鏡のなかの鏡―迷宮 (岩波現代文庫)

制作 : Michael Ende  丘沢 静也 
  • 岩波書店
3.85
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本棚登録 : 1188
レビュー : 130
  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006020316

作品紹介・あらすじ

鮮烈なイメージと豊かなストーリーで織りなされる30の連作短編集。一つずつ順番に、前話をゆがんだ鏡像のように映しだし、最後の話が最初の話へとつながって、読者をめくるめく意識の迷宮へと導く。人間存在の神秘と不可思議さを映し出す鏡の世界の物語は、『モモ』『はてしない物語』とならぶ、エンデの代表作である。

感想・レビュー・書評

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  • 読後、足元がくらくらしてしまいます。
    …というか、「読み終えた」という実感がないというのが本音。
    夢から夢へ、次々と足を踏み入れているような。
    巡り巡って最初に戻るかと思いきや、実はどんどん奥へと迷い込んでいるような。
    気付けば本の最後のページになっていて、「ああ、終わっていたのか」とはっとしたのでした。

    本書には30篇のゆるやかにつながる連作短篇作品が収められています。
    今回、初めて読んだので1つ1つの物語を味わった感じでした。
    どちらかと言えば灰色や黒といった暗いイメージの物語なのに、それぞれが鮮烈な印象を残しているのに驚きます。

    本書は2度、3度読むことで、より一層深く深く味わえる本だと思うので、ぜひまた読みたいと思います。

  • 長い夢を見ていた気分。
    目が覚めた後、なにか重要なメッセージを受け取ったような気がするが忘れてしまった。それが悪夢だったかどうかも思い出せない。

    すごいのはほとんど全ての情景がタイトルを見るだけで目に浮かぶこと。
    ストーリーがあるようで無い素晴らしい世界観。幻想的であり、同時に不安な気持ちにもさせる。

    人には簡単におすすめ出来ないけれど、自分の中では他の本と比べて別格の魅力があります。強く引き込まれる本です。

  • 訳者のあとがきにエンデが『「鏡のなかの鏡」が日本でどのように読まれるのか、大きな期待をよせている。』と書いてあったけど、ごめんなさいって感じ。
    全体を通して全然意味がわからなかった。
    でもアマゾンの評価など見るととてもいいのでわかる人にはわかっているということで、エンデさんも喜んでいるのではないかと思う。
    「モモ」も奥が深い作品だったけど、これはさらに奥が深い。

  • 敬愛するミヒャエル・エンデの本で、「はてしない物語」の次に好きな作品。

    許して、ぼくはこれより大きな声ではしゃべれない。

    この書き出しからして、惹かれずにはいられない。
    なんと果敢なく、優しく、鋭い言葉たちだろう。


    と、絶賛しておいて実は読了していなかったりするのですがw
    今度は図書館ではなく、購入して読みたい。
    いや、読む!!

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「「はてしない物語」の次に好きな作品。」
      私も!(一番好きなのは「モモ」ですけど)
      エンデの理屈っぽさ?が凝縮された感じ。イメージを楽しむた...
      「「はてしない物語」の次に好きな作品。」
      私も!(一番好きなのは「モモ」ですけど)
      エンデの理屈っぽさ?が凝縮された感じ。イメージを楽しむための一冊ですね!
      2013/08/05
  • 昔デパートのトイレの洗面台の鏡とか、あるいは祖母の家の古い三面鏡とかを、飽きずにずっと覗き込んでいた。
    二つの鏡を平行におくと、ずっとずっと向こうまで像が連なって見えるという、アレ。 いくら頑張って覗き込んでも、自分の顔だけは見えない。
    この本を初めて読んだとき…もう何年も前になるけれど、
    向かい合わせの鏡の中を覗き込んだときのあの不思議な感覚を、思い出した。

    いくつもの短編が、あたかも鏡の中で無限に続くあの像のように、繋がっている。
    一見全く関係のない話、でもどこかで繋がっている。
    その僅かな繋がりを辿りながら、心の深淵へと迫っていく感覚。

    ありきたりな展開を望む人は、絶対に読んではいけない本。
    でも何故だろう、わからないけど
    読み終えたとき、何か不思議な感覚をおぼえた。
    きっと、この感覚は、いわゆる普通のハッピーエンドじゃあ味わえない。

    謎めいた文章を紐解きながら、心の深淵へ迫りたいあなたにおすすめ。

  • 美しく仄暗いイメージがこんこんと湧いてくる。

  • 最初はよくわからない感じが
    苦手だったけど、
    一編ごとの不思議な価値観に
    引き込まれて最後まで読めた。
    他の編との関連も、本当に不思議。
    こんな本、初めて読んだ。

    どれも強烈だったけど、
    「息子は父親でもある師匠のすぐれた指導のもとで翼を夢みた。」

    「ずっしりした黒布が、垂直のひだをつけてたれさがっている。」
    が特に印象に残っている。

  • 中学生の頃に読んだ。
    率直に、難しい。
    読み始めたら最後まで、という信念があったので、苦しみながらも最後まで読んだ記憶がある。

    どんな内容だったのか覚えていないが、半ばに収録されていた物語の情景だけはなんとなく覚えている。

    次はゆっくり読み返したい。

  • ただひたすらに悪夢的な薄暗い短編が続く。明るい爽やかな話はあまりない。キーワードが共通するというほかには、連作というほどに内容的な繋がりはあまりない。
    扉だけで出来ている家や、のっぺらぼうの群衆、痒いところに手の届かないような焦点の合わないわけのわからなさ加減、じわじわ迫る奇妙な恐怖感などは、まさに悪夢を見ている時のような嫌な予感に満ちている。
    正直に言えば、あまり面白いとは感じなかった。それは他人の見た夢の話がつまらないのと同じ理由だろう。ただ時々ふとした一節が心に残ったりする。
    想像を働かせるのが難しいと感じる描写は稀にあったが、難解とは感じなかった。というのもこの本は考察をしながら読み進めるようなものではなく、ただその時読んでいる文章を感じることによる体験を重視しているように思えるからだ。
    読み進めるのはつらい本だったが、上記のようななんとも言えない空気感を描けるエンデはすごいと思う。なんか怖いし暗いしモヤモヤする話ばかりだけど、悪くない。三十話もあるのだから、誰しも一話くらいは気に入る話が出来るだろう。
    目覚めていても夢(ただし悪夢)を見ていたい人にはお勧めの本。

  • ファンタジー エンデ

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