古典を読む 風姿花伝 (岩波現代文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006020743

作品紹介・あらすじ

時分の花、まことの花、年々去来の花、因果の花、老骨に残りし花…。芸能上の花のありかを尋ね、「秘すれば花なり。秘せずは花なるべからず」との奥義を説く世阿弥花伝書。若き日より幽玄の世界に親しむ歌人が、この珠玉の芸道論を丹念に読み、能の美、芸の極意だけでなく、人生の書としての滋味を深く味わってゆく。

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  • <秘すれば花>
    秘すれば花なり、秘せずは花なるべからず

    花にも年経るにつれ折々の花あり、と。
     「時分の花」
     「まことの花」
     「老骨にのこりし花」
     「巖の花」
     「萎れたる花」
     「年々去来の花」
     「因果の花」
    などについて記す。

    芸の花の、その風姿は「声」と「身形(みなり)」にあり。
      芸能と云うものは、眼をよろこばせ、耳を楽しませ、
      心にひびくもの、とや。

    花は心、種(たね)は態(わざ)なるべし

    <態>=<技>、か
    心と技の一体化した芸に、<花>は咲く。

    花と、面白きと、珍しきと、
    これ三つは同じ心なり。
    散る故によりて、咲く頃あれば、珍しきなり。

    咲くゆえにこそ花であり、また、散るゆえにこそ花である。
    ―― 人の目放しがたく思わせる変化そのものこそ、
    ―― 不変の花の真理であること。

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著者プロフィール

馬場あき子(ばば あきこ)
1928年、東京生まれの歌人、評論家。本名は岩田暁子。日本芸術院会員。昭和女子大学日本文学科卒業。在学中より歌誌『まひる野』に拠り作歌。1955年に初歌集『早苗』を出版して以来、独自の歌風でもって作歌を行ってきた。現在、歌誌『かりん』主宰。朝日歌壇選者。歌集の他に歌論、中世文学や能に詳しいことから、研究書などを多数記す。
また、読売文学賞、紫綬褒章、斎藤茂吉短歌文学賞、朝日賞、日本芸術院賞など多くの受賞歴がある。

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