完本 中国再考 領域・民族・文化 (岩波現代文庫 学術439)

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  • 岩波書店 (2021年11月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (310ページ) / ISBN・EAN: 9784006004392

作品紹介・あらすじ

古代中国の天下観はいかにして現代中国の世界観へと転じたのか。中国内部での国としてのアイデンティティをめぐる多様な議論を歴史的に考察し、中国人の民族的感情の淵源を探って好評を博したオリジナル版現代文庫に、「民族」をめぐる論文と、これまでの研究を総括する論文を増補した完本版。二〇一四年アジア・太平洋賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 中国の複雑さを、中国人自らが語った文章。全体的にフェアな書きぶりであると個人的には感じられ、中国にもこのような冷静な議論があるという事実に感銘を受けた。
    中国は帝国と近代国家の顔を交錯させている国である。その勃興に伴い、西側中心の既存秩序、周辺諸国と衝突を繰り返す中国の今の本質を、中国人自ら歴史から解きほぐし分析している点に価値がある。
    中国はそもそも一つなのか。中国では漢民族中心主義(国境を意識する近代国家)と、多民族主義(天下が果てしなく広がるイメージの帝国)が相互に顔を出す国である。また、その領域も歴史的に増減幅があった(周辺諸国の一つである日本にとってみれば、その増減幅が死活的な脅威となるわけであるが)。よって「古来より固有の領土」という言い方は、周辺諸国との軋轢を生むだけである。しかしながら「確かに中国」といえる範囲、文化はあり、それを過度に過小評価するのもまた事実に反するものである。
    このような中国を目覚めさせたのは、日本であり、日本が中国を分断させようとすればするほど、中国のナショナリズムは高まりを見せた。そして目覚め、勃興した中国は、既存のルールにNOを言い出すようになり、帝国としての顔をのぞかせ、膨張の傾向を見せるようになった。習近平の掲げる「中国の夢」は帝国としての中国の復興、中心としての中国の立場を取り戻す意味であることは想像に難くない。
    このような中国といかに向き合うかは、我が国が背負った歴史の贖罪といえようか。

  • 東2法経図・6F開架:B1/8-1/439/K

  • 【蔵書検索詳細へのリンク】*所在・請求記号はこちらから確認できます
     https://opac.hama-med.ac.jp/opac/volume/460784

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著者プロフィール

1950年上海市生まれ。北京大学大学院中国古典文献学専攻を修了後、清華大学歴史系教授、復旦大学文史研究院院長などを歴任。現在、復旦大学歴史系特聘資深教授。主な著作に『中国思想史』全2巻(復旦大学出版社、1998、2000年)、『西潮又東風 晩清民初思想、宗教与学術十講』(上海古籍出版社、2006年)、『想像異域 読李朝朝鮮漢文燕行文献札記』(中華書局、2014年)などがあり、日本で翻訳出版されたものに『道教と中国文化』(坂出祥伸監訳、大形徹・戸崎哲彦・山本敏雄訳、東方書店、1993年)、『中国再考 その領域・民族・文化』(辻康吾監修、永田小絵訳、岩波書店、2014年)がある。

「2021年 『中国は“中国”なのか 「宅茲中国」のイメージと現実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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