フェミニズム (岩波現代文庫 学術 478)

  • 岩波書店 (2024年6月18日発売)
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本 ・本 (234ページ) / ISBN・EAN: 9784006004781

作品紹介・あらすじ

フェミニズムとは、女の解放を意図しながら、「女」と位置付けられている者以外にフェミニズムを開いていくこと──最良の入門書であるとともに、男/女のカテゴリーを徹底的に解析する本書は、性差の虚構性を暴き、この身体から未来を展望する可能性を示す。齋藤純一氏との『思想』対談を付して文庫化。(解説=岡野八代)

感想・レビュー・書評

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  • 竹村 和子『フェミニズム (思考のフロンティア) 』 | arsvi.com:立命館大学生存学研究所
    http://www.arsvi.com/b2000/0010tk.htm

    アクション > 一般財団法人 竹村和子フェミニズム基金 〈終了〉のお知らせと『報告書』 | ウィメンズアクションネットワーク Women's Action Network(2023.07.22)
    https://wan.or.jp/article/show/10731

    竹村和子さんへの想い | ウィメンズアクションネットワーク Women's Action Network
    https://wan.or.jp/general/category/kazukotakemura

    竹村和子フェミニズム基金
    https://www.takemura-fund.org/

    フェミニズム - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b646717.html
    (単行本)
    https://www.iwanami.co.jp/book/b257293.html
    -----------------------------
    (yamanedoさん)本の やまね洞から

  • フェミニズムを全体的に解説をした本です。ただし、私にはかなり難しく感じました。

  • 後半部分が特に素晴らしかった。フェミニズムって言うのはどうなんだみたいな意見をよく聞くが138ページの「フェミニズムは、「女」に位置づけられている者が、女に対してなされる暴力を言挙げしつつ、それによって「女」という名前をジェンダーにおいても、セクシュアリティにおいても、セックスにおいても返上しようとしてきた軌跡である。」本当に。今はジェンダー論に回収されがちだが、まだフェミニズムということばには力があるはず。


    愛の喪失の感覚に向き合うこと。喪失をただ反復して公的な主体を構築してきた所謂男性的社会といった書きぶりは本当に見事で、喪失がブルドゥーのいうハビトゥスを変形させうるというところは首がもげるほどうなずく。私が戦後文学やサブカルに拘泥するのはこの喪失の感覚が書かれているにも関わらず、ほとんどそれに関して正面から向き合った議論がされてこなかったのではないかと思うから。

    ここまでは批評や哲学の話だが、これが政治学に接続される後半部分は胸熱でした。国民国家の体制を補強するものとしてはレズビアンが、ネオコロニアル的な搾取に加担させるものとしては女性の職場進出が使われているというのは、自分が就活で感じていたモヤモヤをスパッと言語化してもらった感。勿論数として増やすという外側からのテコ入れは不可欠なのだが、実際問題意識が共有されているかと言われれば、むしろバックラッシュが起こっている感あるもんな。
    再占有からも極度の分裂からもすり抜けるという隘路を理論・実践・政策において進もうというラストの呼び掛けは二元論の超克としてはひとつの完成系なのではないかと思いつつ、やはりこれだと政治の世界でパワーを持たないのかな?とも思った。

    齋藤との対談も興味深く、私は親密圏、ええやん共同生活者みたいなんも入りそうやし〜と思ってたけど、竹村は公共圏と親密圏からこぼれ落ちるものにも目をつけていて流石という感。齋藤さんがやられっぱなしで議論の筋が見えにくかったが…


    最後に抜粋。
    「社会を変革するような革命は、ささやかな日常の読みの実践のなかに芽吹く」
    泣いちゃうよ〜。もうちょいがんばる。

  • ネット上のなんちゃってフェミ論争や男女論でもなく、ツイフェミでもなく、学問としてのフェミニズムにコミットしたい人にうってつけかと思う。

  • 【蔵書検索詳細へのリンク】*所在・請求記号はこちらから確認できます
     https://opac.hama-med.ac.jp/opac/volume/482848

  • 【本学OPACへのリンク☟】
    https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/717212

  • 東2法経図・6F開架:B1/8-1/478/K

  • 出版社(岩波書店)のページ
    https://www.iwanami.co.jp/book/b646717.html

    シリーズ 思考のフロンティア(2000年)+斎藤純一氏との『思想』対談 +解説・岡野八代 の文庫化

    ※ 旧版のページ(目次あり)
    https://www.iwanami.co.jp/book/b257293.html

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著者プロフィール

元お茶の水女子大学大学院人間文化研究科教授。お茶の水女子大学大学院修士課程修了。筑波大学大学院博士課程退学。人文科学博士。琉球大学名誉博士。専門は英語圏文学、批評理論。2011年死去。主な著書に『境界を撹乱する――性・生・暴力』『愛について――アイデンティティと欲望の政治学』、『思考のフロンティア フェミニズム』(以上、岩波書店)、『文学力の挑戦 ――ファミリー・欲望・テロリズム』(研究社)、『彼女は何を視ているのか――映像表象と欲望の深層』(作品社)、『かくも多彩な女たちの軌跡』『女というイデオロギー』(以上、海老根静江との共編著、南雲堂)など。

「2021年 『問題=物質となる身体』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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