩波現代文庫、2017年)、『立憲主義という企て』(東京大学出版会、2019年)、『普遍の再生――リベラリズムの現代世界論』(岩波現代文庫、2019年)、『生ける世界の法と哲学――ある反時代的精神の履歴書』(信山社、2020年)、『増補新装版 共生の作法――会話としての正義』(勁草書房、2021年)、『増補新装版 他者への自由――公共性の哲学としてのリベラリズム』(勁草書房、2021年)など。

「2026年 『増補 世界正義論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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