マーラーと世紀末ウィーン (岩波現代文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006020828

作品紹介・あらすじ

マーラーの作品の真の新しさや面白さは、世紀末ウィーンの文化史全体に目を広げて初めて明らかになる。著者は同時代人クリムト、O.ワーグナー、フロイト、V.アードラーらの活動をも視野に入れ、彼らの夢と現実のありようを描きだす。また現在、彼の音楽のどのような側面が注目され、それが現代文化のいかなる状況を表現しているのかを問う。

感想・レビュー・書評

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  • 初出は27年前なので、今読むと「当たり前のことしか書いていない」ように感じられる。著者の眼力の確かさを裏づけていると言えるだろう。
    マーラーが使う不協和音や変拍子のリズムも、今の音楽ファンにはごくまともにしか聞こえないと思う。それだけ音楽は拡張してきているのだが、この先はどうなんだろう。現代音楽は難解で、「これが音楽なの?」と思わされる作品もあるけど、いずれは心地よく聴かれるようになるんだろうか?

  • 画期的なマーラー論である。
    マーラーの音楽を、社会学的な視点から捉えようとした論考であるが、視点がはっきりしていていかにも明快な論旨である。
    特に、「大地の歌」についての著述は、初めて知った内容もあって、かなり興奮して読んだ。
    平易な語り口は、著者がこのマーラー研究をどれだけ自家薬籠中のものとしているかということの証左であろう。
    著者による訳書も読んでみたくなったし、随分前に購入したまま積ん読状態だった他のマーラー論も読んでみたくなった。

  • 逗子図書館で読む。マーラーとベニスに死すの関係の部分を読みました。興味深い論文でした。マーラーは、第8のころは人気があったんですね。再読の価値があります。

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著者プロフィール

1953年生まれ。東京大学大学院人文社会研究科教授。専攻は美学芸術学、文化資源学。著書に『歌う国民――唱歌・校歌・うたごえ』『感性文化論――〈終わり〉と〈はじまり〉の戦後昭和史』などがある。

「2018年 『大正=歴史の踊り場とは何か 現代の起点を探る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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