〈個〉の誕生 キリスト教教理をつくった人びと (岩波現代文庫 学術460)
- 岩波書店 (2023年1月16日発売)
本棚登録 : 244人
感想 : 13件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (424ページ) / ISBN・EAN: 9784006004606
作品紹介・あらすじ
イエスの隣人愛の思想がその死後ギリシア・ローマの哲学的言語によって教義化されていく過程で、新たな存在論が作り出された。個の個的存在性(かけがえのなさ)を指し示す概念を中心とするこの存在論が古代末期から中世初期に東地中海世界の激動のうちで形成された次第を、哲学・宗教・歴史を横断し伸びやかな筆致で描き出す。(解説=山本芳久)
みんなの感想まとめ
存在の個性とその形成過程を探る本書は、キリスト教の思想とギリシャ哲学の交差点に位置し、個の存在性がどのように生まれたのかを深く掘り下げています。著者は、三位一体論や教義論争の歴史を通じて、現代に至る「...
感想・レビュー・書評
-
すごく良い本と評判なので読んだけど、キリスト教のこともギリシャ哲学も知らない自分には難しすぎた。最初と最後の亡くなった友人の話と、ところどころ挟まれるエッセイ風の著者の所感は楽しいけど気を抜くと全然わからなくなる感じだった。いつか再挑戦したい。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
三位一体論、キリスト論、その教義論争の歴史は、取り上げられてこなかった。しかしそこにこそ現代にまでつながる「個」というものを生み出した重大な過程があったという。「ビザンツ・インパクト」と著者が言う思想の展開は、些末なことに拘泥するという従来の西欧側からのビザンツ神学像をうちこわし、「ビザンツ」ということばにポジティブな意味を持たせている。画期的な一書。
-
素晴らしい書籍でした。
西洋文化における個人主義や責任概念の源流について考えたいという関心の中から読んだもので、正直理解度で言うと著者の苦労に応えるところには到底辿り着けていない気がしますが、それでも面白かったし、何よりこの一冊をまとめ上げたこと自体に尊敬の念が尽きません。
内容としては主にローマ帝国後期における公会議を中心に、キリスト教教義の変遷やその背景を、宗教、哲学、政治などさまざまな側面から掘り下げていきます。ローマ史、キリスト教思想、古代ギリシャ思想などについてそれぞれある程度の知識がないと詳しい議論についていくのはなかなか大変で、私はいずれも足りていないのだと思いますが、それでも非常に面白かった。
キリスト教教義における三位一体論の重要性もこの古代の議論を追うことでよく理解できたし、そこにはギリシャ哲学からの重要な影響・連続性があったり、世俗の権力がしばしば暴力も伴う形でも大いに影響していたこと(ローマの内部でも、侵攻への対応という外部的な意味でも)、東西ローマが分裂に至る前段階から相当なズレがあったことなどさまざまなことが影響していることがよくわかった。
三位一体論と個人概念の関係性自体について自分の言葉で語れるにはまだ遠いがそれでもこれを抜きにしては理解も説明もしにくいことが改めて感じられたのは良かった。引き続き勉強していこう。 -
プロフェッショナルコーチとして、クライアントの自己成長に伴走しつつ、「人ってそもそもどんな存在なんだろう?」「人生の目的って何だろう?」といった問いに直面した方にオススメの本です。
( オンラインコミュニティ「Book Bar for Leaders」内で紹介 https://www.bizmentor.jp/bookbar ) -
序章と終章にある一人の友人への語り掛けが、差し出された理解が、ある迂回路を経て普遍的なものに通じてもいる、というこのテクストの展開を、著者は「ヨーロッパの胎内巡り」、ボエティウス『哲学の慰め』に擬えているが、このテクストで扱われた内容である、個別と普遍の間の緊張関係を表してすらいる。なんという名著。
-
東2法経図・6F開架:B1/8-1/460/K
-
【蔵書検索詳細へのリンク】*所在・請求記号はこちらから確認できます
https://opac.hama-med.ac.jp/opac/volume/468018
この本が好きな人におすすめの本
著者プロフィール
坂口ふみの作品
