新版 ナショナリズムの狭間から 「慰安婦」問題とフェミニズムの課題 (岩波現代文庫 学術443)
- 岩波書店 (2022年2月17日発売)
本棚登録 : 57人
感想 : 6件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (388ページ) / ISBN・EAN: 9784006004439
作品紹介・あらすじ
ナショナリズム渦巻く日韓で提起されてきた「慰安婦」問題——それはまた、性差別的な社会構造のなかで踏みにじられた女性の人権をめぐる問題であり、現代の性暴力につらなる側面をもつ。フェミニズムの視点から「慰安婦」運動の歴史を問い直し、二度と被害を繰り返させない世界をまなざす、問題理解の手がかりとなる一冊。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
ナショナリスティックな言説で支配され、その本体が見えにくくなっている慰安婦問題。
本書はまず、第一義的にこれはフェミニズムの問題、性暴力の問題であることを明らかにする(それは決して、慰安婦問題のはらむ民族差別的視座を後景化させることではない)。
自分の中にあった偏見、差別意識に気づかされざるを得ない。強制/非強制の議論の無効、「尊厳を奪われた」的言説の無効(彼女たちは恥ずかしくない。恥ずかしいのは日本政府である!)、我々自身が内面化している家父長制的な視点の相対化。本当に目から鱗のおもい。
そのとき立ち上がってくるのは、民族、性別を超えた連帯の可能性。彼女たちを大文字の「慰安婦」として捉えるのではなく、それぞれの人生の中で理不尽な暴力、苦しみにさらされた一人一人の人間として捉えたとき、私たちは連帯して立ち上がれるのではないか。
繰り返すが、これは決して「慰安婦」という存在を歴史修正主義的に消すこととも、この無責任の極みたる日本政府の存続を許している有権者としてのわたしの罪を軽減することでもない。 -
東2法経図・6F開架:B1/8-1/443/K
-
【蔵書検索詳細へのリンク】*所在・請求記号はこちらから確認できます
https://opac.hama-med.ac.jp/opac/volume/462785
著者プロフィール
山下英愛の作品
