日本の面影 ラフカディオ・ハーンの世界 (岩波現代文庫 文芸 58)
- 岩波書店 (2002年10月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (380ページ) / ISBN・EAN: 9784006020583
みんなの感想まとめ
古き良き日本の美しさと近代化のせめぎ合いを描いた物語は、ラフカディオ・ハーンの視点を通じて、文化の変遷に対する深い思索をもたらします。主人公が日本に魅了され、愛する人との絆を深める一方で、急速に進む西...
感想・レビュー・書評
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小泉八雲の書いた日本の面影の本だと思って、図書館から借りてきたら、NHKのテレビドラマの脚本だった。
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ニューオーリンズにはこんな迷信がある。
鶏が水をのむ。水をのんでは上を向く。
あれは、神様に、水をくださったお礼を申し上げている、というんだ。
科学的にはナンセンスだ。
しかし、鶏を見て、ああ水をのんでいる、と思うだけの人間と、ああ神様に感謝をしていると思う人間と、どちらの心が豊かだろう。
私は迷信を打ちこわすと、いっしょにこわれる心もあると思っている。
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以下、岩波書店の紹介。
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日本古来のものの美しさに魅かれ来日したラフカディオ・ハーン。神話の故郷松江で怪談を聞き集め、のち日本人の妻をめとり日本人として生きる決意をするが、近代化の時代にあって、ハーンが愛した日本はもう面影を残すのみとなるのであった。古きものと近代のせめぎあう時代の人間模様を土地の記憶とともに生き生きと描き、第2回向田邦子賞を受賞したテレビドラマ脚本の文庫化。 -
明治十七年、ニューオーリンズの万国博覧会に出品された日本の出品を見、展示の責任者である日本人との交流からこの独特な文化を持つ国に興味を持ったラフカディオ・ハーン。
明治二十三年に来日した彼は島根県松江の英語教員の職を得る。生徒や、教頭西田、下宿先の世話人たちと暖かな関係を築き、日本美の虜となった彼は下宿で家事を担っていた小泉セツと恋仲になり、やがて夫婦の契りを交わした。
けれど、その頃から日本は急速に西洋化し始めていた。日清戦争に勝ったことが、その勢いに拍車を掛けてしまう。
その過程で昔ながらの単純、温和、丁寧、親切、微笑、そして幽霊といった日本らしさが失われていくことに危機を感じたハーンは、止まらない日本の西洋化に絶望し、アメリカへ帰ることも考えるが、転任先である神戸で白人と付き合う内に彼らの傲慢さにも気付かされ、自らの足場を失う。
けれど、セツと彼らの間にできた子供、親戚の中に自分の居場所を見出し、それまで浮いていた戸籍の問題を、日本人小泉八雲として生きるという決心で決着をつけた。
見失いがちな日本の良さを再確認できた本書。
ドラマの脚本というト書きの文章で最初は戸惑ったけれど、じきに慣れた。 -
山田太一作。小泉八雲を主人公とするTVドラマ脚本本。八雲は何故、古き日本の美に心魅かれたのか?何故、絵画や工芸ではなく怪談なのか?そもそも、怪談とは何であるのか?目を凝らさねば見えない朧なもの。耳を澄まさねば聴こえない微かな物音。近代化の進捗と拝金主義の蔓延で感じなくなってしまったもの。神を畏れ自然を畏れ人を恐れる。神を崇め自然を崇め人を敬う。八雲は舌鋒鋭く我々日本人に問い質す。失ったものは何かと-。つい、熱くなってしまったが、子供からお年寄りまで、怪談が好きでも嫌いでも、充分楽しめる内容である。良作なり。
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