とむらい師たち (岩波現代文庫 文芸 116 野坂昭如ルネサンス 5)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006021160

作品紹介・あらすじ

死に顔がもっている威厳と迫力に魅せられ、万国博に対抗して葬儀博の実現にかける「ガンめん」。葬儀のレジャー産業化に狂奔する「ジャッカン」。とむらい師たちの奇行と愚行、笑いと哀しみ。独自の終末観に基づいて「生」を肯定する「死」への想像力が発揮される。他に異色作「あゝ水銀大軟膏」「四面凶妻」「ベトナム姐ちゃん」「うろろんころろん」を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 「うろろんころろん」の全編下ネタ全開のどうしようもなさは野坂作品の特徴であるラストの斜め上の展開が逆にまともに思えるほど酷い。「おさえチンと申しますと」「おさえねえと、きついわやくのチン、チンにはこの他、すだれチン、けんいちチン、つまみチン、はさみチンとありんす」じゃないってーの。おかげで表題作の「とむらい師たち」の坂道を転がり落ちていくように超展開を見せてある種落ち着くところに落ち着くラストの衝撃も「ベトナム姐ちゃん」のやるせなさと哀愁漂うラストも全部が吹き飛んでしまいましたわ。

  • 先日「おくりびと」が世間を騒がせたが
    それとはまさに反対ともいえる作品。

    死というものさえひとつのビジネスとする主人公をとりまいた
    ミステリーともファンタジーともいえる作品。

    他にも4作品が載せられている。

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著者プロフィール

野坂昭如

一九三〇年(昭和五)神奈川県生まれ。親戚の養子となり神戸に育つ。四五年の空襲で養父を失い、のち、実家に引き取られる。旧制新潟高校から早稲田大学第一文学部仏文科に進むが、五七年中退。CMソング作詞家、放送作家などさまざまな職を経て、六三年「エロ事師たち」で作家デビュー。六八年「アメリカひじき」「火垂るの墓」で直木賞を、九七年『同心円』で吉川英治文学賞を、二〇〇二年『文壇』およびそれに至る文業で泉鏡花文学賞を受賞。そのほか『骨餓身峠死人葛』『戦争童話集』『一九四五・夏・神戸』など多くの著書がある。二〇一〇年(平成二十七)死去。

「2020年 『「終戦日記」を読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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