アイヒマン調書――ホロコーストを可能にした男 (岩波現代文庫)

制作 : ヨッヘン・フォン・ラング  小俣 和一郎 
  • 岩波書店
4.20
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本棚登録 : 56
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006003678

感想・レビュー・書評

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  • ユダヤ人移送の責任者、アドルフ・アイヒマンの録音調書です。
    取調官とのやり取りが淡々と続きますが、アイヒマンにはカリスマ性や狂気は無いように思えます。
    仕事に対して熱心で実直であっただけなのかもしれません。
    逆らえず命令に服従する他なかった、自分は殺害には関与せず移送業務以外は管轄外であるという彼の自己弁護は確かでしょうが、多々ある証拠が殺意の有無について追及します。
    ユダヤ人問題の最終解決600万人という結果からして、彼の熱意に殺意が全く無かったとは私には思えません。

  • ★4.0
    序盤のアイヒマンは丁寧で紳士的な印象を受けるものの、イスラエル警察・レス大尉の尋問が進むにつれ、彼の人間性の欠如が露わになっていく。そして、“移送”の結末を知った上で職務を果たしながら、「上部からの命令」「殺害の指示はしていない」等の言い訳に、ただただ呆れるばかり。中でも、レス大尉の父親がホロコーストの犠牲者のひとりと聞かされた際、アイヒマンが発した言葉に思わず絶句してしまった。が、アイヒマンが特別な悪ではなく凡人であったことが逆に恐ろしく、誰もがアイヒマンになり得る可能性を持っているのが怖い。

  • 非常に内容は重たいが、読み応えがある。ナチスの官僚ぶりもすごいが、淡々と絶滅業務に携わるアイヒマンに空恐ろしさを覚えた。

  • 最終解決自体は、ハイドリヒから伝達されていた特殊業務という意味ですが、はっきり言えば抹殺ということは、国家法では全くありませんでした。それはいわゆる総統命令でした。ヒムラー、ハイドリヒ、それに経済管理総局長のポールが、この総統命令を分担した。当時の一般的な法律認識というのは、相当の言葉は法的拘束力を持つというものでした。それはこのケースに限ったことではなく、全てそう受け止められていたんです。総統の言葉は、すなわち法だと(アイヒマン調書)。

  • 東2法経図・開架 B1/8-1/367/K

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