日本語と日本人の心 (岩波現代文庫―文芸)

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レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006020514

感想・レビュー・書評

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  • よかった。河合先生が好きな理由、谷川俊太郎が好きな理由、大江健三郎が苦手な理由がおぼろげながらわかった気がする。
    僕も河合先生、谷川さん側の立場で、言語にはその背景にある社会・文化から成り立っているので、その社会・文化固有のものを言語によって表現する場合、どうしてもその「ローカル言語」にしかうまく表現できない部分が存在する。
    そのうまく表現できない部分をなんとか言い表そうとして悪戦苦闘するのが、言語を生業とする表現者の役割なのだと思う。
    大江健三郎が読みにくいのは、「100%翻訳」にばかり目が行き過ぎて、小説の本質がこぼれ落ちてしまっている点、「100%翻訳」にこだわるが故に、無駄な文章、言い回しがとてつもなく多く、元の言語ですら読み切るのが困難である点にある、とこの本を読んでいて、というか、大江健三郎の話し言葉を読んでいて思った。話し言葉ですら難しい言い回しを使う人は、ほぼ100%、書き言葉も難解。ゆえに大江健三郎は難解。

  • 本作は大江健三郎、河合速雄、谷川俊太郎による対談の記録なのだけれども、日本語やその性質が好きな人は読んだら面白いと思う。「言葉という共通のものを用いながら、しかも個人の輝き、この人だけのものという輝きがあるものをつくりだすのが文学」

  • ほぼ同年代といってもよいお三方。三人とももういいお年なのに、驚いたり、感心したり、かわいらしい。日本人に限らず、どこの国の人でも自国だけは特別って思いたがるのかしら。

  • 大好きな谷川さんと河合さんの対談、河合さんも大牟田雄三さんももうこの世にいないんだなあと思いながら読むのが辛かったが、大江さん含めて3人の各々の専門に基づく見方が面白かった。「みみをすます」生き方、できればいいなあ。

  • 登録し忘れてたー!!

    読んだ後、すっかり頭から抜けてしまうくらい難しかった!
    内容が難しいというより、お三方の日本語に対する姿勢が真摯に過ぎて、置いてけぼりになってしまうのです。ついていけん・・・

    世界一美しい言語たる日本語を適当に使っていてごめんなさい。
    金田一春彦先生にもごめんなさい。

    09.06.24

  • 日本語を文字として操る大江健三郎と谷川俊太郎、言葉(会話)を仕事として操る河合隼雄の3人による日本語論。
    それぞれの言葉一つ一つに意味があり、非常に興味深い。
    日本語は日本人の文化であり、日本人の心が形作ってきたもの。
    だからこそ、日本語とはこうであると一つの答えが出せるものではない。
    特に大江氏と谷川氏にはその見解に決定的な隔たりがある。
    書物のタイトルからすると、静かな対談に思えるが、その予想を裏切り、
    意外に白熱する意見(対談)が繰り広げられる。

    日本語の豊かさが理解できる本だ。

  • 日本語について本を読みたくてふと手に取ったときの一冊である、もっと私は勉強しなくちゃならんと思った

  • 大江健三郎・河合隼雄・谷川俊太郎の三人が、日本語と日本人の心の関わりについて行った講演、パネルディスカッション、また座談会を終えて書かれた解説が一冊になっています。

    現代日本を代表する作家・学者・詩人の三人の組み合わせ、ということでとても興味深い対談となています。

    ただ一般公開のシンポジウムという性格からか、テーマの表面をなぞっただけの講演という感が否めない(第一部 河合隼雄の講演)。個人的には「言語とその話者の関わり」というテーマをもうすこし深くつっこんで語ってほしかったのですが。第二部のパネルディスカッションも然り。

  • 大江健三郎、河合隼雄、谷川俊太郎。
    文章家として、臨床家として、詩作家としてのそれぞれの立場から自分と言葉を磨いてきた人々のシンポジウム。偉大です。

  • 最強の3人です。私が尊敬する方方勢ぞろいです。

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著者プロフィール

大江 健三郎(おおえ けんざぶろう)
1935年、愛媛県喜多郡内子町(旧大瀬村)生まれ。東京大学文学部フランス文学科卒業。大学在学中の1957年に「奇妙な仕事」で東大五月祭賞を、同じく在学中1958年当時最年少の23歳で「飼育」にて芥川賞を受賞。1964年『個人的な体験』で新潮文学賞、1967年『万延元年のフットボール』で谷崎賞、1973年『洪水はわが魂におよび』で野間文芸賞、1983年『「雨の木」(レイン・ツリー)を聴く女たち』で読売文学賞、『新しい人よ眼ざめよ』で大佛賞、1984年「河馬に噛まれる」で川端賞、1990年『人生の親戚』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞。そして1994年には、「詩的な力によって想像的な世界を創りだした。そこでは人生と神話が渾然一体となり、現代の人間の窮状を描いて読者の心をかき乱すような情景が形作られている」という理由でノーベル文学賞を受賞した。
2018年7月から『大江健三郎全小説』全15巻の刊行が始まる。

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